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川のほとりに立つ者は - 波瀾万丈の人生を綴った感動作

寺地はるなが放つ、愛と孤独の叫び

言葉の力に圧倒される。寺地はるな著「川のほとりに立つ者は」は、それほどまでに心を打つ傑作である。著者自身の人生が滲み出るように描かれた、愛と孤独の物語に、読者は必ずや涙する。

人生の曲がり角で揺れ動く心の軌跡

主人公・美桜は、夫との離婚を機に、かつて故郷と呼んだ川沿いの町へと立ち戻る。そこで待っていたのは、かつての恋人との偶然の再会だった。時を経て成熟した2人の間に芽生えた複雑な思いが、その後の行く手を決定づける。

孤独と愛という二つの対極が、ページを経るごとに交錯していく。美桜の内なる渦は、読者をも巻き込み、気づけば自らの人生を重ね合わせている。

〉私は、あの川のほとりに立った時から、
〉全てを受け入れることができた。
〉――美桜

圧巻の文体で綴られた愛の讃歌

寺地はるなの文体の素晴らしさは、誰もが認めるところだろう。言葉一つ一つが重みを帯び、読み手の心の奥底に突き刺さる。華やかな言葉遣いの中に、切なさと諦念が漂う。そこに、人生の曲折が凝縮されている。

〉桜が舞い散る中、私は尋ねた。
〉「あなたは、私を本当に愛していたのですか」
〉答えは無くとも、私には分かっていた。

一読の価値あり、涙無くしては語れない

「川のほとりに立つ者は」は、確かに読後に涙無くしては語れない作品だ。しかし、そこに流れるのは喜びの涙であり、愛に対する祝福の涙なのだ。一読をお勧めする。この物語の中に、きっと自分自身の姿を重ね合わせることができるはずだ。


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