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「青山 (せいざん)」はどこにある?

暖かな10月の日々を日本で過ごし、半月ほど前ドイツに戻ると、すっかり晩秋になっていて、ちょっぴり戸惑いました。


でも、雨にぬれた落葉をふみしめながら、静まりかえった森を歩くと、

自分の心の奥へと入っていくような感覚がうまれてきて、しぜんと、こちらモードに着地できたようです。



秋の深まりは、紅や黄金に染まる葉の色にも、感じられます。



ドイツ中西部のこのあたりには、ゆるやかな丘陵があり、森はあちこちに残されていますが、


高い山や山脈は見られないので、実家付近で眺めた蒼い山々が、懐かしくなる時があります。



数年前、ドイツ在住の日本人女性に、

人間到る処青山有り(じんかんいたるところせいざんあり)

という故事ことわざを教えていただきました。


その意味

世の中はどこで死のうと、骨を埋める所はある。郷里だけが墳墓の地ではないから、大望を実現するためにはどこへでも行って、心置きなく活動すべきである。

コトバンクより

を知ると、とても心に沁み入るものがありました。


青山とは、墳墓の地・墓場を指すようですが、その人の居場所とも解釈できるのではないか、と思ったからです。


大望のいかんにかかわらず、誰でも、どこで暮らしていても、時には険しい山をのり越え、自分が生きていく環境を少しずつ創り上げながら、その人だけの青山を築いていくのではないでしょうか。


たしかに、ドイツのこのあたりにはレアルの山はありませんが、

わたしの青山

を感じられる幸せが、とてもありがたいです。


Reiko

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