旧演出 『レ・ミゼラブル』から11年

たまたま流れてきた記事で知りました。

私にとって『レ・ミゼラブル』は
特に初参加させて貰った2011年は

ずっと挑戦したかった舞台の(演出の)初参加であり、
その演出で出来る最後の公演でもあり、

絶対忘れる事が出来ないのが
やはり

東日本大震災を稽古中に経験した、ということ。 

色んな事が重なって
たぶん私の役者人生の中でも、一番、忘れる事のない、大切な作品、経験であることは確かで

語り出したらキリがないからなかなか手をつけられない出来事?でもあるのです。


裏事情は、、なかなかオープンな場で語れるモノではないので 笑
いつか、有料記事ででも、、、( ̄∇ ̄)


冗談はともかく 笑
旧演出の『レ・ミゼラブル』が大千秋楽だったという記事をみて、心がゾクゾクしたことで
やはり私にとっての“真ん中”が見えた気がして
何だかこれは書かねばならぬ、と思った次第です。

ご存知ない方もいらっしゃると思うので少しだけ説明を、、

『レ・ミゼラブル』という作品
ヴィクトル・ユゴー原作で、日本では初演が1987年、その後再演に再演を重ねている(直近で2021年上演)全編音楽と歌で構成されているミュージカル作品。(セリフがありません)

旧演出、と言っているのは
初演からおよそ30年は、廻り舞台[←“盆(ぼん)”と呼ばれます]を駆使し、所謂舞台ならではの【お客さんそれぞれの想像力に委ねる】ところが大きい演出で、
“盆”が廻ることによって時代が変わったり時間が流れたり、場所が変わっていったり
そして何より革命の場面での【バリケード】の登場に心の中で拍手喝采!してしまう方も多かったのではないでしょうか。
主にジョン・ケアードという、とても尊敬する素晴らしい演出家が日本版のほとんどをまとめ、導いてくれていました。
また、いつか一緒にお仕事をしたい、と思える演出家です。

そして、新演出。
こちらは、まさに時代の流れにあわせて
曲のテンポも早めになり、(歌詞や音楽の一部が)カットされる部分も多く、旧演出とは真逆で説明的で分かりやすい作りになっています。
“盆”は使わず、リアルな床板(フランスっぽいレンガを敷き詰めた様になっています)や、
役の感情表現も「ストレートに!わかりやすく!」を目指しているような演出です。
こちらは、固定の演出家がいる形ではなく、元々演者だった方が裏方となり演出助手の様な役割で決められた手順を教えて(伝えて)くれる、というような演出方法なので、色んな意味で旧演出とは真逆の創り方になっているのです。

どちらが良くてどちらが悪い、ではなく
自分は旧演出に憧れて、出演の夢を持っていたので、その旧演出に一度でも関われたことが本当に本当に幸せでしたし、
新演出になってから初めての上演に向けてのお稽古場の大変さを経験出来たことも、仲間たちと永遠の語り草になるだろうな、と 笑

旧演出の、
自分が読んでいる本を開けたら、飛び出す絵本の様に舞台が目の前に現れたような感覚。

それがいつまでも忘れられない私がいるのも確かです。
そういう感覚になれる舞台は、そう沢山ある訳ではないので、たった一度でも経験出来た事が幸せだと心から思います。

色々思い出しながら書いていたらこんなに長く、そして纏まらない文章になってしまいました(>人<;)


旧演出から新演出や、ファンティーヌという役のこと

これも書き出したらキリがないので、また改めて。。

『レ・ミゼラブル』そしてファンティーヌという役に感謝を込めて。。。


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