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【アラバキライブレポ】ARABAKI ROCK FEST.24 2日目【tricot/ELLEGARDEN/10-FEET】

念願のアラバキに行ってきました!

見たライブ自体は少ないのだけど、愛と感情が重すぎて長文になったのでまずはライブレポだけ。


tricot

なんだかんだで8〜9年ぐらいライブに通い続けているtricotが10年振りにアラバキ出演と解禁された瞬間に即アラバキ行きが決定 。

吉田のドラムからイッキュウさんのボーカルが入り、各パートが雪崩のように入り乱れる想定外の「おまえ」はじまりに、しょっぱなからテンションブチ上げ。

カオティックとポップが交差する轟音と変拍子のコラージュに、オルタナ色が強い今年の荒吐のラインナップのなかでも一際輝くtricotワールドへ一気にワープ。

ヒロミさんの轟音ベースがバイブスを掻き立てる「おもてなし」から「POOL」と激情的なサウンドと変拍子で、さらに場内の客のハートを鷲掴み。

常に荒ぶっているイメージのキダ先輩は、夏並みの暑さを滅殺するようにギターの音色と共に、全身の動きもキレキレだった。

「右脳左脳」の間奏の緩急で客席から歓声が上がるあたり、アラバキは音楽好きな客層が多いのだなと感じた。

イッキュウ「改めましてtricotです!10年ぶりのアラバキ、一度たりともアラバキのことを忘れたことはありませんでした。今年も出れないのかと。」

「休憩するという選択肢もあるにも関わらず、こんな変なバンドを見にきてくれてありがとう!」

最前にいたので後ろの様子は分からなかったのだが、場内は満員だったそうだ。

おふざけ曲の#アチョイで、イッキュウさんが先輩の方へ行こうとしたらマイクのコードが機材にひっかかたり、イッキュウさんがベースのヒロミさんの足にしがみついたりして、自由で可愛かった。

イッキュウさんのウィスパーっぽい歌い方から一見キュートに聴こえる「OOOL」だが、やっぱり一癖あるtricot節は根強い。

思い入れの強いときや大事なライブで演奏するイメージのある「Break」をラストに演奏。

まさか「Break」やるとは思わなくて、tricotメンバーがステージからはけた後、春フェスなのに気温は29℃と夏並みの灼熱だったにも関わらず、お通夜状態になった。

それはダークでヘビーな重さではなく、”20cm四方”に収まる感謝の重さだった。

tricot終わりの鰰ステージ

セットリスト

tricotさんへ、私を荒吐に連れて行ってくれてありがとう!

ELLEGARDEN

2018年の復活ライブのZOZOマリン、2023年のZepp Diver City(しかも2列目)とレアなライブに参戦しているエルレ運が抜群に良い私ですが、ついに念願の「東北でELLEGARDNを見る」という夢を叶えてきました。

始まる5分ほど前にステージに到着すれば超満員のみちのくステージ。

空はスタートの合図と言わんばかりに、青空と西日のグラデーションに一本の飛行機雲が真っ直ぐにかかっていた。

1曲目はなんといきなり「Red Hot」。人生3回目のエルレにして、大好きな今日をまさかの1発目で回収して感涙。

続けて「夏みてえだな!」と細美さんの掛け声ではじまった「Surfrider Association」で本当に夏がはじまったかのような陽気を放つ。

「Supernova」では2018年5月、「ELLEGARDEN 復活」のニュースを聞いた日、歩いて駅から家まで嬉しすぎて泣きながら帰った日のことを思い出して大号泣した。

「東北でエルレが見れている、東北で大好きな曲が聴けている、復活して6年経った今もまだまだ現役でエルレが見れている」、知った頃既に活動休止していた高校生のときの自分に言ったらどんな反応をするのだろうか、と何度も思う。

細美「こんにちはELLEGARDENです!今年エルレとしては一発目のライブ。今日が楽しみすぎて一睡も出来なかった!隣の人のことは気にするな、誰もお前のこと見てないから!思う存分に楽しめ!」

「We get it, get it,  GO!」の合図が愛らしい「チーズケーキ・ファクトリー」「Mounten Top」と昨年16年ぶりに発売されたアルバム「The End of Yesterday」から2曲続けて演奏。

過去曲に馴染む新曲、そして新曲を演奏してもなお色褪せる様子が全く無い旧曲の”ELLEGARDEN”という時代の良さと滑らかさと強靭さに撃たれる。

私自身は被災者でもなければこれと言って東北と縁のある人生でもない、でもずっと東北でエルレが見たかった。

「東北ライブハウス大作戦」で真っ先にボランティア活動を始め、震災から13年経った今も活動を継続していて、それ以外にも日本で大きな災害があったときは率先して行動する、そんな細美さんをはじめとする人たちを、東北でエルレを見るからこそ意味があると思ってた。だから荒吐に来た、東北でエルレを見るなら荒吐が良かった。

