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伝え方の話【No.4 つまらない話】

つまらない話と言えば校長先生。

全校集会で(早く話終わってくれ)と
生徒から念じられた率は95%を超えるとか。
いや、これはもちろん空想です。私の妄想。

私は校長先生を「話のつまらない人」と
よく引き合いに出していますが
別に校長先生に恨みがあるわけではありません。
私が語るのは架空の校長先生だと思って下さい。
気分を悪くされた校長先生がいたら御免なさい。

それに、これは後々分かったことですけど
校長先生は何も好き好んでつまらない話を
しているわけじゃないんですよね。
そこには悲しくも切ない大人の事情があります。
今回はそのあたりにも少し触れたいと思います。

・・・

さて、今回の主旨は一言で言うと
校長先生に学ぶ、つまらない話!です。

つまりこれは反面教師の話。
つまらない話のメカニズムを学ぶことで
つまらない話を回避しようって魂胆です。
さっそくいってみましょう。

私が思うところ
校長先生の話がつまらない理由は二点。

①話のトーンが変わらない
②話の方向性が生徒に向けられていない

今回この二点について掘り下げていきます。


■話のトーンが変わらない

全校集会で話をする校長先生というのは
ゆっくり、堂々と、微笑んで話をします。
一見すると聞きやすいはずなんですけど
つまらない。聞くに堪えない、眠くなる。

平たく言うと「早く終われ」と皆が思う。
では、どうしてこうなってしまうのか?

原因の一つとして
話のトーンが変わらないことが挙げられます。

トーンとは、音の高低。
話すスピードやテンポ、声の大きさや上げ下げ
これらを全てひっくるめたものを指しています。

いかにゆっくりと、ていねいに話したところで
ずっと同じトーンで話していると飽きられます。

飽きられるというか、魅力を感じないというか
どことなく棒読みっぽい。想いを感じられない。

粗の無いキレイなスピーチなんて、つまらない。
結婚式で花嫁のスピーチを思い出してください。
涙声でつっかえまくりだろうが刺さりますよね。

話の構成の上手い、下手なんか全然関係なくて
話す本人の「想い」が、どれだけ乗っているか。
その話にはトーンの高低が激しく起こっている。

つまり自分の話が(イマイチ響かないな…)と
思っている人がいるのなら
自分の話のトーンを変えてみることを勧めます。

スピーチをするときの話になりますけど
私は意識して5つのトーンを使い分けています。

もちろん、ただ闇雲に切り替えるわけじゃなく
聴き手の興味を切らさないよう、場を見ながら
トーンを使い分けるようにしています。


■話の方向性が生徒に向けられていない

やっぱり、話がつまらない最大の要因は
校長先生が語る話の方向性だと思います。

だって「超どうでもいいこと」ですよね?
(架空の)校長先生の話している内容は。

「夏休みに学生がすべきことは~」って
スゴイですね、エライですね知らんがな!

これって学生に向けて喋っているようで
実のところ全然学生に向けて喋ってない。

校長先生が校長先生のポジションとして
いわば、自分の立場に向けて喋っている。

つまり、話の方向性が自分自身なんです。

ちょっと考えて見て欲しいんですけど
自分の事情をベラベラ話す人っていますよね。
そういう話、聞いてて楽しいって思いますか?

私は全く楽しいと思いません。
知るか!何自分語りしてんだコイツ!ですよ。

百歩譲って友達とか親友ならまだ分かります。
でもよく知らないオッサンはNGですよ。無理。

つまり、関係性がさほど構築されていない人の
自分の事情を話されてもつまらなくて当然です。

(なんで私が話すとみんな苦笑いするんだろ)
っていうことが思い当たる人がいた場合は
自分のことばかり話していないでしょうか。

私がスピーチをするときはテーマがあります。
そのテーマとは
聞いてくれる人と私の共通の話題であること。

自分だけが分かる言葉で喋ってもNGだし
自分だけが分かる結論を導くのもNGです。

話し手は、聴き手に向けるべきなんです
話の方向性というものを。


今回は、架空の校長先生を引き合いに出して
結構容赦なくボロクソに言ってしまいました。
架空の事とはいえ校長先生申し訳ありません。

お詫びと言ってはなんですけど
最後に、校長先生の話のつまらなさの擁護を。

ええっと、校長先生には立場があります。
学校のトップであり学校の顔役ですよね。
その学校の教育者の代表的存在ですよね。

立場がある人は、言動に責任が伴います。
迂闊なことなんか自由に言えないんです。
だからこそ当たり障りのない話題になる。

当たり障りのない話題というのはつまり
箸にも棒にも掛からぬつまらない話です。

面白い話というのは受け取り側によって
自由に解釈できる余白があるから面白い。

自由に解釈できるというのは裏を返すと
曲解して悪い方向にも捉える人が出る話。

つまり、面白い話にはリスクがつきもの。
わざわざリスクを背負いこむなんて事を
校長先生がしないですよって話なんです。

ゆえに校長先生の話はつまらなくて当然!
・・・なのです!
私は全国の校長先生を応援しております!
(擁護になってるかな・・・)


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