はしがき

あゝ、心が痛い、重たい……。

自分の中に悪さを抱えたまま、誰かのたまに見る幼子のようなあの、純粋な無垢と向き合う時、自分が貴方を立ち直れない程悲しませ、綺麗な貴方を傷つけ、元に戻る事が無いことにしてしまうなんて……

心が泣き止みません。

裏切り

自分がなぜ浮気を考えたか……

それは自分が一番に愛してしまった貴方が僕より経験していた人間だったからです。

自分が浮気をするのは、そんな貴方を本当に、足を引っ張られる事なく愛したかったからなのです。

今の自分は、貴方を愛すれば愛すほど、その愛にある陰がはっきりと存在を濃くして現れてくるのです……。

私はその陰に、貴方への愛を後ろへと引っ張られ続ける何年を送ってきました。

そんな私の心情を知らずに、貴方は私を純粋に愛し、時たま見せる幼子のような純粋で無垢的な笑顔と声を見せますね。

僕は、心の奥ではもう、浮気という裏切りの行為をすると決めていたのに、貴方のそれを見ると心が痛むのです、心が重たくなるのです、それが貴方に気づかれなくとも私はきっと、裏切るよりも裏切ったあとの方が貴方を愛する事に足を引っ張られ、いや、もう感情を誤魔化せず、貴方の顔すら見れなくなるかもしれない……

やはり、しない方がいいのか……

僕は、正直、貴方と出会って孤独を忘れたが、孤独を感じていた時よりも生きづらくなっている。

これが人間である事で、これが人が生きていくという事、そうなのですね醍醐味様