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【平匡みくりカムバック】結婚願望皆無24歳女が逃げ恥SPを見た感想【共感度120%】

もう2021年の楽しみが終わってしまったと思うぐらい期待以上満足以上でした!!!!!!

グサグサくる系の共感で、私の心は優しい傷だらけです。ガッキー可愛い、星野源の平匡さん落ち着いてて好き、だけで見ていた当初の私。それだけじゃないんだぜ、このドラマは。

では早速、結婚願望皆無の24歳の女視点から、感想綴ります。

1. 産休・育休の取得

初っ端から「産みたいときに産みたい」って女性陣の言葉、ぐっさりくる!

野木先生、会社の社員食堂潜入してしれっと会話に紛れ込んでいたのでは?と思うぐらい、会話がリアル。

実際私の職場の先輩が産休取る時、制度自体はあるけど会社での産休事例が無さすぎて、先輩の仕事の引継ぎは終わってたけど、会社がダメダメで2週間前に正式に事務処理が終わったぐらい。

遠回しに民放ドラマで”日本は遅れているよ”と最初から訴えているの、最高の皮肉ですよね。これからも野木亜紀子作品推す。

2. 選択制夫婦別姓

私が結婚したく無い理由の1つに苗字を変えたく無いから。

私は自分の苗字、気に入ってるのですよ!だって小学生から社会人の今の今までニックネームが「苗字+ちゃん」だからこれからも一生「苗字+ちゃん」で生きたいし、一生そう呼ばれたいのだよ!!!

今でも”女が苗字を変えて当たり前”という男性が多いなかで、平匡さんから話し合っているのはとても素敵だなと思う。まず契約結婚を選択したところから素晴らしいよね。

3.サポートって何?

みくりさんのセリフ、グサっときた。妊娠確定して平匡さんが「サポートします」と言った返し。

「一緒に親になるんじゃなくて?」

先日しゃべくり007で北川景子さんが出産後の様子について上田さんが「DAIGOくんはお手伝いしてくれるの?」と聞いていて、もやっとしたんですよね。悪気なく聞いたと思うけど「お手伝いって何?」と思ってしまった。
DAIGOさんは子育てに精力的だけど、嫁さんは旦那に赤子を任せるのが気が気じゃないらしい。これってママさんあるあるなのかな?

4.同性愛

・レズ

ゆりちゃんの友達の野々村さんが「高校の時、ゆりのこと好きだったんだよね」と、重い表情をしながらすらりと言う。

野々村さんがレズだと自認した高校時代、女子トークに入れなかったの凄く分かる...(私はアセクシャル)

「クラスで一番カッコイイ男の子ランキング」とか「強いていうならサッカー部で誰が好き?」とか、そう言う話題にうなづいてはいたけど全然ついていけなかった。LGBTQってそういうガールズトーク、人知れず地味に辛いよね。

ちなみにアセクシャルから見た異性って、顔や身長が違うだけのただの異性なんですよ。感覚はごっつい友達。

私以外にも知らないだけで、同級生にもLGBTの子がいたかもね。

・ゲイ

沼田さんと梅原くん(成田凌)は男性同士で付き合っている。沼田さんがゆりちゃんに同性は籍を入れられないとホロっとこぼし、時間が100年早まらないかなと嘆く。こう言うカップル、たくさんいるんだろうな。

みくりの出産報告で沼田さんが泣いた時梅原くんが「自分たちなりの幸せがある」と言っていたのも、救われた。

一人が幸せ、同性と付き合って幸せ、愛犬と一緒に暮らせて幸せ、仕事してる時が幸せ、趣味に没頭している時が幸せ。いろんな幸せが認められるようにしようと、私たちは頑張ってるんだ。

5.妊娠中のみくりさん

無論私は出産経験ないけど、周りの出産した友達や知り合いの様子を見て、つわりが本当に辛そうで...

ドラマ「コウノドリ」はほとんどが出産シーンだったので、つわりの吐き気や食欲だったり、お腹のふくらみによる生活の制限だったり、そう言った出産よりも長いリアルの妊婦生活はよくわからないから、自分としては”妊婦さんの辛さを知れた”と言う収穫。

それ以上にああ言うシーン見ると、妊婦さんに優しくしようって改めて思う。

6.ルックスいじり

平匡さんが会社の上司の女性社員のルックスいじりを一蹴し、女性陣がお礼にと平匡に詰め寄り、それをきっかけに上司が嫌いな若手社員がゾロゾロ集まって講演会状態に。しかし構図的に講演者の平匡さんが話す側ではなく、聴く側の新しいスタイル。

・ルックスいじり ←お前の顔はどうなんだよ
・社内での下ネタ ←社内じゃなくともキモイ
・酒奢ればOK ←金出せば自分が上に立てると思っているやつは社内の他に居酒屋とかそこらへんに潜んでる
・二軒目のセクキャバ ←無し、せめて締めのラーメン奢り。ベストは一刻も早く家に帰りたいから行かない

ある!!あるある!!!!分かる、分かりすぎて首がもげそう!!!!

