東京に行く用事があったので電車で友人と行ってきた。
　車で行くと帰りにお酒が呑めないという実に俗な理由で電車で行くことにした。
　いや……別に呑まなくてもいいのだけど、せっかく東京に行くのだから美味しいお店を探して呑んで帰ってきたいということになったのでそうすることにした。

　一言に東京と言ってもなかなか移動が大変で車でいけばそうでもないところも歩いていくとちょっとしんどかったりする。

　こうやって自分の行動を客観的に書いてみて気づいたのだけど、どうにもボクは『歩く』という行為に対して、若い頃に比べると大分ハードルが上がっているような気がする。
　否いや……。
　上がっているような気がするではない。
　しっかり嫌になっているのだ。

　昔は駅ひと駅分なら平気で歩いたりもしたのだけど、最近は少しの距離でも歩きたくない。
　原因は……単なる運動不足と加齢によるものである。
　まあ、いずれにせよ……昔と違ってお酒が飲めるようになってしまった今となっては歩きたくなくても歩かざるおえない。
　困ったものである。

　そして車と違って様々なところをうろうろするのには、お金がかかる。
　歩いて行けるところもあるのだろうし、嫌なのを我慢して歩くという方法もあるのだけど、それだけですべては解決しない。実際には歩いていける距離ではない場合もあるのだ。
　なんだかんだ東京は広いのだ。
　なんだかちょっと言い訳っぽいけど。

　でもまあ、それは横浜が広いのと同じだろう。
　実際に移動するとやっぱり広いんだなあと思ってしまう。

　狭い日本、そんなに急いでどこへいく。

　なんて交通安全の標語があったけど、歩いて移動という観点で考えると国土は狭い日本列島だが、そんなに狭くもなくそこそこ広いし移動にも時間がかかるのだ。

　というわけで、東京を移動するのにすべて歩いて移動というわけにはいかない……かと言っても車で移動というのも呑めなくなるからできない。そもそも『酒を呑む』という選択肢をなくせばいいじゃないかというかみさんの意見は却下である。
　やっぱり東京に行くのだから美味しいお酒を呑みたいではないか。

『呑むのはいいけど、帰りは迎えに行きませんからね』

　こんなふうに釘を刺されてしまったが、これはまったくもってかみさんの言う通りなのでボクも快くそこには同意した。

　ただ移動に関してはどうするかという問題はまだ解決していない。
　東京に行くと言っても一箇所で用事を済ますわけではないのだ。
　そこで考えたのが乗り降り自由の周遊券である。

　これが非常に便利で大活躍だった。
　ボクが使った周遊券は京浜急行の乗車駅から東京都内の駅の往復と都営地下鉄及び都営バスの1日乗り放題の周遊券だったのだ。

　あとで調べたのだけど、他にも周遊券はあって、JRと東京メトロと都営地下鉄が乗り放題の周遊券もあったので、そっちを選択しても面白かったかもしれない。

　ただ個人的には京急の赤い車両に乗ることができたので嬉しかった。
　都営地下鉄もいろんなところにつながっていて、東京観光にはうってつけの乗り物だなと感じたし、都バスも乗り心地が非常に良かった。

　実はまた東京に遊びに行きたいと思っている。

　ちなみに昼間から呑んだメガジョッキの生ビールはとても美味しかった。