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幸せの魔法使い

わしの友達には“魔法使い”おる。
その“魔法使い”が現れると、一瞬にしてその場が明るくなる。
蛍光灯が新しいものに変わった…わけでもない、その“魔法使い”が自ら光ってる…わけでもない。
ただ、その“魔法使い”を呼ぶ時は注意しなくてならないんじゃ。
“魔法使い”と言われることが嫌いだからなぁ。

なぜ、“魔法使い”かわかったかって?

簡単なことだぁ。

とてつもない威力があるかじゃよ。

人を笑の渦へと巻き込む強力な魔術。

下手な芸人よりも笑いに貪欲じゃ。
どんなに人が滑ろうか、知ったこっちゃ〜ない。
大きな口を開けて、ガハハハと笑う。
そんな大きな口を開けていたらつられてこっちも大きな口を開けて笑ってしまうんじゃ。
そりゃすさまじい力でなぁ。
そういえば、彼女が元気がないときなんて見たことない。
きっとそれも魔法でどうにかなってるんじゃろうよ。

あの魔法はどこでも使えるそうだなぁ。

わたしもほしいと思ったがねぇ〜
どうやらその器がないらしい。
悲しいことだか、悲しむことなんてない。
だって、あの“魔法使い”のおかげで笑うってことがどんなに素晴らしいか気づいたんだからな。
感謝しかないわ。

きっと今日もあの“魔法”で世の中を幸せにしてるんだろうよ。

会いたいなぁ。
あ〜会いたい。

笑うって本当に素敵なことなんだなぁ。

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#ちゅうハヤ