また一つ、お気に入りの場所が増えた。

「名曲喫茶ライオン」

渋谷の道玄坂に佇む純喫茶だ。
勉強がてら、コーヒーを飲みに訪れた。

異世界に行ってしまうのではないかと思うほど古びたドアの奥には、大きな3Dスピーカーが設置されており、まるで音楽に包まれるような体験ができる世界が広がっていた。

コーヒーフロートを飲みながらふと、

「人生は音楽に似ているんじゃないか。」

そんなことを思った。

総評して、音楽を聴いているときはワクワクする。
たが所々で退屈な場面もある。
弱く弾く箇所もあれば、あえて強く表現する箇所もある。

自分の趣味のメロディもあれば、そうじゃないものもる。

人生もまさにそうである。

ドの音がよくて、ソの音は悪いなんてことがないように、人生も色んな音の調和のように様々な経験の創作であると感じる。

音楽も人生も、異なる重なりによって面白みや味が生まれる。

そう思うと、退屈だとか辛いだとか感じる瞬間ですら愛しく感じる。

これからどんな音を奏でることができるか、ワクワクする夏。