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シエラレオネ訪問記 2

 今から約5年くらい前に、西アフリカのシエラレオネを訪問する機会がありました。元々1週間のフィールドトリップの予定で同国を訪問しましたが、現地のUN Womenでインターンをする機会を得ましたので、その時のことを書きたいと思います。フィールドトリップの話をシエラレオネ訪問記1で書きましたので、こちらも読んでいただけると嬉しいです。


フィールドトリップ参加


 当時、大学の通信教育課程でがk勉強していた私ですが、フィールドトリップ期間中の1週間はスクーリング(大学に行って講義を取ること)が休み(確か学園祭期間中)で、講義を休むことなく参加できるラッキーなスケジュールでした。当時は仕事もしておらず、その期間は大学の単位取得を進めるとともに、せっかくなので普段仕事をしながらできないことをすると決め(他の参加者の皆さんはお仕事されながら参加されてました)、グローバルキャリアコースに参加し、フィールドトリップにも参加をしたのです。

 

UN Women訪問



 フィールドトリップで国際機関を訪問する中でUN Womenを訪問する機会がありました。UN Womenでスタッフにお時間をいただき、自己紹介をさせて頂いたとき、
私は、「これまで約10年間民間企業でサプライチェーンマネージメントに携わって参りました。現在は大学で政治学を勉強しています。これまでの経験を活かし自分のできることで貢献をしたいです」ということをお話ししたと思います。たった1分にも満たない自己紹介をした時、UN Womenの代表に「サプライチェーンのキャリアがあって今学生ならインターンをすればいいじゃない?」と声をかけてもらったのです。

 私は突然の提案にとてもびっくりしたけどとても嬉しく、少し考えた後、フィールドトリップ後、2週間現地滞在を延長しインターンをさせてもらうことにしました。

 

体調を崩した話



 インターンをすることを決めた後、私は体調を崩してしまい、フィールドトリップの最終日に行くはずだった、大学訪問に参加することができず、ホテルで休むことにしました。UN Womenの代表はフィールドトリップに参加しないのなら、その日からインターンをすればいいんじゃないと、わざわざホテルまで会いに来てくれました。でもだんだん具合が悪くなっているようなので明日からでお願いしますとお伝えし、お別れのハグをした時、
あなた熱があるから病院に行った方がいいと、クリニックに連れて行ってくれました。

 クリニックで検査をしてもらい、ドクターに診断してもらったところ、4種類の感染症にかかっていたということで、抗生物質とお薬を処方してもらい、ホテルに帰る。ホテルのオーナーがとっても優しい方で、ご飯を作ってあげるから何でも食べたいものを言ってごらんと聞いてくれたので、消化のよいものをリクエストして、サービスしてくれた食事を1日以上かけて食べました。そして、UN Womenの代表がもってきてくれたココナツジュース、処方してもらったお薬のおかげもあり、次の日の午後にはだいぶよくなりました。
 
 おそらく原因は水道水で歯磨きしていたこと、(しない方がいいよと言われていたのに。。。)や、シャワーの時に口に入ったことが原因ではないかと思います。日本の水道設備や衛生面のすばらしさに改めて感謝です。

 

UN Womenのワークショップに参加


 
 
体調がだいぶ良くなった日の午後からUN Womenの活動に合流しました。
当時、UN Womenでは職を持たない女性のための職業訓練ワークショップを開催しており、シエラレオネの色んな所から集まった女性約30名にシャンプーや、固形石鹸、ボディーソープを作るトレーニングをしていました。
ワークショップ会場のYMCAでセネガル人のコンサルタント指導の元、
皆で一生懸命に製品を作ったのでした。

 製品を作ったのは一週間くらいでしたが、その間に日本との違いをいくつか発見しました。まず、皆さん色んな事が初めてだったということ。
日本では学校で工作や家庭科の授業があり、また、家庭でもごみは集めて捨てるということが一般的だと思います。でもシエラレオネではそのような習慣がないらしく、使ったティッシュなどがポイポイあちらこちらに投げられている状態でした。ケニア人のUN Womenの代表は、まず私たちが見せて教えてあげるのよと言ってゴミを拾いはじめ、最初は二人でごみを拾っている状態でしたが、日を追うごとに皆でするようになり、ワークショップ会場もきれいになっていきました。

