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【漫画原作】マンチガールひまり 第1話 : マックポテトを10倍美味しく食べる方法

noteは文字カウント機能があるからいい。漫画原作ってたいていが1話10,000文字以内、2話以降が6,000文字以内。思ったよりも文字数あるぞ。
どうやったらそんなに書けるか想像できないけど、千里の道も一歩から。
いい言葉だー、力もらった。

と、書いてみたけど3500字どまり。思ったほど書けなかったけど、ちょっとは書けました。

第1話
●オフィス 午前中

パソコンで作業しているひまりの後ろ姿。スプレッドシートを開いて、表に並んだ数字とグラフを見ている。

考え事をしているような口元。グロスが光る。
いつもの癖のペン回し。控えめだけど、上品で整えられたネイル。

ディスプレイの右上の時刻常時のアップ。時刻は10:29。

ひまりがカバンに手を伸ばす。大きめのカバンだ。PCや紙資料がたっぷり入る大きめのサイズ。色は無難な黒だけど、丸みのあるデザインが可愛らしい。

カバンから取り出したのは、手のひらサイズのカラフルなパウチ袋。
パッケージには、ポップなフォントで「ご機嫌レモン」の文字。

パウチ袋から袋からグミ1粒を取り出す。
ぷにぷにぷにと3回揉んでから、口に放り込む。

口の中でコロコロ転がして、むにむに噛んで、飲み込む。

「よしっ!」
ひまりのキリッとした表情。

●オフィス 12時、昼休み

あすか(ひまりの同僚)「ひまりー、いっしょに食べよう」
ひまり「ごめん、今日は外で用事があって」
ひまり とろっとした目つき(ああ、あすかのあのピアス、新しいやつだ。この前の合コンで知り合った彼氏に買ってもらったのかな。今度聞いてみよう)
あすか「おけー、また今度ね!」
ひまり 満面の笑顔になって「またねー」と手を振る

エレベーターに乗るひまり。虚な目。手には白い小さいバック。携帯と化粧ポーチが入っていてランチときに使っている。

スクランブル交差点で信号待ちをするひまり。ちょっと踵がたかい、ダークブラウンのハーフブーツを履いている。スタイリッシュに見えるのに、歩きやすいからひまりのお気に入りだ。
ひまりの横には様々な人の靴が並ぶ。会社員のくたびれた革靴、男子学生のスニーカー、夜職女性のハイヒール、ストリート女子のふわふわサンダル。

ひまり(渋谷。いろんな人がいて、すれ違ったり、交わったり。
この中にキマっている人、どれだけいるんだろう)目を細めて大きく息を吸う。

信号が青に変わり、皆が一斉に動き出す。ひまりは一歩遅れて進み出す。
多くの人が無表情でスタスタ歩く中、ひまりだけトロッとした恍惚とした表情でゆっくりと歩く。

動きが緩慢で、不規則なので、ひまりの姿だけダブって見える。
蒸気を帯びた表情でつぶやく。

「マック行こ」

●マック 昼休み

センター街のマック。全景。
学生らしき若者、客引きの外国人が行き交う。

注文の列に並ぶひまり。
(セルフオーダーもあったけど、まあいいか)

レジ上のディスプレイには、季節のおすすめが表示されている。
グラコロ、ビーフハヤシ、ビーフシチューパイ。

おすすめメニューをみながら考えを巡らせるひまり。ちょっとうつろな目。
(ビーフシチューパイ、美味しそう。。でも、新しいものに手を出して、微妙な感じになるのは避けたい。王道こそ最強。決まり!)

「コーヒーSホット、ポテトMで。あと、ケチャップとお水もいただけますか?」

店員「450円になります」
ひまり「楽天ポイント、決済はPaypayで」と言いながら、スマホを店員に見せる。

ひまり。レジの横で商品が出来上がるのを待ちながら、今回の注文内容を振り返る。
(バーガーを頼まなかったのは我ながら英断。バンズが重いのよね、食べちゃうとすぐにおななかいっぱいになっちゃう。やっぱりマックの王道はポテトでしょ。ダブルチーズバーガーも捨て難いけど、ポテトの安定感には敵わない)

レジの奥で男性店員がポテトを用意しているのが見える。
(え、マジ、ポテト揚げたて?イケメンメガネ、いい仕事するわ。今日のわたし持ってるわ)にんまりするひまり。

店員「2171番、コーヒーホットSとポテトMでお待ちの方。お待たせしまた〜」
ひまり 受け取りながら「はーい、いただきまーす」(この混雑したランチ時間は揚げたてポテトにあたる確率が爆上がりする、ゴールデンタイムね)

2階のカウンター席に腰掛け、コーヒーとポテトを見つめるひまり。

ポテトのアップ。

ポテトのドアップ。

ポテトのもっとドアップ。ポテトから漂う蒸気と香り。

(きてる、きてる。ポテトの味が見える、聞こえる!ご機嫌レモンからちょうど2時間。完璧なタイミング!)

ひまり「いただきまーす」
左手でポテト1本をゆっくり口に運ぶ。

ひまりの表情が壊れる。
(あぁ。。いいぃ。。)

目を瞑りながら口を動かし、ポテトの味を堪能する。
(意外に控えめの塩加減、悪くない。イケメンメガネの好みなのかな。)

顔のアップアップ
(噛むたびに溶けていくポテト、尊い)

口もとのアップ
(唾液やばい。永遠に噛んでいられる。)

頬杖をつきながら、目を細めて、ひときわ長いポテトを眺める。
ふりふり揺らして遊ぶ。
(このふにゃふにゃ野郎!)

