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一皮むけた、まさに「成長期」MAGiC BOYZ

8/24に、EBiDAN発小中学生ヒップホップグループのMAGiC BOYZが3rdシングルとなる『Do The D-D-T!!』を発売した。

EDMのジャンルの1つである「ジャングルテラー」をトラックに盛り込んだ、とにかく「攻め」の作品だと思う。音源としての完成度が高く、普通にクラブ等で流れていても違和感のない作品だと思う。

そして何と言っても、MC3人のラップが素晴らしいと思う。MAGiC BOYZの中学生3人のMCのラップスキルの向上があってこその、音源の完成度だと思う(MAGiC BOYZに加入したての小学生DJジョーくんとミロくんもこの音源では「賑やかし隊」として参加しているが、2人の声を加工して盛り込んでいるところも楽曲の面白さに大いに作用しているし、とても上手な活かし方だと思う)。

今回は、これまで自分なりにMAGiC BOYZをどのように見守ってきたかを振り返りつつ、MAGiC BOYZのどこが好きなのか、何が素晴らしいのかを考えてみたいと思う。

MAGiC BOYZを知ったのは、ちょうど超特急に一番ハマっていた2015年の初めごろだったかと思う。EBiDANファンではない繋がりのフォロワー様のツイートで、「EBiDANの若手ユニットであるMAGiC BOYZというグループが何やらクラウドファンディングを行っている」ということを知った。この時点では、「またEBiDANが変わったことやってるなー」くらいの認識だった。

そこからMAGiC BOYZがBUDDHA BRANDやNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーがリリックやトラックで参加のデビュー曲を発売すると知り、そのメンツの凄さに「これは何としても購入してチェックしなければ…!」と思い、デビュー曲『MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~』を購入したのが、MAGiC BOYZの楽曲やラップに触れた最初だった。

デビュー曲『MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~』のCDをc/wまでしっかりチェックした上で、メンバーの中ではどうやら井上東万くん(以下トーマくん)というメンバーのラップフロウが一番好みだと思い、その思いはTwitterでも呟いていた。

続いて2015年7月に全世界配信両A面シングル『illson feat.NIPPS、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)/調子のってる⤴』を発表。

この配信シングルにおいても、やはり参加メンツが相変わらず凄いこと、特に『調子のってる⤴』は大好きな映画『SR サイタマノラッパー』シリーズの伝説の「タケダ先輩」こと上鈴木伯周さんがリリックを担当していることを知り、個人的にかなり興奮していた。

Taichi Masterさんが手掛けた『調子のってる⤴』のトラックもかなりお気に入りで、『調子のってる⤴』はかなりヘビーローテーションしていた。ちょうど『illson』の歌詞や、渋谷での定期イベントで超特急及び超特急内ユニット(メンバー)をdisっていたことで、超特急好きのフォロワー様達の間でMAGiC BOYZが話題になっていたタイミングでもあった。

このあたりまでは、メンバーが、グループが、というより、楽曲制作陣にヒップホップ界隈の大物が参加しているという「話題性」や「面白さ」だけに注目していたように思う。おそらく井上東万くん以外のメンバーの顔と名前はこの段階ではあまり一致していなかった。

MAGiC BOYZが本格的に気になるようになったのは、超特急つながりで知り合ったフォロワー様のTwitterでのツイートにMAGiC BOYZの話題が増えてきたからだ。ラップやヒップホップ音楽にはもともと興味があるし、大好きな楽曲のトラックが聴ける場としてのライブには是非一度行ってみたいと思っていた。しかしMAGiC BOYZのライブやイベントはほとんどが土日に行われており、仕事の都合でなかなか行く機会に恵まれなかった。そんなタイミングで、そのフォロワー様から某駅の構内で「○○さん!マジボのライブ!行きましょーよ!!」と何気なく言われた一言(※おそらくそのフォロワー様は覚えていないだろう)がとにかく心に刺さった。「なかなか曜日が合わなくて行けなくて~」とかわしつつも、このフォロワー様の一言で、何とかMAGiC BOYZのライブに行けないものか、と強く思うようになったことは事実だった。

またフォロワー様がMAGiC BOYZについてツイートしてくださることで、どうやらメンバーの松田琉冬くん(以下リュウトくん)がSKY-HI(AAA日高光啓くん)に憧れているということも知ることができ、動画等でリュウトくんをチェックする機会も増え、リュウトくんが気になり始めていた時期もこの頃だった。Da-iCE工藤大輝さんやAAA浦田直也さんのように「好きを仕事につなげる力を持つ人」「憧れの存在に届く熱量を持つ人」がとにかく好きな自分にとって、SKY-HIが好きで、SKY-HIのアルバム『カタルシス』にコメントを寄せる機会を手繰り寄せたリュウトくんは気にならずにはいられなかった。いっそこの頃にはリュウトくんがかなり気になっていた。

そんな自分についにMAGiC BOYZを目の当たりにする機会が訪れる。MAGiC BOYZの主演映画『イカれてイル?』に普段から大ファンのDA PUMPのメンバーであるKENZOさんが出演することを知り、是非映画を見に行きたいと思っていたタイミングで休みの日程もちょうど合ったことからメンバーの舞台挨拶付きの映画上映を見に行くことができた。

『イカれている?』は自分としてはかなり面白い作品だと思った。私がAAAにハマるきっかけになった、それ以外でもいろんな意味でドハマりした映画『愛のむきだし』と同じくらい面白いと思った。

