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海外のスキンケアは日本人に合わない?日本人の肌質の特徴とは

こんにちは!
COCO.libraryのゆうくです!

新しい年が始まって、もう1ヶ月が過ぎようとしていますが、年末年始はどのように過ごされましたか?
僕は暇を持て余してしまい、海外ドラマをダラダラと見続けていました。
そのうちストーリー展開よりも出演している俳優陣の肌を羨ましく見ている自分に気付きました。(完全に職業病ですね)
と、同時に、海外旅行で買ってきたローションがすごく痛かったという話をしていた友人のことを思い出しました。
実は、化粧品業界で仕事をするようになって知ったのですが、憧れだけで海外の化粧品を選ぶのは人によってはとても危険な行動なのです。

今回はそんな「海外のスキンケアを日本人が行う注意点」について、研究論文をもとに解説していきます!


肌質を比較することで見えてくる日本人の肌

海外の化粧品についてお話しする前に、まず知ってもらいたいのが「海外の人と日本人の肌質は大きく異なる」ということです。
国別の肌質の違いについて調査された研究結果を用いて、「日本人の肌の特徴と注意点」を紹介します。

【研究紹介】日本人と海外の人の肌質

日本人と海外の人の肌質の違いについて調査された研究があります¹⁾。
この研究では日本人とイギリス人、フランス人、アメリカ人、ドイツ人の4つの国の人の肌質の違いについて調査され、以下の結果が確認されています。

・皮脂量
 日本人が最も多く、アメリカ人が最も少ない
・角層水分量
 アメリカ人が最も多く、日本人が最も少ない
・その他
 日本人はその他の国の人と比べて「キメが細かい」「毛穴が小さい」

日本人と海外の人の肌質の違い
参考:加齢に伴う顔面皮膚の生理的・形態的変化 (第2報), 高橋 元次他, 
日本化粧品技術者会誌, 23 巻 1 号, p. 22-30, (1989)

その他にも、日本人の角質層(肌の一番外側の層)は海外の人に比べて薄いと言われていることが多いです²⁾。

日本人の肌の特徴

以上の研究結果を踏まえると、日本人の肌の特徴は以下のようにまとめられます。

■メリット
・皮脂が多く、乾燥しづらいため「シワができにくい」
・キメが細かく、毛穴が小さいため「肌が綺麗に見える」
■デメリット
・皮脂量が多く、肌の水分/油分のバランスが崩れやすいため、「肌トラブルが起こりやすい³⁾」
・角層が薄く、刺激に敏感になりやすいため、「炎症がおこりやすい⁴⁾」

上記から、皮脂の洗い残しや、摩擦などの刺激による肌トラブルのリスクが高いことが日本人の肌の注意点といえます。

海外のスキンケア

海外の人と日本人の肌質の違いを考えると、スキンケア製品の作りにも違いが生まれることは想像できるかと思います。
次に、肌質の違いから見た海外のスキンケアの特徴と、それらを日本人が取り入れることの注意点についてご紹介します。

海外のスキンケアの特徴

・洗顔について
日本人は「水と洗顔料を使った洗顔」を日常的に行う一方で、「水と洗顔料を使わずに洗顔をする」という国が多いようです。
その背景には、肌質的に「皮脂が少ない」ため、洗い流す必要性を感じないことや、海外の水は「硬水(金属イオンを多く含む水質)」で、この水が肌にダメージを与えてしまうことが関係していると考えます。
また、日本と違って水資源が貴重であることもスキンケアの行動に影響していると思われます。
そのため、ふき取り化粧水(ミセラーウォーター)やトナーを使って顔の汚れを落とすことが主流となっています²⁾。

・ピーリングの濃度について
角質ケアやニキビの治療として使われる「ピーリング」ですが、海外の人は角層が厚いために日本よりも高い濃度で使用されています。
また、肌質による効果や安全面を考慮した「配合濃度」に関するガイドラインがそれぞれの国で決められており、日本では、日本人の角質層の薄さを考慮し、海外のような高い濃度のものは認可されていません⁶⁾。

まとめ:日本人の肌に重要なスキンケアとは

日本人の肌質や海外のスキンケアの特徴を踏まえて、日本人が「美肌」を目指すために重要なスキンケアのポイントをご説明します。

①洗顔やクレンジングで「皮脂」をしっかり取り除く

海外の「水と洗顔料を使用せずに洗顔をする」というスキンケア習慣を取り入れてしまうと、皮脂を洗い切れずに「毛穴の詰まり」や「ニキビの発症」などの肌トラブルが起きてしまう可能性があります。

そのため、皮脂が残らないように、「洗顔料を使った洗顔」をしっかり行うことが肌を綺麗に保つために重要であることが分かります。
また、洗顔だけでなくメイクアップなどの油分を落とすための「クレンジング」を行うことも怠らないようにしましょう。

②刺激や摩擦を極力避ける

日本人の角層の薄い肌を守るために、刺激や摩擦がないようにケアをすることも重要です。
海外の人のようにピーリング化粧品やふき取り化粧品を多用することは、肌トラブルを引き起こす可能性があるため避けたほうが良いでしょう。
今まで海外の化粧品を使って、肌に合わなかったと感じた人は上記の理由が考えられます。

スキンケアは「それぞれの肌質、その地域の気候やそれらにまつわるルール(法律)などから適切な方法」がとられており、そもそも肌質が異なる人のスキンケアをマネしても「逆に肌トラブルを起こしてしまう可能性がある」ということが分かるかと思います。

「憧れのあの人が使っているから」という理由でスキンケアを選ぶのではなく、「自分の肌質に合わせたスキンケア」を選ぶことがとても重要であることをご理解いただけたら嬉しいです。

■参考文献
1) 加齢に伴う顔面皮膚の生理的・形態的変化 (第2報), 高橋 元次他, 日本化粧品技術者会誌, 23 巻 1 号, p. 22-30, (1989)
2) 海外のスキンケア・基礎化粧品事情。日本と中国・欧米・ASEANの違いとは, PROVE 海外コラム, (参照:2024/1/24)
3) 化粧品用語集|ライブラリー|モイスチャーバランス [moisture balance], 日本化粧品技術者会, (参照:2024/1/24)
4) 化粧品用語集|ライブラリー|角層バリア [barrier function of the stratum corneum], 日本化粧品技術者会, (参照:2024/1/24)
5) 日本人に適すると考えられたグリコール酸を用いたケミカルピーリング, 長濱 通子他, 皮膚, 42巻5号, p. 503-508, (2000)
6) 日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版), 古川 福実他, 日本皮膚科学会雑誌/118 巻 3 号, p. 347-356,(2008)

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