顔を上に向けて、上から長いポテトをパクリと加える。
(オイルまみれのアンタが好きなのよ)

短いポテトを20秒ほど見つめてから、パクリ。指についた塩を舐める。
(こっちは硬くて、塩気がしっかり。うんうん、このサイズも全然あり。うぁぁ、完全にマンチ入ってるわ)

グミの絵インサート。
(ご機嫌レモン。この合法大麻グミのピークは食べてから2時間後。全身の感覚が研ぎ澄まされて、味覚も鋭敏に。美味しい食べ物がいつも以上に美味しく感じられるマンチ状態になる。)

上を向いて、息を吐くひまり。
(つまり、ガンギマリ❤︎)

コーヒーを一口すすり、ワインのようにテイスティングのように味わう。
(くー、苦い。苦い、苦い。苦みが、しみる。そして、後からやってくる微かな甘みをキャッチ。味覚張り切っております)

目を見開いて、首を傾けて、コーヒーを口の中で転がす。
(なんなら、コーヒーの産地クイズする?ソムリエ資格を自慢するセレブよりは、あてられる自信あるけど)

目を細めて、眉間に皺を寄せて、何かを感じている様子。
(なんならカフェインも来てるけど、ほんと?てか、マックのコーヒー飲むとまじ眠くならない。カフェイン量ぜったい多いって。追いカフェインしている疑惑浮上。このコーヒー、ブラックです!)

ケチャップを開けて、ポテトにつけて食べる。
(はい、味変。シャカシャカフレーバーもあるけど、通はケチャップでしょ。ポテトの味変というか、むしろ、今はケチャップを食べてるのよね)

半分くらい無くなったポテト。人差し指、親指の順にぺろぺろして、水をひとくち。
(ポテトだけなのに、飽きが来ない。永遠食べられるわ。ご機嫌レモンに感謝。Lにとけばよかったかな。いやいや、それば軽率。この胃袋の残りのスペースに何を入れるかが大事。最後の仕上げで、完成度が決まるのよ)

齧ったポテトに再びケチャップをつける。
(そういえば、ケチャップこそが万能調味料っていってたの誰だっけ)

さらに短くなったポテトにケチャップをつける。
(西の王者がケチャップで、東の王者はだれだっけ?)

もっと短くなったポテトにケチャップをつける。
(めんつゆだっけ?とんかつソース?うーん、、)

妄想から、はっと現実に戻る。
(そうよ、締めを何にするか問題だったわ。絶対に探し出すから)

ゆっくり目を瞑るひまり。頭の中が高速回転を始め、食欲・空腹感とメニューのマッチングが行われる。ガンギマリして高速回転で妄想に耽るの頭の中で、いろんなメニューを食べている自分を想像する。
(いくらでも食べられそうだけど、冷静に考えて空腹度は30%。ポテトでオイルと塩気は十分。あと足りないのは、肉、甘み、香り、、何を満たそうか。。王道、チキンナゲットでまとめるか。。甘み優先で、アップルパイも悪くない。シェイクやソフトクリームはどうだろう、、バカ甘かったら嫌だな。趣を変えて、ソースから考えてみる?タルタルのフィレオフィッシュ、照り焼き、、バンズが重たい。。あっ)

目を開けて、立ち上がる。トレイを片付けて、飲みかけのコーヒーと鞄を持って1階のレジに向かう。

階段でカツカツと響くブーツの音を聞きながら、意識を集中させる。
(私を幸せにして)

「三角チョコパイ、持ち帰りで」
ひまりのドヤ顔。

出来上がりを待ちながら、いま選択を振り返る。
(我ながら完璧な選択じゃないの、これ。マンチにチョコは間違いないでしょ。冬限定商品だけど、毎年でてくるっていいう意味では、準定番。味も安定しているはず。パイって、生地がボロボロと服に落ちるから嫌なんだけど、食べ歩きだったら問題ないし)

●渋谷の路上 昼休み

通りにはランチ終わりの会社員もちらほら。
チョコパイを咥えながら、オフィスに向かうひまり。
右手にチョコパイ、左手に小さいカバンとコーヒー。
(サクサク食感、全身に響いてくるわ。あれ、この生地、ちょっとモチモチしてない?タピオカとか入っているのかな?気のせいかな。)

口元のアップ。さらにチョコパイに齧り付き、もぐもぐ。
(チョコに到達!トロけるタイプなのね、うわ、口の中がチョコまみれ、これはやばい。正解引いちゃった)

コーヒーを一口飲んで、お口直し。
(うぁ苦っ。)

また、チョコパイを食べ、服についたパイ生地は、手で払って落とす。したり顔のひまり。
(そして甘っ。このコンボ、えぐいわ。苦みと甘みのジェットコースター、フジヤマ超え。)

センター街を優雅に歩くひまり。
(チョコパイ、優勝!)
キャリアウーマンらしい上品な服装と、チョコパイを齧りながらブリブリに決まっている顔のギャップが大きい。

<第1話、終わり>

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