そもそも可愛い子ランキングとか、女の子に点数つける男ってだいたいS○premeとかGU○SSとパッツパツのスキニー履いて決まってクラッチバッグ、カッコつけて入るけど顔はブスだよね(超偏見)

7.女性の病気、子宮ガン

私は中学生ぐらいの時、無料だからと子宮頸癌の予防ワクチン打ちに行かされたことがあります(筋肉注射で痛かった)

出産願望はなくても、年齢的に子供を産むことが出来なくても、ガンになって子宮とりましょうとなったら、平然と”子宮いらないだろ”とか言う男いっぱいいるけど、子宮を取るというのは女を失うのではなく”人間の臓器の一部を失うこと”。そりゃ怖いよ、入院も手術も避けられない。

男性の場合”チ○コが癌です、命に関わるので取りましょう”と言われてるのとほぼ同じことなのに、”子宮いらないでしょ”とか他人に平気でよく言えるよねって思います。
(下品で直接的な表現すみません、でもキ○タマとか具体的に言わなきゃわかんねえ野郎がほぼなんだよな)

8.仕事を休めないこと自体が異常

・仕事

私はゴリゴリ有給使ってるタイプのOLなのですが「ライブ行くのでこの日休みまーす♪」と言ってたら、周りもゴリゴリ休むようになって、いい循環作っちゃいました。そう言うところ私天才。

周りの人間の有給使う理由が体調不良以外に「旅行・ライブ/イベント・夢の国」の3つが基本なので、お土産いっぱい買ってきてくれるところも休みやすい職場のいいところでっせ。お菓子ポリポリ。

その「私、仕事休みます」精神は、根本的にこの「仕事休めないことが異常」がポリシーなので、ブレがございません。全ての自由は私にあり、会社が私の自由を奪う権利はありません(大声)

・男性の育休問題

みくりさんの会社も上司から”男性ならありえない”。

津崎ッスの上司も”男性が育休が取るのがありえない、1ヶ月も長期休むなんておかしい”と言う態度に、沼田さんが「男性が長く育休を取るのがおかしいってことがおかしい」と一蹴。

実際の男性の育休取得はわずか数%と言うデータがあり、全く”男性の育休取得”が浸透していないことが数字で丸わかり。これもお国や会社のお偉いさんに対するいい皮肉ですね。

9.正月ってなんだっけ?

↑ 年末のフェス中止や初詣など諸々制限された2020/21の年末年始

10.ずっと綺麗な部屋がいい

私も綺麗好きな方なので、スッキリと片付いた部屋が理想。なので平匡さんが部屋が汚いのが嫌なのは凄く分かる...

部屋の乱れは心の乱れという通りだけど、体調の不調が続いて片付けられないのは仕方ないこと。

”家にいるなら少しぐらい家事してもいいじゃん”とかたまに聞くけど、なーんもわかってねえな、毎月の生理痛もベッドから動けないぐらい痛い時あるんだよ!(ブチギレ)

11.仲直りのハグで大号泣

泣き出した平匡さんを抱きしめたみくりさんの行動に、うるっときてからの大号泣。思わず私もみくりさんに抱きしめてもらった気分になっちゃって...

「辛い時は辛いって言ってください。男だって女だって、辛い時は辛い」と言ったみくりさんの言葉、本当に救われる。

私も辛い時に限って辛い感情を心に封じ込めて平然を装ってしまうし、SNSでも”辛いと言えばメンヘラ”みたいな風潮が染み付いて、簡単に辛さや弱みをぶつけることが出来なくなってしまったからこそ、知らぬ間に締められていた呪縛が解けたような気がして、かさぶたが剥がれた傷口のように染みてしまった。

12.ジェンダーレス

・男女関係なく通じる名前

2019年あたりから人気名前ランキングで、男女ともに”ジェンダーレスな名前が多い結果となった”と記憶してます。

一時期キラキラネームが流行し、生まれてからもある程度条件があれば自分の意志で改名が出来るみたいですが、名付けからジェンダーレスに配慮されているのは素敵だなと思う。

もちろん女の子らしい可愛い名前も、男の子らしいクールな名前も、素敵だよね。キンプリの平野紫耀(しょう)君とかカッコいいよね、名前に顔面がついていってるのも強いよね。

・男らしさとは?

平匡さんとお父様の二人で「大黒柱と言う表現は古い」と言うシーン。”親・パートナー”としてではなく、”男”としてではないといけないのかな?

