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超特急にハマった訳は。その訳は…

現在「超特急」というダンスボーカルグループにどうしようもないくらいにハマってしまっている自分がいる。

音楽好きを自称している自分が、ここ1か月の間は超特急楽曲以外の音楽をほとんど聴けていないし、夜な夜な飽きもせずライブ映像を見ているというくらい超特急漬けの毎日…そのくらい超特急にハマっている。Twitterで呟くことも超特急のことばかりになってしまい、もはや自分の中の何かが完全に麻痺してしまっているのを感じている。

これではいけないと思いつつも、ここまで超特急にハマってしまった自分自身に興味が湧いてきたため、自分自身と向き合い「自分はどうしてここまで超特急にハマってしまったのか」の自己分析を試みてみることにした。


もともと超特急は知っているミュージシャン(「知り合い」ではない。数回とあるライブでお見かけしたことがある方)が楽曲制作に携わっていることを知っていたため興味があった。実際アルバムを購入したら好みの楽曲がたくさんあり、ボーカルの歌唱力の高さも相まって音源レベルでは相当に気に入ってヘビロテしていた(特に『Star Gear』は楽曲自体に相当ハマった。デジロック風の楽曲と1号車コーイチくんのラップのカッコよさにすっかり魅了された)。楽曲自体にはとても満足していたし、正直超特急に関してはこれ以上深みにハマることはないだろうと思っていた。

ところが、実は超特急にはダンス経験のあるメンバーがいて、コレオグラファーとして三浦大知のバックダンサー歴のあるダンサーやLeadの振り付けも担当したダンサーが超特急の振り付けにも携わっていることを知ったことから大分事情が変わってきた。

普段私はDA PUMP、w-inds.、Lead、三浦大知を擁するライジングプロダクション所属のアーティストを応援している。ライジングプロダクション所属アーティストのストイックな姿勢、そして歌とダンスパフォーマンスを高いレベルで同時に実現させる部分に昔から魅了されているからだ。正直超特急は前から知っていたけれども、ライジング勢くらいに踊れるというイメージは全くなかった。今となってはそう思っていたことを大変申し訳なく思うが、「ももクロの弟分」ということで奇抜なことをやって話題を作って売り出そうとしてるんだろうなくらいに思っていた。だから超特急のダンスパフォーマンス自体に過度に興味を持つことはこれまでなかった。初めて超特急のライブを見たのはDA PUMPと三浦大知が目当てで見に行った2014年8月17日のa-nation islandだったのだが、『ikki!!!!!i!!』の音楽や『Believe×Believe』の白目を剥くパフォーマンスはとても楽しかったしファンの方の盛り上げもとても素晴らしかったけれど、そちらにばかり関心が向いてしまいダンスパフォーマンス自体はきちんと見ていなかった。

私がアルバム楽曲がとても気に入って超特急の音楽面自体にハマっていた頃、「超特急には踊れるメンバーがいてパフォーマンスも意外とイロモノじゃない」と教えてくれたヲタ仲間さんの薦めもありカラオケボックスで超特急の本人映像を見ることになった。そこで『Kura☆Kura』という楽曲のライブ映像を見て、自分の中に衝撃が走った。楽曲自体がとても好みだったというのもあるが、それまで持っていた「イロモノ」というイメージとは違った魅力的なコレオグラフで踊っている彼らがそこに映っていたからだ。そしてメンバーの中でも表情豊かにしなやかに軽やかに踊る5号車ユーキくんに特に惹きつけられた。『Kura☆Kura』のパフォーマンスですっかり頭がクラクラになった私は次の日すぐにライブ映像が収録されたブルーレイ付きのアルバムを買ってしまった。思えばここが超特急に堕ちてクラクラになるターニングポイントだった。後日『Kura☆Kura』の振り付けを担当された方がLeadの『GREEN DAYS』の振り付け担当の方と同じと知ってますます興奮してしまった。

超特急のライブ映像はとにかく面白かった。ライブでもなお歌唱力が高い1号車コーイチくんの歌声には惚れ惚れするし、それまでカッコイイ振り付けで踊っているイメージがなかったからこそ新鮮で、『Kura☆Kura』『Kiss Me Baby』『No.1』の3曲を特にヘビロテして見ていた。やはり5号車ユーキくんのアクロバティックな動きやジャズダンスがベースになっていると思われるしなやかなダンスは本当に見ていて楽しくなる。この3曲を中心にライブ映像を見るのが日々の楽しみになっていた。年末は、仕事が終わると超特急のライブ映像を見れることを本当に楽しみに帰宅する日々を過ごしていた。

