ななみとまおこの楽しい毎日 第七話

 ある日、ギネス世界記録に、『世界一サボり魔な銀行員』というものが載りました。その銀行員は、まだ小学生でした。お金の使い方がうまかったので、その才能を見込まれて、とくべつに銀行員になったのです。その小学生は、女性でした。ななみという名前でした。
 ある日、ななみの家に、取材が訪れました。あまりにも変人なななみを、テレビ番組に出そうって言うんです。
「いいよっ。なんでも聞いちゃって♪」
 ななみは、マスコミにニコニコして言いました。
 マスコミは、たずねました。
「毎日欠かさず行っていることとか、ありますか?」
「うん、あるよ♪」
 ななみは答えて、そしてさかだちをします。
 マスコミは、たずねました。
「さかだちを毎日行っているんですか?」
「ううん、違うよ♪」
 ななみはそう言うと、今度はさかだちをしながらカップラーメンを食べました。
 マスコミはたずねました。
「さかだちしながらカップラーメンを食べるのを、毎日行ってるんですか?」
「ううん、違うよ♪」
 ななみは、にこにこ笑いました。
 そして今度は、ななみはさか立ちしてカップラーメンを食べながら、トラックの運転をしてみせました。
 マスコミは、今度もたずねようとしましたが、その前におまわりさんが来ました。
 きっと、小学生がトラックを運転しているので、注意しに来たのでしょう。
 ところが、おまわりさんはマスコミをしかりました。
「お前は、なんでおれよりイケメンなんだ! おれよりイケメンな者は、道路を歩いてはならない!」
 おまわりさんは、そう言ってマスコミに文句を言います。
 すると、マスコミも怒ります。
「ボクは、仕事でさつえいしに来てるんスよ。別に、通りたくて道路を通ってるわけじゃないっスよ!」
 マスコミは、そう言っておまわりさんをけったくります。
 すると、おまわりさんもマスコミを殴りました。
 マスコミは、もういやになって帰りました。
「まあまあ、そういきりたたなくてもいいじゃんっ♪」
 ななみが、さかだちしてカップラーメンを食べてトラックの運転をしながら、言いました。

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