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嫁とミステリーツアー

突然ですが問題です!

仲の良い夫婦が行う
ドキドキのアトラクションって、なーんだ?

制限時間は三行。チッチッチッチ…

1・・・
2・・・
3そこまでー。

はーい正解はミステリーツアーでした。
正解したあなたには珈琲次郎特性
サイフォン珈琲淹れたてを進呈致します。

それではまた来週!まったね~♪

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

自分で言うのもなんだけど私は変わっている。

嫁・珈琲・読書には絶大な興味を示すけど
それ以外のことはあんまり興味が湧かない。

(私の生活を邪魔しなければ別にいいかな)と
けっこう色々な出来事をスルーして生きている。

テレビも観ないから世間のニュースに疎い。
最近の芸能人もアイドルも名前を知らない。
でも別に困ったことはないのでそれでいい。
(困ったら嫁ちゃんに教えてもらっている)

そんな私が興味を示す遊びがミステリーツアー

説明しよう。ミステリーツアーとは!

私がのんびり車を運転していると不意に
(なんだこの脇道、どこに通じるのだ?)と
いてもたってもいられなくなる時があります

それは市街地にあるような小洒落た道ではなく
山の方角へ向かう不可解な道である場合が多い
ナビにもスマホにも頼らず勢いだけでその道へ
うおーっと突入するのがミステリーツアーです

珈琲次郎「ミステリーツアー」

独身時代はこの奇行とも言える発作が起こると
方向音痴のくせに無計画に車を走らせていたが
さすがに結婚してからブレーキをかけていた。

でもある日、溜まりに溜まった『ツアー欲』が
とうとう爆発してしまった。

「ねぇ、ミステリーツアーに行ってみない?」

助手席に座る嫁に向かって言い放ったのである。

「ミステリー・・・?なにそれ夫くん、詳しく」

あれ?意外な反応。もしかして?と
一縷の望みを頼りに説明してみると

「へぇ!なにそれ!行こう!どこ行くの!」

この女、ノリノリである。

「ぼくが言うのもなんだけど、君、正気かい?」

「えー正気だよ。なんか面白そう!」

「行き止まりかもしれない所に行くんだよ?」

「そのときはそのとき」

「廃墟とか、廃屋とか、そういうのあるんだよ」

「うわーヤバい(笑)」

この女、ノリノリである(二回目)。

その日向かったのはとある山間やまあいの集落。
新築と廃屋、舗装道路と砂利道が混じる地域。
外を歩く人は驚くほど少ない。ていうかいない。

着いたのが日が落ちそうな夕刻だったこともあり
かなり不気味な雰囲気だ。
多分人が全くいないわけではない集落なのだが
人に出会ったら出会ったでなんか怖い。

「うおおぉおー怖い!怖いよ嫁ちゃん!」

「なんで夫くんがビビってんのよ」

私はミステリーツアー中、車内で怖い怖いと
叫びながら運転するのがクセになっていた。
その日の私もアクセル全開で怖がっていた。

ちなみに車内から出ることはない。
廃墟探索系YouTuberの真似事なんかしない。
言ってしまえば知らない土地のドライブだが
この丁度いい加減の刺激が私にはドンピシャ。

「ねえヤバいよ!廃墟に人いたら怖いよね!」

「夫くんの変わりようが怖いよ」

「だってさあ、鎌とか持って出てきたらさあ!」

「はいはい、怖い怖い」

意外にも嫁は落ち着いていた。
取り乱す私にナイスフォローをしている。
おかしいな、怖いもの嫌いじゃなかったか?

「嫁ちゃんはこういうの嫌いじゃないの?」

「えー?だってオバケとかじゃないでしょ」

どうやら嫁はオバケだけが苦手なようだった。
そんなこんなで30分程ドライブ(?)をして
その日のミステリーツアーは無事終了。ふう。

「良かったじゃん。また行こうね」

意外にも嫁は楽しかったと言う。
この日以来、私たちは『ツアー欲』が溜まると
ミステリーツアーを敢行するようになる。

嫁とは変な所で波長が合うなあと思ってたけど
まさかミステリーツアーも受け入れるとは。
やっぱり最高の嫁じゃん。ありがたい。


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