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1杯目 大人の味がわかる?

わたしはお酒がすきだ。
お酒の味や香りが純粋にすきなんだと思う。
それから1人でゆっくり飲むのもすきだし、みんなとわいわい飲むお酒もすきだ。
お酒を飲んでいると、その周辺の人間模様もおもしろい。

わたしの、お酒にまつわるくだらないけど愛しいよもやま話を、ぽつりぽつりと書いていこうと思う。

今日は、『久保田の百寿』の話。

わたしは大学生の時、親元を離れて一人暮らしになった。
実家でぬくぬくと暮らしていたから、いきなり1人で生活を営むのは容易ではなかった。(とは言っても、だいぶ親の助けがあったけれど)
そんな時、同じ学科の一人暮らしの友だちにはほんとうに助けられた。

こんなことがあった。
ある明け方、アパートの真下の階で強烈な夫婦喧嘩がおっ始まった。
どうやら下の階の旦那さんが朝帰りしたことが原因らしい。
寝ぼけたわたしは「カミナリかな?」と思っていたけど、よくよく聞いたら怒った奥さんの怒鳴り声だった。
人間ってこんな声が出るんだ。怖かった。
強烈な人の感情に慄いたわたしは、道の向かいの友だちのアパートに一目散に駆け込んだ。
よく知ったメンバーが呑気に徹マンしていたところが余計ホッとさせてくれた。
それから、アパートに戻るの怖いだろうとバイトあがりの女友だちに連絡してくれて、迎えにきてもらえるようにしてくれた。(なんてありがたいんだろう)

わたしたち1人暮らし組は、スターウォーズエピソード3が始まる前に前作を全部観ようの会をしたり(結局エピソード3 観なかったけど)、手巻き寿司パーティーをしたり。
免許を取った時には秩父湖までドライブに行ったり。(1人暮らし組は、1年の夏休みに全員実家で免許を取っていた。若葉マークで山の峠のヘアピンカーブばっかりのとこ、なんで行ったんだろう?)
大学4年の夏休みには日光までレンタカーを借りて泊まりに行ったり、とにかく何かあれば集まって、しょうもないことをしていた。

さてさて、前置きが長くなってしまったけど、「久保田の百寿」の話。

大学2年。みんなが20歳になった。
「20歳になったから、なんか大人っぽいことをしたいね!」
そうして「大人になったから日本酒の味がわかるかも」というなんとも安易な考えで、日本酒を飲んでみる会をすることになった。
買い出し係になったわたしと友だちは、よくわかっていなかったけど「日本酒といえば久保田」という当時の刷り込みで、久保田をチョイスした。
百寿と千寿があったが、未熟なわたしたちには百寿で十分だろうという、またまた安易な考えで百寿を買って行った。(安いしね)

その日はたこ焼も焼いていた。
小さなアパートに6人が集まって、たこ焼きにキムチを入れたり、チーズを入れたりしてわいわいやっていた。
それから、夏休みの新潟の実家からから帰ってきた子が、「山古志」という日本酒を買ってきてくれた。
当時、中越大震災で山古志村は大きな被害を受けた。
その役に立つんだか、立たないんだかは知らないけれど、ちょうど日本酒を飲む会をするからと、「山古志村ガンバレ!」という気持ちで、ジャケ買いしてきてくれた。

さてさて、肝心な久保田・・・
案の定、久保田のおいしさがわかる人は誰もおらず、みんな微妙な顔をしていたのがおもしろかった。
まあ、久保田にしてみても「こんなヤツらにオレの味がわかってたまるか!」って思っているだろうね。
まあこれは想定の範囲内でしょう。
それから、友だちが買ってきてくれた山古志村はというと・・・
甘くて飲みやすくって、すぐに空!
山古志、ほんとにおすすめです!(十数年前の酒の味もよくわかってないヤツの記憶ですが・・・

あれから、久保田の百寿を飲むことはなかった。
今だったら、久保田の味も美味しく感じるだろうか?



あ、ちなみに、タイトルのところの久保田のイラスト描きました!
なかなかうまく描けたかなって自画自賛です(笑)

それから、美味しかった山古志を作っている、お福酒造さんのホームページです。

2004年の中越大震災で、棚田も醸造所も被害を受けたそうだけど、復興して今でもお酒を作っていることが、今更ではあるけど知ることができてうれしい。

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