見出し画像

人工股関節になりました!


昨年2020年12月の右股関節手術に続き、先週左股関節の手術を受け無事退院しました。

2021年7月25日入院、翌26日手術、27日には自力でトイレ&リハビリ開始、術後5日の7月31日に退院という、全身麻酔の大手術ながらも1週間のスピード手術入院でした(前回も全く同じ)。受けた手術は「MIS人工股関節置換術」。
自分の両股関節は今、チタン合金、コバルトクローム合金、超高分子量ポリエチレン、セラミックなどで出来た人工股関節です!🤖


手術を受けたのは2004年に国内初の人工関節に特化した病院として創設された「湘南鎌倉人工関節センター」。人工関節の分野で日本で最先端の病院の一つです。

「人工股関節置換術」の手術は多くの病院で行っていますが、その多くは入院期間は2〜3週間またはそれ以上。今回自分が受けた「MIS(Minimally Invasive Surgery 最小侵襲手術)人工股関節置換術」は全国でも限られた病院でのみ可能で、その手術の特性から1週間という短期間での退院が可能なのだそうです。

MIS手術について | 湘南鎌倉人工関節センター
https://www.skjrc.jp/joint_reconstruction/

MISとはMinimally Invasive Surgeryの略語で、日本語に訳すと「最小侵襲手術」になります。皮膚の傷をなるべく小さくし、筋肉・靱帯にも必要最小限の侵襲を与えるだけで行う人工股関節置換術で、当センターではほとんどの患者さんに適用しています。かつて、当センターでは欧米の整形外科医とプロジェクトを組み、術式、器具の開発を行い、体格、年齢、股関節変形の程度によりますが、通常"ふともも"に5~6cmの傷をつけることで人工股関節置換を行うことが可能になりました。また、皮膚につく傷の大きさだけでなく、股関節周囲の筋肉・靱帯を切る範囲も最小限にとどめるので、手術後の回復が早まり早期のリハビリテーション、社会復帰が可能となっています。過去においては手術から退院までの期間が長く、手術を躊躇する方が少なくありませんでしたが、MIS人工股関節置換術ではほとんどの患者さんが、約1週間の入院で階段昇降、退院が可能となっています。ただし、MIS人工股関節置換術はトレーニングを受けた医師による手術でないと良い結果が得られず、すべての患者さんに対して行えるものではありません。専門医の診察を受け、あなたの股関節に適用できるか確認することをお勧めします。


実はうちの母が、この人工関節センターの院長である平川先生がまだ横浜市大附属病院にいらした約20年前、先生の人工股関節の手術を受け、80歳を超えた現在も痛みもなく元気に歩き日常生活を送っています。今回親子で平川先生に手術していただき、その幸運に心から感謝しています。
(ちなみに母の手術当時は入院期間は1ヶ月程で、手術後しばらくは車椅子でした。今は手術翌日から歩行器で自力で歩き始めます。医学技術の進歩と現場のみなさんの努力に驚くとともに感謝です!)。

平川和男先生インタビュー
「患者さんの早期社会復帰を支援するMIS人工股関節置換術」
https://www.jinko-kansetsu.com/ask/03/index.html



生まれつき自分は股関節の「寛骨臼形成不全」--股関節の受け皿(臼蓋)の屋根が浅くて関節軟骨が擦り減りやすい状態--だったようです。小さい時から歩くと身体が左右に揺れ気味で歩き方がヘンとよく指摘されていましたが、それもこれが原因だったんですね。

40代に入った頃から疲れが股関節に出はじめました(現在51歳)。それまでは痛みもなく、10代20代の頃はトレッキングや沢登りなども平気でしていました。
5年ほど前から強い痛みが出始め、結跏趺坐(笑)がある日突然出来なくなり、胡座も難しくなり、自転車のサドルに跨ろうとしても足があがらなくなり、外に長時間出かける際はロキソニンがお守りになり...
そして昨年一気に仕事や日常生活にも支障が出始め(靴下を履くのにも四苦八苦するようになりました)、手術を決めました。