自分でもよく”女らしさとは?”を考える。女性と男性は力はもちろん、脳の作りや心理諸々違うけど、私は常に男女の境界線を超えたいと思ってる。女性のいいところ、男性のいいところが、いいところ取り出来る境界線の超え方をしたい。

13.計画的無痛分娩

これは産む嫁さんが決めることかなと思ったけど、THE・理系で計画的な平匡さんっぽい選択肢だなと思った。

有名人ではマキシマムザホルモンのナヲちゃんが次女のご出産の時、無痛分娩を選択されてますね。40歳の高齢出産だからということもあり無痛分娩を選択したみたいだけど、体質的な理由がなくとも女性が痛まなく産むこともスタンダードになって欲しいな(もちろん自然分娩で生みたいならこちらも選べたらいいよね)

男性が産む痛みを知れないのならば、女性も産む痛みを知らずに産んでもいいと思う。

14.コロナ禍の生活

リモートワークを推奨したり、マスクや消毒液が品薄、医療崩壊、緊急事態宣言、ネットのデマ情報や陽性者への容赦ない叩き。全世界の全人類が経験した2020年。増してや生まれたばかりの子には特に敏感、絶対に守らなくてはいけない命。

こんなにも”リアルタイムなドラマ”は今まであっただろうか?

15.ゆりちゃんみたいな生き方したい

「つわり、私も辛かったな」「妻が妊娠した時どう言うリアクションしたっけな」「こんな旦那欲しい」と思ってた人が多いかもしれないけど、結婚願望皆無女の私は、ゆりちゃんに重ねてました。

歳の取り方、考え方、他人の愛情の受け止め方、柔軟で素敵な女性だなと思う。仕事の面でもちゃんと部下のことをしっかり見ているところも理想。

16.必ず会う

みくりさんの実家の館山で、平匡とみくりは海に近い川越しで再開、同時に対面での再開を誓う。

こどもの名前を森山、津崎の名前にちなみ「亜江(アコウ)」と名付ける。亜江の「江」は大きな川の入り口や、入江を意味します。
ここのシーンで実際いたのはみくりと平匡の2人だけど、亜江と3人でいるかのように仕立て上げているところが、深すぎて泣いた。

"ムズキュン"から”キュン”へ

個人的なキュンポイントをまとめた。おそらくまんまとドラマチームにハメられてる気がする。

・メガネが曇る平匡
・健やかな寝顔の平匡
・パジャマ姿の平匡
・つわりから解放されて卵かけご飯食べれるようになったみくり
・当たり前の顔をしてみる平匡
・みくりとゆりちゃんのハグ
・家で破水してパニくる平匡
・赤ちゃんに気に入られたくて頑張る平匡
・敬語が抜けないのにたまにタメ口になるみくり平匡夫婦
・スマホで撮った写真をわざわざプリントして更に写真を撮ってクラウドにアップするほど機械音痴のみくり
・ラストの「おかえり」「ただいま」で尊さ爆発

「アンナチュラル」「MIU404」「逃げ恥」で映すコロナ禍

2018年放映のドラマ「アンナチュラル」の第1話でコロナウイルスを題材にし”アンナチュラルがコロナを予言していた”と話題に。

2020年最大のヒットドラマ「MIU404」の最終話では、2020年に真夏のマスク姿で勤務中の志摩と伊吹を映し出す。

そして2016年社会現象を巻き起こした大ヒット作「逃げ恥」は4年の時を超え、2021年正月の放映された今回はコロナ禍の日常生活を精密に映し出した。

野木亜紀子脚本の3作品でコロナを取り上げただけでなく、これだけの社会問題・課題を2時間のドラマにまとめる凄さを痛感。

新聞を読む、ネットニュースを熟読しただけでなく、それ以上に深く踏み込み、幅広く博識だからこそ書けたドラマなのだと思う。

生きていれば、また会える

脚本・野木亜紀子は”死ぬな”ではなく、”生きろ”と表現する。

一貫した男女差別の排除、ジェンダーレス、子育てしやすい社会、夫婦別姓、同性カップルの入籍問題、一人で生きる多様性、社会問題を恐れずに堂々と切り込んだドラマの代表作「逃げるは恥だが役に立つ」。

2016年の連続ドラマでは、恋愛や夫婦の在り方を一気に広げたが、SPでは結婚することやこどもを産むこと以外に一人で生きること、同性と生涯を共に過ごすことなどもたくさん提案した。

「逃げ恥」はラブストーリーの胸キュンや、問題を解決した時に得れるカタルシスがあるだけではなく、常日頃から抱えたモヤモヤや蓄積した不満を精密に映し出した繊細なリアリティさと、実際の社会の欠点と実際にこうなって欲しいと言う理想の社会の両方を描き高い共感度を得て、生き方の選択肢をグッと広げてくれた素晴らしい漫画でありドラマだ。

だから「逃げ恥」に限らずとも野木亜紀子作品の余韻は、あたたかくてずっしりとしている。このずっしりは嫌な重さではなく、今後生きる活力になる重さなのだ。

今回盛り込んだ問題以外にも伝えたいことはたくさんあったと思うし、実際にたくさん伝わったし、たくさん共感した。

でも、一番伝えたいことはこれに尽きると思う。

”生きていれば、また会える”。

生きていれば、またみくりさんにも、平匡さんにも、大きくなった亜江にも、会えるかもね。


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