ななみとまおこの楽しい毎日 第一一話

 ある日、ななみは道路でランニングをしていました。
 すると、ブスなおじさんが、がんばって運動をしています。
「俺は、やせてやる! モテ男になってやる! お前の彼女をうばうかもしれませんが、悪く思うなよ。」
 おじさんは、そう言って胸をはります。そしたら、ななみはキャッキャッと笑いました。
「どんだけやっても、ムダに決まってるじゃん!」
 ななみは、そう言ってロックを踊ります。ブスなおじさんは、まっ赤になりました。怒ってるんです。
 そして、ブスなおじさんは、ななみに空手チョップをくわせようとしました。しかし、おじさんの空手チョップがななみに当たることはありませんでした。
 ななみが、ジャンプして電信柱のてっぺんに、とんでっちゃったからです。
「ここまでは来れないでしょ♪」
 ななみは、電線にぶら下がりながら、足だけロックをおどります。
 えぇ。ななみの言うとおりです。たいていの人は、ジャンプして電信柱のてっぺんになんか、行けません。
 しかし、このおじさんは違いました。
「とあ〜!」
 おじさんは、ぴょんととびはねました。そして、本当に電信柱のてっぺんへと来てしまいました。
 ななみは、ブスなおじさんのところに来ると、その足をこしょこしょしました。
「うわ〜! おのれ〜!」
「まあまあ、そういきりたたなくてもいいじゃんっ♪」
 おじさんは怒りました。が、そのことに気付かないななみは、「このおじさん、私の友達になりたいんだ!」と、よろこびました。そして、ますますこしょこしょします。
 おじさんは、おちてしまいました。
「なんて美しいおち方っ♪」
 ななみは、おじさんがおちていく様をよく見ようと、そっちに顔をのばしました。
 ななみも、おちました。

「ななみにしろ、あのブスなおやじにしろ、罪は重い。イケメンは、この世におれしか存在しちゃいかん。それなのに、そんなことでケンカするなんて、許せんっ!」
 後にこの珍事件を捜査したおまわりさんは、そうコメントしています。

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