母の様子を見ていたので、手術への決断のハードルは他の多くの方よりも低かったと思いますが、人工股関節にも耐用年数(現在のもので約15年と言われているそうです)があります。それを考えるとどのタイミングで受けるべきか、迷いがありました。再手術はできればしたくないですし。
そんな中、昨年の7月に実家の父の通院の付き添いで、久しぶりに私が外で歩く姿を見た父が「おい、出来るだけ早く手術しろよ」と言ってくれた事が、今この時期に手術する決断をする大きなきっかけとなったと思います。


コロナ禍で世の中が止まってしまっていたのも思えば良いタイミングでした(大きな手術なので感染症の心配はあるのですが)。また息子も一昨年ネパールから日本に戻り、これまたコロナのためにリモートでの勉強&仕事でほぼ自宅にいたことも助かりました。今回の手術の保証人や付き添いも息子がやってくれて、いつの間に大人になったなあと感慨深かったです。


余談ですが。。入院の数日前に手術する左足の親指の爪を剥ぐという大失態をしでかしまして...ひえー手術出来なくなったらどうしよう!!と右足で爪を元に戻して押さえて止血しつつ(その時は自宅で一人だったので)人工関節センターに電話、病院で見てもらってください!と言われて近所の皮膚科にタクシーで急行…というおバカなこともありましたが、幸い大事に至らず予定通りに手術が出来ました...いやーびっくりしましたがなもう...
(ちなみに病院の方から「すぐにこちらに連絡してくれて、皮膚科で手術OKの診断と処置をありがとうございます。もし連絡ないまま入院されたら、手術中止になったかもしれないです」と言われました。ひええええ。皆さまも手術前に何かあったら自己判断せず即病院に連絡を!)


半年前に手術した右足は今は痛みもなくとても楽になりました。ただ、右手術後のこの半年は足の長さが左右で異なり大変動きづらかったです。今回の手術で両足の長さも揃ったので、徐々に体も真っ直ぐになると思うと嬉しいですね!
今日で術後ちょうど1週間ですが、じっとしていれば今は痛みはありません(痛み止めのセレコックスは朝晩1錠づつ飲んでいます)。家の中でもしばらく杖が必要、動きも制限はありますが、日常生活での動きや家事がよいリハビリになるので転倒しないようゆっくり動いています。


面白いなと思ったのは、術後のリハビリで、右股関節手術後と左股関節手術後とで痛みやコリの出る場所がまったく違っていたことです。右の時はとにかく太ももの前面が突っ張らかってイテテテ・・・、でしたが、今回の左では、太ももは案外平気なのですが、お尻のある一点がコリコリで硬くて痛い。
同じ人工股関節置換手術を受けた他の患者さんたちのリハビリを見ていて、リハビリの動きが少しづつ違うなあ、なんて思っていましたが、同じひとりの人間であっても左右でこれだけ違うのだから、なるほど人によって異なるのは当然か..と思いました。それだけ理学療法士の方々が個々人に向き合って対応してくださっている、ということでもあるのでしょう。


画像1

土用の丑の日のお昼は鰻でした!!


そんなこんなで、まだまだ動きに制限はありますが(しばらくは特に感染症、脱臼、合併症に注意..)来年2022年になれば仕事のペースもほぼ戻るだろうと思っています。今無理するとのちのち後悔するハメになりそうですので、ぼちぼち出来ることを頑張りたいと思います。

痛みのためこの数年長距離歩けず、自転車も乗れず...体力も筋力もめちゃくちゃ落ちてしまい、身体がさらに激しくぷよぷよになってしまったので、そちらもおいおい頑張ります。


仕事関係の皆さんにはご迷惑をかけながらもお待ちいただき、心から感謝しております。通常運転になるまで、今しばらく見守っていただけましたら幸いです。


湘南鎌倉人工関節センター
https://www.skjrc.jp
今回私がお世話になった病院のHPです。さまざまな情報がわかりやすく書かれています。股関節で悩まれている方は選択肢の一つとして、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。


染織家・西川はるえの記事はすべて無料で公開中です。おうおう、サポートしてやろうじゃないか!なんて奇特な方がいらっしゃったら望外の喜びでございます!