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モテたいモテたい

「珈琲次郎さんはさ、奥さんの事好きなんだよね?」

「そうですよ。大好きですよ。最高の嫁ですよ」

「それなのに、他の女にモテたいって思うの?」

「え?そりゃモテたいですよ」

とある尊敬する先輩(女性)からこんなことを聞かれた。
『君は嫁が好きなのに他の女にモテたいのか?』と。

私は胸を張って答えた。
『モテたいに決まっている!』と。

しかしこの返答が先輩にはうまく伝わらなかった様子。
なんか私が軽薄な男みたいな空気になったではないか。
一体何が悪かったというのか・・・

・・・こんな話があったんだよ、と
その日のうちに嫁に話してみました。
そうしたら嫁までもが
「えー、モテたいの?夫くん」と
疑惑のまなざしを向けてくるではないか。
なんだろう、なにかが噛み合っていない。
もしかしてこれが男女の違いという奴か。
知らず知らずのうちに地雷を踏んだのか。
またオレなにかやっちゃいましたなのか。

【弁解タイム】
「待ってくれ嫁ちゃん、君は誤解している」

「何?どこが誤解してるっていうの?」

「私がモテたいっていうのはね、不倫したいとか
チヤホヤされたいとかそーいうんじゃないんだよ」

「・・・」

「モテるってことは、魅力があるってことでしょ?」

「まあ、そりゃあね」

「モテない旦那より、モテる旦那のほうがいいでしょ?」

「ん?・・・ん-?」

「ありゃ、伝わっていない?」

「うん、伝わってない」

「んじゃ、ダサい旦那より、イケてる旦那のほうが…」

「んーとね、うまく言えないんだけど」

「うん」

「夫くんが他の女にちょっかい出されるのは嫌かなぁ」

「ああ・・・」

「だから別にモテなくていいっていうか」

「・・・なるほど」

「伝わった?」

「伝わった。よく分かった。ごめんね」

夫婦の会話の一コマ。
我ながら変な話題をよくぶつけたものだ。

ともすれば不倫宣言にもとらえられかねない
話題だというのに嫁はよく私を諭してくれたよ。
ありがたやありがたや。

令和な現代じゃ結婚意識が希薄になっちゃって
結婚どころか恋愛もメンドクサイという風潮。
婚姻率も出生率も低下の一途を辿りまくってる。

もしかしたら私のような『モテたい』って感覚は
既に時代遅れの感情になっているのかも。
AIも発達してることだし、数年もすれば人工物と
添い遂げる道を選ぶのがメジャーになるのかも。
そう思うと今という時代は非常に興味深い。
面白い時代を生きてるなぁ。

まあ、時代はどうであれ
私は、私が好きな嫁と一緒に過ごせることが
いちばん楽しい。そう思います。


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