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【ライブレポート】リアド正式加入後初ツアー【[Alexandros]ALEATORIC TOMATO Tour 仙台GIGS 2021.6.18】

以前よりは緊迫感が解けてライブやイベントなどは比較的やりやすくなったものの最低限の緊迫感は拭えないままだが、昨夜からツアーが無事スタート。

今回のツアーは前回全中止となってしまった「Where's My Tomato?Tour」の実質リベンジツアー。ベストアルバム発売記念ライブは前回の幕張メッセで行われたため、今回はセットリストが全く読めないライブとなる。ファンとしては期待が募るばかりだ。

そして今回のツアーの一大事といえば、2年ほどサポートドラムを務めていたリアドが正式加入後初ツアーとなる。

↓前回のドロスのライブレポート

ライブレポート

今回よりツアーのキャパシティは指定席100%で行われる。私は8列目上手と一見席は良さげに見えるが、GIGS自体キャパが狭いので実際は席が一桁でも真ん中らへんだ。

定刻を5分ほど過ぎると抜け感のあるラフなファッションで4人とも颯爽と登場。

まーくんのドデカイアンプには「Where's My Histry?」の線画イラスト、正式加入となったリアドのシンバルは前ドラムのサトヤス同様高いまま。

いきなりツアーオリジナルのインスト音源でポストロック調の[Alexandros]のサウンドを確立。ここから歌詞をつけるのか、このままインストで音源出すのかが気になるところ。

1曲目は延期に延期を重ね、先日ようやく劇場公開されたガンダムシリーズ「閃光のハサウェイ」主題歌「閃光」で皮切り。前回のワンマンライブ幕張メッセ公演のラストが「閃光」、引き続き走っていくことを意味しているのかもしれない。

早口な「Boo!」はリリック映像とともに熱狂。

「Stimulator」は疾走感と熱気を捲し立てたロックビートを確立しつつ、アウトロにかけてはDJリミックス風のシンセサイザを取り入れたオリジナルアレンジで新境地を見せた。
何故か洋平さんのマイクが通常のスタンドマイク加えてエフェクター近くにもう一本の上下2本あり(どちらもボーカルマイク)、Aメロでエフェクターをいじりながら下マイクで歌っていたが、あれはなんだったのだろうかと終始気になった。

続けて「Dear Enemies」、不安を吹き飛ばすような爆速アップテンポな曲が連なるなかで、[Champagne]時代の曲を突如演奏するのは不自然なようにも聴こえたが、洋平さんは「Dear Enemies」の歌詞にあるこのワンフレーズを伝えたいのだと思う。

「死にたい」って言うのは良い それ以上に生きればいい

これは個人的な見解なのだが、先日赤い公園の解散ライブが行われた。解散理由は作詞曲を主に行なっていた津野米咲さんの自死だ。

赤い公園とドロスは、ドロスの冠番組にゲストとして呼ぶなど長い親交があり、洋平さんがインスタのストーリーで赤い公園の解散ライブを見に行ったことを仄めかすような投稿をしていた。

この曲は天国の津野さんに向けたメッセージに見せかけて、津野さんに残された赤い公園のメンバーに、同じように死を考えてしまっている人たちに、そしてドロスに限らずバンド好きに向けて生きている人へ全てへのメッセージなのだと思う。

「city」ではパラパラと拍手が起こり、「Don't fuck with yooheikawakami」の間奏ではお馴染みの白井眞輝のギターソロが炸裂。

ファンから圧倒的な支持を誇る「Thunder」はコロナ禍で急遽制作された「Bedroom Jule」バージョンでの披露、洋平さんの地声に近い落ち着きのある歌声がチルタイムへ誘う。続けて抽象的な「Vague」では洋平さんの心地よく伸びるファルセットが光り、同じようなミディアムテンポの曲でもボーカリストのコントラストが映える。

懐かしい曲をやりますと「Kiss The Damage」はアコースティックバージョンでの演奏。

ロックバンドらしくハードな曲も、こうしたチルな曲でも、隅から隅まで彼らの色気は凄まじい。シャツやワイドパンツなど垢抜けたステージ衣装の効果もあると思うが、ベテランの余裕も含めて楽しんでいる様子が伺える。

洋平「今楽器の人に褒められた」

ヒロ「なんて?」

洋平「メッチャヨカッタッスって!笑」

洋平「改めまして[Alexandros]です、仙台来てくれてありがとうごさいます。いきなり知らない曲からはじまってびっくりしたかもしれないけど…知ってるフリしたひと、あれ新曲ですから。昨日と今日来た人しか知らない曲です。」
洋平「今日のライブは隣り合わせだし、せっかくのライブハウスなのに椅子があって暴れづらいよね。暴れたいくんいます?」

\はーい(ほどんどの客)/

洋平「ほとんどがそうか(笑)でも1年後とかになるかもしれないけど、またあの頃みたいなライブができるようになったらこういうライブがいい思い出だよねと言えるようなライブにしましょう。もうあの時のライブが懐かしいよね。」

ヒロ「もし前見たいなライブに戻ったらみんなバテるんじゃない?」

洋平「モッシュピットとかね」

磯部「コンナニキツカッタッケ!(倒れるフリ)」

(観客爆笑)