今日は心地よい春風だった。そんな柔らかいそよ風が吹く日の「風の日」だからこその「人生、山あり谷あり」とメッセージ性のある曲が風情は壊さず、ダイレクトに心に響く。

いつ聴いてもロックキッズに一瞬にしてワープさせてくれる「ジターバグ」の威力は凄まじく、終始笑顔で演奏している姿にまんまとこちらも嬉しくなる。

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その前に「Space Sonic」「Salamander」を演奏しているのだが(カッコ良すぎて記憶が欠落してる)、ずっと「東北で見るELLEGARDENの価値」に圧倒され続けていた。

この日細美さんは「東北頑張ろう」など一切言及しなかった。でも10年以上、ロックを通して復興支援をしているからこそ、言わずともライブの熱量と同じくらいに復興支援へのエネルギーも強く、不思議とオーラのように見えていた。

無論彼らが被災地のボランティアしている様子などを実際に見てる訳ではないのだが、「こんなにも尽力していたのだ」と、まるできちんと崩れないように積み重なったお城の石垣のような重厚感を彼らの音で感じていた。

私が「Make A Wish」が大好きな理由がある。

このZOZOの復活ライブのとき、細美さんが「今日は終戦記念日(8/15)。ミュージシャンをやる前は平和とかどうでもいいと思ってきたけど、音楽をはじめて大事だと思うようになった。だから3分だけ時間をくれ」と言ってはじまったのがこの「Make A Wish」だ。

前方には大量のリフト、見たこともないほどのブロック目一杯の大きなサークル、細美さんとウブさんの歌声に負けない3万5000人の大合唱。

「平和を祈る手法は黙祷だけでは無いんだ」と当時20歳前半の若造は思ったのである。「ロックキッズなりの平和への祈り方」をエルレから教わったんだ。

ステージと客席の間でお互い「分かるよな?」と言わずとも阿吽の呼吸ではじまった「Make A Wish」も、それはそれは美しかった。

ラスサビの畳み掛けが、ELLEGARDENが放った物凄い強烈なパワーを、エルレを見にきた人たち全員を背にのせられるぐらいの大きくて立派な昇り龍が全て受け取って、激烈な勢いで空へ舞い上がるようだった。

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今日のライブは復興支援だけでは無く、同じ熱量で天国へのチバさんにも向けられていた。そう思うにはこれまた理由があった。

エルレは夕方からの出演だった。ライブが始まる前に見た飛行機雲はあのたった1本だけでは無かったんだ。

エルレがライブをやっている間、1本の紐がほろほろと解けるように飛行機雲が消えても、また新たに綺麗な飛行機雲が現れて、エルレがライブをやっている間は、雲ひとつ無い澄んだ空に、常に3本も4本もひっきりなしに飛行機雲が出来ていたんだ。

まるで東北の空が「いつもありがとう」とエルレを祝福してるみたいに、天国のまたチバさんもまた「届いてるぞ」と言わんばかりに。

セットリスト

1.Red Hot
2.Surfrider Association
3.Supernova
4.チーズケーキ・ファクトリー
5.Mountain Top
6.Space Sonic
7.Salamander
8.風の日
9.ジターバグ
10.Make A Wish
11.金星

10-FEET

今年の大トリ。既に事前にゲストが告知されており、タイテ解禁時からお祭り状態。

お決まり「goes on」からスタートして隣の人とハイタッチ、続けて「THE FIRST SLAMDUNK」の主題歌候補として作られた「SLAM」を演奏。

「この曲をフェスで聴けるとは…!」と驚きと同時に、2曲目に持ってくるとは思わず2○回同じ映画を見に行ったTHE FIRST SLAMDUNKガチ勢でもある私のボルテージは既に最高潮。

秋田に山王のモデルとなった能代高校がある。”東北でスラムダンクに関する曲を演奏する"ということはつまりだ、山王へのリスペクトでもあるのだ。(こんな身勝手な解釈をしているのは私ぐらいで、おそらくテンフィ本人たちは絶対に微塵も思っていない)

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TAKUMAさんが「今日は友達いっぱいおんねん!まずは2人…あ、2匹!」と絶対に間違えていけないひとが狼を数える単位を間違えるというハプニングが勃発するも、事前に発表されていた狼バンド・MAN WITH A MISSIONからトーキョー・タナカとジャンケン・ジョニーの2匹が登場。

