リータクロスアームスープレックス

私的プロレス技名鑑⑨クロスアームスープレックスホールド

クロスアーム・スープレックス・ホールドとは、相手の背後から右手で相手の左腕を左手で相手の右腕を、それぞれ掴み、掴んだ両腕を相手の胸の前で交差させて放つ、ジャーマン・スープレックス・ホールドの派生技です。

主な使用者には保永昇男(現・リキプロレフェリー)さんがいますが、2019年12月1日放送分のラジオ日本「真夜中のハーリー&レイス」にゲスト出演された保永さんが「あれは、テレビをみていたら、女子プロレスで豊田真奈美さんが使っていたのをみて、真似た」と、衝撃の告白をしています。

豊田真奈美さんの代名詞はジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスですけど、こちらは相手の腕を前で交差させて、後ろからその両手を掴みながら股の間に頭を入れ、肩車をしそのまま後ろに倒れてブリッジをしフォールを奪う技です。

ちなみに保永さんは豊田真奈美さんにはお会いしたことがないそうですが、保永さんの場合、単に相手の腕をクロスするだけで、ジャパニーズオーシャンサイクロンとは異なる技ですから、継承うんぬんの議論には至らなかったでしょうね。

デスバレーボムもそうですが、女子プロ発の技がいつのまにか男子に使われていたという例はまま見られます。

保永さんの場合は単に盗んだというより、アレンジして使用しているといったほうが正解なんで、おそらく告白されても論争にはならなかったと思われます。

ちなみに、ウルティモ・ドラゴン選手が使用している「アステカスープレックス」はクロスアームスープレックスホールドと同種の技で、ほかには高岩竜一、ツバサ、空牙、大石真翔、大和ヒロシ、竹下幸之介と言った選手が使い手として知られています。

保永さん=クロスアーム・スープレックス・ホールドという印象づけが決定的になったのは、なんといっても1991年にトップ・オブ・ザ・スーパージュニアでライガーを破り優勝した試合が名勝負として未だに語り継がれているからでしょう。

この試合はまたIWGPジュニアヘビー級王座決定戦を兼ねており、保永さんは同王座に初戴冠しています。

当時実力的にも絶頂期だった獣神サンダー・ライガーを仕留めたクロスアーム・スープレックス・ホールドは、保永さんの知名度と共にメジャーになっていった技だったのです。

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両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。