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はじめてのスペアリブ

「夫くん、スペアリブ食べてみない?」

スーパーのお肉コーナーで耳を疑ってしまった。
普段の嫁ちゃんはスペアリブを見向きもしない。
なぜなら、塊肉や骨付き肉の類が嫌いだからだ。

カレーに入れる肉だって、牛角切り肉を避けて
豚コマを指定してくる。デカい肉が苦手らしい。

「ぼくはスペアリブ食べたいけど…珍しいね。
いつもこういう肉買わないじゃない」

「ふふ。見てよこの半額シールを」

「お、おう」

安さは正義。コスパこそジャスティス。
かくしてスペアリブは買い物かごへ入れられた。

「夫くんは食べたことあるの?スペアリブ」

「あるよ。2、3回くらい。焼肉とかでね」

「私はないんだよね。どうやって調理しよう」

「フツーに焼くのではどう?美味しかったよ」

スペアリブ調理法でさんざん検討を重ねた結果
クックパッド様に頼ろうという話に落ち着いた。
困ったときはクックパッド様。嫁ちゃんも愛用。

「よし、煮込むことにしたよ」

どうやら望みの調理法が見つかったようだ。
興奮気味に目を輝かせている。よかったぜ。

・・・うーん、でも煮込むのかぁ。
骨付き肉っていったら焼きたいなぁ。
海賊みたいにガハハと豪快に食べたい。

そんな思いが脳裏をよぎったけど
そもそも嫁ちゃんが調理するんだし
外野が変に水を差すわけにもいくまい。

「じゃあ、明日私休みだから、夕食はコレね」

「楽しみ!ぼくは明日同僚に自慢してくるよ」

・・・
そして次の日。速攻で帰宅。
キッチンから食欲を刺激する香りがただよう。
フライパンに鎮座するはタイトルの画像様だ。

「これが昨日のスペアリブ!?色エグイね」

「ふふ、お帰り。着替えてきなさいな。
汚れても大丈夫な服装にね」

「えっ、なにこれ、汚れるの?」

手づかみで豪快に行こうと思います」

「それって海賊じゃん?テンション上がる!」

※男は海賊に憧れを持つ生きものなのです
(諸説あり)

「いっただきまーす!」

「いただきます」

ガブリ・・・

(あっ)

「・・・ねえ嫁ちゃん」

「お、どうだいお味は?」

これ、定期的に作ってくれない?

「まだ一口しか食べてないのに!?」

「いや・・・むしゃむしゃ・・・
これ・・・むぐむぐ・・・ヤバいよ・・・」

「え、そんなに美味しいの?よかった」

「ああー・・・脳が・・・アアー・・・」

「なんだなんだ、キマってるね」

ええっと、ぼくはナメてました。
スペアリブさんをナメてました。
スペアリブ先生のポテンシャルを
完全にナメくさっていやがりました。

スーパーで半額シールの貼られたスペアリブが
クックパッド様のレシピとウチの天才(嫁)が
タッグを組むことで超絶肉料理に昇華するとは!
誰が予想できたでしょうか?いやできなかった!
(落ち着け)

「ねえ、これどうやって作ったの?すごすぎる」

「これはね、まずスペアリブを焼くでしょ」

「あっ、焼きの工程あるんだ」

「そこから煮込むのね。アクをとってから
いろいろ混ぜたタレを投入してコトコト煮る」

「どのくらい煮るの?30分くらい?」

「いやー2時間じゃよ」

「にっ・・・マジ?そんなに?」

「これの仕込みで私の午前中は終わったよね」

「ありがとうございます」

「でも作って良かったよ。これ美味しい。
これなら私でも食べれる。また食べたいし」

「焼いて煮込んで…すごい手間かかるのね」

「まあ、時間あるときにしか作れないね~」

そんなこんなでまたしても必殺メニューが爆誕。
スペアリブという我が家では未知のジャンルで
定期的に食べたいメニューが出来上がるなんて。

冗談抜きでとーっても美味しい調理法なので
お手頃にスペアリブが手に入る機会があれば
おススメです。一度は食べたほうがいいです。
なんせ私は1時間ほどトリップしていました。

一応リンクも貼らせて頂きます。
この超絶レシピの作者様であらせられます
かなBANANAさんに敬礼。嫁様にも敬礼。

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