解禁当初は「databaseか?」と踏んでいたのだが、ここは10-FEETの方でコラボしてる「super stomper」、直後の「1sec.」「SHOES」とシャープでソリッドな曲の連発、あまりにも”俺たちの10-FEET”すぎる流れに痺れる。

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地元の川崎中学校吹奏楽部とは「シガードッグ」を演奏。約1万人の前で演奏した未来ある学生さんに拍手。顧問の先生の様子がテンション高くておかしくて、そこもまた良かったと思う。先生がちょっと頭おかしくないとあんな大勢の前に立てないし、紅白出場歌手と同じステージに立とうとは思わないと思う。

「RIVER」のCメロで客にスマホのライトを点灯させてのウェーブ、KOUICHIさんがドラム止めて自分もライトウェーブに参加するオチ、分かっていてもやっぱり面白い。

「蜃気楼」ではゲストにHakubiから片桐ちゃんが登場。

初めて片桐ちゃんを見て、音源では繊細でか細いイメージだったのだが、実際聴くとかなりハイパワーで、アイスピックのような鋭く芯のある歌声で度肝抜かれた。ラストになりふり構わず客席に降りてダイブしていたのも衝動的で良かった。

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前述の通りtricotが大好きで、同日に出演するしタイテも被っていなかったので10-FEETとtricotがコラボした「ライオン」を「tricotのステージでカバー」か「テンフィのステージでゲストにイッキュウさんサプライズ出演」と正直ネタでやらないかと話していたのだが、まさか本人の「ライオン」を演奏すると思っておらず、ネタにして大変申し訳ございませんでしたという気持ちである。

さすがにフェスでは「(みちのくのバックドロップを指して)これと似たような色のアルバムの曲をやります、昔の曲だから知らない人は新曲と思って」と言うぐらいでコラボでもないとやらないかと思っていたのだが、普通に考えが甘かったし、なぜ一番可能性のある「本人ライオン」をすっ飛ばしていたのか謎。浮かれすぎていた以外に原因がないのだが。

直後に10-FEETの地位を確立した特大ヒット曲「第ゼロ感」

「ライオン」でしっとりした直後のタイミングでやると思わなかったし、tricotとTHE FIRST SLAMDUNKガチ勢の側面として脳内見られているのかと思った。私が考えたセットリストだよ、こんなの。

なんだかんだで野外の夜のステージで見るテンフィは初めてだったんだけど(出演が昼間かトリだとしても室内だった)、澄んだ吸い込まれそうな夜空に赤色の照明が映える映える。思い出すよなあ、「THE FIRST SLAMDUNK」の激戦も、バスケ男子代表がオリンピック出場権を獲得したあの瞬間も。

イントロが鳴った瞬間に空気が引き締まる感じも、どこにいても誰もが歌えるシンガロングも、井上先生に選ばれた「THE FIRST SLAMDUNK」主題歌の「第ゼロ感」も最高だけど、10-FEETが鳴らすライブの「第ゼロ感」は何にも変えられなくて最高だよなあ。

盟友・ロットンからNAOKIさんとNOBUYAさんを呼んでの「その向こうへ」、その後は「VYBES BY VYBES 」を演奏し、最後は「バースデイのチバさんが褒めてくれた曲!」と「ヒトリセカイ」で終了。

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一度ステージからはけて早々にアンコール登場。

東北では桜が咲いており、絶好のお花見日和とも言える最高のロケーションで演奏された「CHERRY BLOSSOM」では1サビの途中で演奏を止め、「タオル投げるのひよってるわ!」と煽ってから再開して全力のタオル投げで大団円。

人生で初めて桜が咲いている時期に来たフェスで桜の歌を聴く、本当に来てよかったなと改めて思う。自然との調和は狙っていける訳ではないから、本当に運がいい。

「最後にもう1曲だけいいですか?後で謝りに行くわ!」とおそらく本当にその場で曲を追加して「back to the sunset」を演奏して終了。

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最初「持ち時間90分は長すぎる、ステージでプロレスでもするのかな」とか言ってたけど楽しすぎて一瞬で終わってしまった。

テンフィおじさんのライブ楽しかったな〜〜あ、来週ビバラでも見れるわ!

セットリスト

(文字数が多くなってしまったのでリンク先へ)

荒吐、それは一生の思い出

ずっと憧れのフェスだった。いつか行きたかった。ようやくこれた。本当に本当に楽しかった、「一生の思い出」と言い切れるぐらいに。

ひとも温かくて、ご飯もお酒も美味しくて、当たり前かもしれないけど音楽好きがいっぱいで、自然豊かで、本当に大好き!

いつかまた、東北へ遊びに行きます!

復興支援ラババンと共に



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