思えば私は昔から何かにハマる時はギャップに弱い。どこか軽視していたり何かの理由で嫌っていた対象物の意外な面や魅力を知ると一気に好きに転じる傾向がある。DA PUMPも、AAAもそうやってハマってきた。「好き」の反対は「無関心」だ。軽視したり嫌っているのはきっとどこか気になっている証拠であり、そういった感情は何かのきっかけで「好き」に転じやすいということは大学の心理学の授業で習った気がする。超特急に関してもそれが見事に当てはまる。

最初は楽曲が純粋に好きだった。そのあと意外に「イロモノ」じゃないダンスパフォーマンスにハマった。そして、前述のライジングのアーティスト勢(特にLead)と楽曲面でもダンス面でもクリエイターが被っていて、そのクリエイター陣が生み出す楽曲や振り付けを超特急が体現していることでライジング勢との類似点や相違点を楽しんでいることそのものが私が超特急にハマっている理由なのだと思っていた。が、最近の自分の超特急へののめりっぷりはどこかおかしい、異常だ、と考えたときに、自分が超特急にハマっている本質的な理由はこれなのではないか?という1つの仮説が浮かんだ。

ー「色」だ。

前述の2014年8月17日のa-nation islandにおいて、楽しいパフォーマンスと1号車コーイチくんの歌唱力の高さが特に印象に残ったが、もう1人強く印象に残ったメンバーがいた。それが2号車カイくんだった。

a-nation islandで青いイメージカラーの衣装を身に纏い、金髪であるカイくんを見たときに、昔大好きだった漫画(アニメ)のとあるキャラクターのイメージが重なったのだ。正直カイくんとそのキャラクターは全然似ていないが、自分がそうイメージするには「青い衣装」+「金髪」という2色だけで十分だった。a-nation island終了直後もそれはTwitterでネタにした。

超特急は「ももクロの弟分」がウリなだけあって、イメージカラーに徹底的に拘っている。AAAやLeadなどにもメンバーカラーは存在するが、そのメンバーカラーは主にグッズの販売促進に使われている印象があり、ライブやTV出演時に衣装までメンバーカラーに拘っていることはほとんどない(あってもアンコール時にメンバーカラーのツアーTシャツを着るくらいかと思われる)。その点超特急はイメージカラーの衣装を纏ってパフォーマンス等行うことが徹底されている。アイドルにおける色分けの原点はスーパー戦隊シリーズにあるということからも推測できるが、超特急はスーパー戦隊がコンセプトで、事務所サイドの狙いもそこにあると言える。

思えば私は小さい頃からスーパー戦隊シリーズが大好きだった。「色」にはキャラクター造形や必殺技のイメージが込められ、各キャラクターがそれらのイメージのこもった「色」のスーツを全身に纏い派手なアクションで敵の雑魚キャラをばったばったなぎ倒すところが大好きで、他にも名乗りのときのポージングとか、時に色のついた煙幕がキャラの背後でドカンドカン爆発していたりとか、そんなところも本当に大好きだった。確実にスーパー戦隊シリーズが好きだった影響だと思うが、漫画やアニメでもスーパー戦隊シリーズのような、すなわち登場人物の変身前の服や変身後の戦闘着の色が明確にキャラクターのイメージカラーとなっていて、それら登場人物らが5人前後のグループでまとまって何か巨大な敵と戦っている格闘モノの漫画やアニメにハマっていた。また、それら登場人物達はほぼ全員がイケメンであったため、必然的に特定のキャラクターに対する熱の入れ込み方はスーパー戦隊シリーズ以上のものとなった。2号車カイくんに重ねたキャラクターは、そんな漫画(アニメ)の中で私が最も好きだったキャラクターだったのだ。