 また、計りの使い方、道具の使い方も最初は分からないから時間がかかっていけども、慣れるごとにどんどんスムーズになり、作業も後片付けも早くなりました。そう、ただ色んなことを知らないだけで、体験することでできるようになるのです。

皆が集めた石鹸の材料となった現地の葉
皆で作った石鹸。そして、女性の衣服がカラフルできれいでした。

 ワークショップで皆で作った石鹸たちを皆で考えたラベルでラッピングをしてお披露目会でお披露目をし、最後に一人一つ持って帰り今回のワークショップは終わりました。私は滞在できる期間が2週間と限られていたので、販売するところまでできなかったこと、そして、サプライチェーンマネージメントができなかったのは残念でしたが、現地の女性やスタッフとたくさん意見交換をし、現地の状況やUN Women シエラレオネの活動内容を理解できたことが大きな収穫でした。許可を取るすべがないため写真や動画を載せられなくて残念なのですが、皆さんとってもいい笑顔でものづくりに励んでいたのが何よりでした。

ワークショップで作った石鹸たち
ワークショップで作った石鹸・ボディソープ、クリーム

 

現地国際機関の活動



 シエラレオネ国内の産業はごく限られています。食糧や機器を輸入に頼っている状態であるため、国際機関においても農業を支援して自給できるように活動しておりました。
 UN Womenシエラレオネで当時行われていた主な活動内容は、女性への職業訓練、農業支援、女性への暴力廃絶に向けて、女性政治家を増やすための活動、FGM(Female genital mutilation/女性器切除)廃絶に向けてコミュニティの有権者と話し合う、選挙における暴力廃絶への取り組み、等です。当時のUN Womenは、欧米の大学で博士号を取得し、NGOでキャリアをスタートし、アフリカの国際機関でキャリアを育まれたケニア人の代表と、現地スタッフ約10名、アフリカの他国から来られたUN Volunteerスタッフ1名という構成で、経験豊富な代表が若いスタッフを率いている構図でした。

 

フィールドトリップ、インターンを経験し、大学の通信課程を卒業して



 私はインターン中にワークショップに参加をし、そして国連職員や外務省の方とお話しするという貴重な機会をいただきました。シエラレオネ訪問前の私は、"国際機関の役割とは"であるとか、"政治的にで何ができるか"、とかそういったことを考えており、そのようなことを学びたかったように思います。実際にシエラレオネを訪問し、国際機関の活動を学んだ上で考えたことは、まずはこの国にはビジネスを増やして収入を得ることが必要であるのではないか、そして、私のバックグラウンドがサプライチェーンマネージメントであるため、サプライチェーンについて考えると、シエラレオネでサプライチェーンをより良くするためには、インフラを整えることが必要であるのですが、そのためにもまずはビジネスをもっともっと立ち上げて収入減を増やすことが重要で、それは現地の方によってなされて国の発展につながるのではないかと考えます。今の時点でビジネスが少ないということは将来の可能性がたくさんあると思うのです。

 私は、子どもの頃から国際関係に興味があり、社会人を10年以上経験し、約8年前に仕事をしながら通信教育課程(法学部政治学科)で大学の勉強を始めました。法学はコンプライアンスの面でサプライチェーンに役立つと思ってましたが、政治とサプライチェーンは少し遠い存在だと思ってました。ですが、セミナーで国際機関について学び、シエラレオネでのフィールドトリップ、そしてインターンを経験し、昨年大学を卒業し、改めて自分がこれから何をしていきたいか考えると、自分の強みを生かして社会貢献がしたい、皆にとってWIN-WINでHappyな時代にあったより良いサプライチェンを作ることで、顧客、ステークホルダー、関係者全員に貢献をし、直接的、間接的にたくさんの人に喜んでもらえる社会に貢献をしたいと考えるようになりました。そして、自分の学んできたことは今後のキャリアに必ず生かします。
 約一年間仕事を離れ、シエラレオネ訪問の機会を得たこと、7年間かけて大学の通信課程で学んだことはとても実り多く、そして、自分の職業やそれまでの頑張ってきたことをより深めたいと思った貴重な経験でした。大学の話はまたいつか別に書きたいと思います。

 

 
 


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