生命力イラスト・想い出の車シリーズ⑤スカイラインスポーツ
今回は日本特撮作品普及の名作である、ウルトラQの主人公・万丈目淳の愛車であるスカイラインスポーツです。
スカイラインスポーツとは、1957年に富士精密工業(のちのプリンス自動車〜後年、日産と合併)が発売したスカイラインシリーズへ、1962年4月に追加されたモデルです。
スカイラインスポーツは、日本初のスペシャルティカーといわれています。
スタイルの特徴でもある、つり目4灯ヘッドライトや、クーペとコンバーチブルの2タイプの設定等、注目を集めました。
しかし、ボディのほとんどがイタリアの職人の指導によるハンドメイド(ジョバンニ・ミケロッティとアレマーノ社の手により製作)だったため、高コスト・高価な車でもありました。
スカイラインスポーツのつり目ヘッドライトは、板金型がハンドメイドゆえに誤差があり、左右で角度が若干違っているそうです。
その上市場も十分に育っておらず、製造台数は60台ほどでビジネスとしては成功したとはいえません。
スカイラインスポーツに搭載されたエンジンはGB4型で、同年の第4回日本アルペンラリーに出場し、7位完走を果たす成績を残しています。
ウルトラQでは、白と赤のスカイラインスポーツが登場しているのですが、いくら番組上の設定とはいえ、当時でも最高級車だった車を、個人が2台も所有するというのは通常考えにくいですね。
一説によると、番組に登場していた車はレンタカーだったそうです。しかし、撮影スケジュールに合わせて、同じ車を借りられるとは限りません。ましてや製造台数も60台という少数ですから、レンタカーとしても人気があったのでしょう。
また、「ウルトラQ」は放送当時モノクロだったことから、二種類のスカイラインスポーツが登場することになったようです。
しかしながら、星百合子役の桜井浩子さんの記憶を元に後年「総天然色版・ウルトラQ」が世に出たことで、スカイラインスポーツのカラーも明らかになりました。
両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。