超特急の狙いがスーパー戦隊にあると認識してからは、その狙いの1つ1つの巧みさにいちいち感動していた。まず第1に、メンバー1人ひとりに「○号車・○○担当・イメージカラー」の3点を自らを表現する「記号」として常に背負わせ、スーパー戦隊のようなグループを構成したこと(日本青年館ライブのスタジャンの背中に号車番号が付いている衣装はどこか『特捜戦隊デカレンジャー』っぽい。デカレンジャーの場合は番号がついているのは前身部分だけれども、番号のフォントが非常に似ている)。第2にメンバーの名前をカタカナ表記にしたこと。カイ・リョウガ・タクヤ・ユーキ・ユースケ…とメインダンサーの名前を号車順に並べてみると、そのままスーパー戦隊シリーズや勇者シリーズのアニメの登場人物に使えそうなくらいだ。第3にライブにおける自己紹介。これは戦隊シリーズにおける名乗りに相当し、毎度毎度「なげーよ!」と思いつつメンバーの自己紹介の前口上を聞いてしまうのはまるで名乗りの間攻撃せずに見守っている敵怪人のようなものだと思っているし、「僕たちは!超特急です(でした)!」と言って全員でポーズをとる所は戦隊シリーズで名乗り後に全員でポーズをとりながら戦隊の名前を言っているようなものだし(先日『侍戦隊シンケンジャー』を見て改めてそう感じた)、ラストの『走れ!!!!超特急』もついつい聴いてしまう。超特急がスーパー戦隊的な演出でメンバーを番号と色で記号化するのには、キャラクターの区別を明確にし、ファンが特定のメンバーに入れ込みやすくし、最終的にはそれを握手会目的でのCD購入やグッズの購入に繋げることによって売り上げを確保するという目的があってのことだが、私はそのスーパー戦隊的な演出そのもの、つまりは「手段」自体の方に惹かれてしまったのだ。

グループや特定のメンバーが好きな理由には、個人個人にいろいろな理由がある。好きな理由がそれぞれ違うのは、そのグループや特定のメンバーに投影するものが人によって違うからだ。好きなグループや特定のメンバーは自己を映す鏡のようなものだ。自分と似ているから好きということも、自分にはない部分に憧れるから好きというあるだろう(憧れの気持ちが強すぎれば、その対象はコンプレックスの象徴にもなる。当時少年アヤちゃんが4号車タクヤくんと6号車ユースケくんに入れ込んでいた気持ちや理由は自分は痛いほどに理解できる。私にとっては何事においてもそつなくこなせる高いスペックを保持している1号車コーイチくんがそんな存在だ)。自分の過去の経験や志向を重ねるからこそ好きになるということもあるだろう。私が超特急が好きなのは超特急のパフォーマンスにかつてハマっていたスーパー戦隊シリーズや漫画やアニメを重ねているからで、2号車カイくんが好きなのはかつて大好きだったキャラクターを重ねているからだ。アクションはダンスに、必殺技は歌声やアクロバットや笑顔や個性に置き換わり、私を魅了する。超特急を見ている時間は当時大好きだったスーパー戦隊シリーズや漫画やアニメを見て純粋に楽しかった時と同じくらい楽しい。

もちろんそんなスーパー戦隊的な演出を、それこそ「イロモノ」だと嫌う方もいるかと思うが、「イロモノ」だからこそ、その「イロモノ」的な部分が自分の好きなものとたまたま重なった時の喜びが半端じゃない。『POLICEMEN』という曲の間奏部分における色付きの警棒はもはや大好きな『STAR WARS』のライトセイバーにしか見えない。

またスーパー戦隊的な演出だからこそ初期の(あえて)ヘンテコな歌詞も受け入れられるし、変に大人ぶらない歌詞とバックボーカルの歌唱力の高さはアニメの主題歌にとてもピッタリだと思う。『Believe×Believe』や『Star Gear』がアニメの主題歌なのはとても納得できるし、アニソンが大好きな自分にとってはそれはとても嬉しいことだ。『Star Gear』は歌詞も本当に素敵だと思う。

メンバー中5人が成人を迎え、超特急は大人の階段を登っている最中であるため、今後スーパー戦隊的な演出を薄めていき『Gravitation』のような楽曲も増えていくことが予想される。そんな変化も楽しみつつ、超特急らしさをどのように追及していくのかをこれからも見守っていきたいと思っている。


今回自分自身が超特急にハマっている理由を考察する作業は非常に興味深かったし、自己分析をすることで少しは冷静な視点を持てたのではないかと思っている。

ただし、しばらくはTwitter等で相変わらず超特急超特急うるさいと思うので、そこは何卒お許しいただきたい。

それではまた。


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