映画上映終了後のCD発売イベントも軽率に参加した。何の意図もしていなかったが、直接ポストカードを手渡ししてもらえるイベントで自分の目の前にいたのがリュウトくんだった。思えばこれが所謂「推し」正式確定の予兆だったように思う。その日会場を移して、MAGiC BOYZのインストアライブがあるということで、これも軽率に見に行った。それがMAGiC BOYZのライブ初体験だった。

初MAGiC BOYZライブは、とにかく感動した。メンバーのライブを盛り上げようという熱意ももちろんだが、そのメンバーのノリに呼応する観客のノリもとても素晴らしく、とにかく楽しかった。ヒップホップのライブというよりは、バンドのライブのノリに近いと思った。そして、この日のMAGiC BOYZメンバーのパフォーマンスで一番惹かれたのがやはりリュウトくんのパフォーマンスだった。華奢な腕を、体をめいっぱい使って、まさに全身でヒップホップを体現しようとしていた姿に本当に感動してしまった。ぶっちゃけ泣いた。素直にそんなリュウトくんが好きだと思ったし、目が離せなくなる存在、とにかく素直に好きだと思える存在が「推し」なんだろうなと改めて実感した。

その1週間後、SKY-HIワンマンの金沢公演を見に向かう道中の中で、「リアル中2卒業パーティー」にSKY-HI(その他豪華ゲスト)が出演することを知り、リュウトくんの「憧れの存在に届く熱量」の素晴らしさ・尊さに泣いた(余談だが、MAGiC BOYZのライブにSKY-HIがゲスト出演する嬉しさでいっぱい過ぎて新幹線を乗り間違えてしまい、肝心のSKY-HIのライブに遅刻してしまった)。

「リアル中2卒業パーティー」直前にメンバーのフウトくんとユウトくんがグループを卒業すると発表される。大切な時は留めておくことはできないんだということを改めて実感したし、SKY-HIがゲスト出演するということだけではない大事な意味合いを持つライブになると思った。

「リアル中2卒業パーティー」はとにかく素晴らしかった。凄いものを見てしまったと思った。気合いの入り方がとにかく尋常ではなかった。メンバー自らがパフォーマンスを楽しむ・オーディエンスを楽しませるという姿勢も当然従来以上のものがあったと思うが、「この5人でパフォーマンスできる機会は最後」という認識のもと、自らの歴史にこの日のパフォーマンスを全力で深く深く刻み込んでいるという印象を受けた。その姿に深く感動した。普段であれば、心地よいユルいテンポで楽しく披露されることが多かったと思われる『調子のってる⤴』をパフォーマンスするメンバーの表情は真剣そのもので鬼気迫るものがあり、その表情・熱量に泣いた。

メンバーが2名抜けたMAGiC BOYZは一旦は3MC+3DJ体制で活動を継続、新ビジュアルを発表したり、イベントを精力的にこなしたり、新メンバーの加入が決まったり、「戦極MC BATTLE」に参戦・ライブ出演をしたりなどを経て今回のニューシングル発売に至っている。

ここまであくまでも自分の視点でMAGiC BOYZのデビューから今に至るまでを振り返ってみたが、自分の視点からでもMAGiC BOYZとしてもこれまでの歴史が十分に密度の濃いものだと実感できる。そして、ヒップホップという特殊なジャンルで活動することを余儀なくされ、大人のヒップホップ現場に放り込まれ、その中でラップやヒップホップの魅力に気づきどんどんのめり込んでいき、結果多感な時期に短期間で喜び悔しさ寂しさなどを同世代の誰よりも濃く経験した少年たちはいよいよ脱皮の時を迎えたと、ニューシングル『Do The D-D-T!!』の音源を聴いて確信した。

とにかくデビュー当時から在籍しているトーマくんとリュウトくんのラップスキルの向上が一番にMAGiC BOYZのヒップホップグループとしての成長を表している部分だと思う。デビュー当時は流暢ながらやや平坦に感じていた2人のラップフロウには抑揚やアクセントがしっかりつくようになっており、これまで以上に勢いや頼もしさを感じる。そして、DJからMCに転向したマヒロくんの声の厚さが加わったことによって、MAGiC BOYZのラップはさらに進化したように感じる。音楽が好きな自分にとって、音源からメンバーやグループの成長や進化を実感できるのはこの上なく嬉しいことだ。そして小学生DJの2人を新メンバーに迎えたことにより、MC3人は「兄」としての自覚からかなのかますます大人びて見えるようになったし、小学生DJのジョーくんミロくんの特技やキャラクターはグループの新しい魅力になっており、そのことによりMAGiC BOYZというグループはますます勢いを増しているように感じる。「まさに成長期、これぞ成長期!」をMAGiC BOYZは最新音源をもって示してくれた。デビュー時から緩やかに見守ってきた立場としては、ここにきての爆発的な成長を本当に嬉しく思う(そんな彼らを様々な立場から後押ししている「大人」の方々にも感謝の気持ちでいっぱいである)。

『Do The D-D-T!!』の各盤のc/wにはSKY-HI、DJみそしるとMCごはん、DOTAMAといった豪華アーティストとのコラボ作品が収められている。「Bi盤」に収録されているMCリュウト×SKY-HIの『1,2,3』の中でリュウトくんが「いつかHIPHOPシーンをリード」と高らかにラップしているように、MAGiC BOYZが世のHIPHOPシーン、音楽シーンに驚きを与えるくらいのグループに成長してくれることを心から願っている。


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