ヒロ「テンション高い!」

洋平「俺ら昨日からやってるからね!でも楽しいです、ライブ楽しいです。」
洋平「ツアータイトルは”ALEATORIC”は”偶然”って意味なんですけど、俺らとみんなが出会ったのも偶然だと思うんですよね。曲作ってる時とか、アレンジするメンバーもだと思うけど、みんなの顔を思い浮かべながら作るんです。そうやって出来た曲もあって。トマトは俺たちにとって感謝の意味。そのふたつをくっつけてツアータイトルにしました。」
洋平「あ、紹介そびれてた(笑)ドラムのリアドです。正式メンバーになってから紹介するタイミングなかったけど、2年ぐらい一緒に回ってますし海外も一緒に回ってます」

磯部「アジアもいったよね」

洋平「うん、リアドが仲間になってからフェスとかやってるけどツアーは昨日からが初です。リアドからなんか一言…」

リアド「仙台は好きな街で何回か来てるんですけど、[Alexandros]のメンバーとして来れて嬉しいです...」

洋平「…ははは!なんか前の人(サトヤス)のときもこうだったよね」

磯部「ドラムが喋りだすと笑う(笑)」

洋平「でもあの人はいきなり”あの〜ですね〜”とか言ってるからさ!」

リアド「喋るのはあれですけど、ドラムに気持ちを込めて叩きますのでよろしくお願いします」

洋平「リアドバンドマンなのにいい人すぎておかしいよね、不思議なくらいいいやつ。元のアレキサンドロス3人は最悪ですから」

ヒロ「下げとけば上げるだけだし」

洋平「ホント最悪ですよ、良い奴が入ってきてくれてよかった」
洋平「あ、金髪になったまーくんもどうぞ。」

白井「十数年間の加入当初は自分で染めてましたけど、プロに頼んでみるものですね。今の方が白い」

ヒロ「まーくん肌白いから欧米の少年に見える」

白井「ゆうてヒロも白いから変わんねえよ(笑)」

ヒロ「俺は洋平を目指してる、健康的な色だよね」

洋平「俺は肌黒ですからね、俺が金髪にするとギャル男になる」

後半戦は貴重なまーくんのギターボーカルで、敬愛しているという浅井健一のBLANKEY JET CITYの「SWEET DAYS」を1番だけカバーし、”Sweet”繋がりからか「You're So Sweet & I Love You」へ。まーくんのボーカルはハイトーンが伸びる洋平さんとは違う渋くダンディな歌声だった。

ロゼ(まーくんのアンプがデカすぎて姿が見えない)のピアノが鳴り出すと「This is Teenage」、聴き慣れた変拍子で名曲「Starrrrrrr」、続けて閉鎖感のあるライブハウスでの開放感が健在の「風になって」と、サクサク考え抜かれた見事なライブ繋ぎを魅せる。

お馴染みの「Adventure」では「亜麻色に染まった”仙台”は!」と歌詞変え。

「Beast」はおそらく幕張メッセと同じであろうリリック映像と共に披露。ワイルドな曲で洋平さんが右往左往動き回り、まだ数回しかライブで演奏されていないが、観客との一体感は抜群だった。主に上手で暴れまわっていたのでまーくんが微妙に邪魔そうな表情をしていたのが面白かった。

百戦錬磨の「Kick&Spin」の存在感とパワーは圧巻で、白井と磯部がフライングVに持ち替えただけでも最高潮なのに、さらにフロアを従来のもみくちゃなライブハウスの熱気に様変わり。ラストは「Mosquito Bite」「PARTY IS OVER」で本編は終了。

アンコールは「ワタリドリ」「Dracula La 」の両A面シングルのセットで披露。ちなみに「ワタリドリ」のPVには現在「おかえりモネ」で主演を務める清原果耶ちゃんが出演。出演当時は14歳前後だということに驚きだ。

最後に洋平さんが「また会いましょう、一生忘れません」と話すと、ラストは意外にも伸びやかな「LAST MINUTE」でチルモードで終了。

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今回は機材トラブルが目立ったように見えたが、それで違和感なくそつなくこなせるのは圧倒的な場数だと思う。
(下手のヒロさんがわざわざ上手のスタッフを呼びに行ったり、まーくんのギターの調子が悪く曲中でローディが対応するなどしている場面があった)

前回のライブレポートで「[Alexandros]のライブには行くのではなく帰ってくる」と言う表現が自分にはぴったりだと書いたのだが、やっぱりライブは非日常に見えても私たちに取っては居酒屋さんで呑む、好きなラーメン屋さんに行くのと同じように、[Alexandros]のライブはホームなのだと思う。

ドロスのライブをを見て「やっぱりこれだな、必要なエネルギー」だと身体と耳で痛感した。

ツアーは10月の武道館までロングラン。洋平さんが言っていたように、一刻も早く「あの頃はあの頃で良かったね」と懐かしい思い出話と言えるよう、このツアーで”いい思い出”をドロスメンバーと共に作りたい。

セットリスト

1. 新曲(インスト)
2. 閃光
3. Boo!
4.   Stimulator
5. Dear Enemies
6. city
7. Don't fuck with Yooheikawakami
8. Thunder(Bedroom Jule ver)
9. Vague
10. Kiss the Damage
11. You're So Sweet & I Love You(冒頭白井ボーカルカバー)
12. Thin is Teenage
13. Starrrrrrr
14. 風になって
15. Adventure
16. Beast
17. Kick&Spin
18. Mosquite Bite
19. PARTY IS OVER

en. ワタリドリ
en. Dracula La 
en. LAST MINUTE


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