キューティー_セラ

生命力イラスト・想い出の車シリーズ①TOYOTA SERA

その昔、私は車の営業マンをしていました。本当は絵で身をたてたかったんですが、それは実力的にも無理だと悟って、サラリーマンの道を選んだのです。とはいっても車自体は好きでしたし、たまたま私が在籍していた時代には、個性的な車も多くありました。

そもそも私が車にあこがれをもったのは、1970年代に日本を席巻したスーパーカーブームがきっかけでした。週刊少年ジャンプ連載の漫画「サーキットの狼」などの影響で、爆発的なブームが起きたのです。

ブームは異常な過熱を見せまして、全国各地においてスーパーカーの展示会が行われました。もちろん、北九州や山口も例外ではありません。

こうしたスーパーカーショーでは、スーパーカーの写真撮影をしたいとカメラを持った少年たちが長蛇の列を作り、新聞などの一般マスコミで社会現象として大きく取り上げられたのです。その少年たちの中に私もいたわけです。

その中でもランボルギーニ・カウンタックという車は一番人気を誇りました。当時のスーパーカーの特徴でもあったリトラクタブル・ヘッドライト(格納式前照灯)に加え、ガルウィングドア(正確にはシザーウィングドア、もしくはバタフライドアというそうです)という革命的デザインは、私を含む当時の少年たちを虜にしたのです。

そうした少年たちが大人になって車をもてる年代になってもガルウィング(シザーウィング・バタフライ)ドア車というには高嶺の花でした。そこへ登場したのが大衆車だったスターレットベースのSERAだったのです。

新車価格は160万~170万といったあたりで、スーパーカーに手が出なくてもSERAならという層は多かったのです。しかしSERAは天井がガラスですので、オープンカーみたいなものでした。納車時に太陽がガンガン照っている中作業するのは地獄でした。一時間も車内にいたらYシャツが汗でべとべとになっていたことも少なくなかったですね。

ちなみにSERAのグラッシーキャビンには脱着式のルーフサンシェードがありますので、直射日光が暑い場合はカバーができます。だから走行中はエアコンをつけていおくと多少はましだったはずです。

でもそれだと普通の車となんら変わらないので、私は街中でサンシェードしているSERAをみたことはあまりないですね。

そんな思い出のあるSERAですが、マイカーとしては持ちたくないものの、見ていたり触ったりする分には楽しい車でした。仕事自体は全然楽しいものではなかったのですが、今考えると良い時代だったなあと思います。


両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。