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喫茶アトリエ【case5:高尾友季・岩田大煕】

今日も喫茶アトリエに足を踏み入れたお客様がいます。
どうやら隣の席のお客様とも知り合いのようで・・・

高尾友季:大学4年生。『ぬん』と呼ばれている。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、脚本・演出・作曲を務める。
岩田大煕:大学3年生。劇団コギト一橋祭公演『7×7のモラトリアム』では、制作を務める。
隣のテーブルのお客様:高尾友季・岩田大煕の知り合いということしかわからない。名前や人数は読み進めていくと明かされるかもしれない。


高尾友季
岩田大煕

高尾:「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。」

岩田:「なんですか。それ」

高尾:「なんですかね」

岩田:「なんですかね」

高尾:「恋と革命のために生まれてきたのか」

岩田:「革命。なんか」

高尾:「なんですか?」

岩田:「全然。年功序列を大事にする人間なんで」

高尾:「もういいでしょそれは。もう今更いいでしょ。革命エピソードは?」

岩田:「革命エピソード。あっでも何かを変えていくタイプかと言われるとそのタイプでもないのかなとも思います。自分は。」

高尾:「私も別に。ずっと地続きで生きてきたから」

岩田:「でもそれは、見たら線ですよ。」

高尾:「まあまあそうね」

岩田:「ぬんさん。高校の選び方とか。そういうところがあるのかなと思いました。最初に。」

高尾:「革命要素?」

岩田:「革命要素っていうと・・・。でも、大袈裟ですけど、今見ると、分かれ道の分かれ方はそんな広くないかもしれないけど、当時の自分でいったら大分大きな決断だったりしません?高校選びとか」

高尾:「いや。高校。なんか逆張り精神すぎて。」

岩田:「それ、革命家の精神じゃないですか。」

高尾:「確かに。『勉強できるね』とか言われてたら、言われない方向に行ったろみたいな感じでテスト40点とか取ったりしてて。」

岩田:「40点をとってみてたんですか。その」

高尾:「勉強しないと40点くらいだったんだよね。毎回勉強してたから40点じゃなかったけど、1回全部勉強しないでやったろって思って。」

岩田:「それなんで『勉強できる』って言われるのが嫌だったんですか?」

高尾:「厨二病じゃない?」

岩田:「厨二病??当時のぬんさんが可哀想すぎますよ。その一言で片付けられたら。そんな厨二病。あんまみたことない症状だなと思って」

高尾:「逆張り精神?なんでだろうね。そういうのない?」

岩田:「いや、わかるんですけど、なんか。逆張りっていう意味では、逆張りの1種であることはわかるんですけど。成績を捨てることはできない人間というか。別にいいわけではないんですけど成績が。なんていうんだろうな。最後のラインを守れちゃうんですよ」

高尾:「それは。なんだかんだ守ってたかな。わかんないけど」

岩田:「そうなんですか」

高尾:「進学はしてるし、中退はしてないし見たいな。」

岩田:「当時のぬんさんを知らないからあんまり大きなことは言えないんですけど。中学生で勉強を切るって大分勇気がいりません?」

高尾:「そうなのか。わかんない」

岩田:「ぬんさんがわかんないなら終わりです。僕は知らないんで。でもなんか、結構進路も、人知れずに努力はされているのかも知れないんですけど、ふわふわしたまま進んだりとかもしてたじゃないですか」

高尾:「うん」

岩田:「その辺も革命家ではないんですか?」

高尾:「人より進路とか勉強とかに興味ないのかも。興味ないから別に大きな決断とかでもなく。勉強は中学の時はちょっとできてたんだけど、勉強よりできないことが多かったから。コミュ力とか。勉強は一人ででもできるけど、コミュ力とかの方が学ばなきゃいけないなと思ってそっち方面の高校に行ったってだけで。」

岩田:「そういう感じ」

高尾:「視野が狭すぎて、視野を広げられる学校を選んだ方がいいだろうなっていうだけだから。あんまり大きい決断ではなかったかも。当時的に。」

岩田:「中学の頃ってできるのに縋っちゃったりしなかったのかなって。僕だったらできる方にすがっちゃって。」

高尾:「あまりにもできなかったから。世間知らずすぎて。」

岩田:「中学生って結構世間知らずじゃないですか」

高尾:「そうなのかね」

岩田:「中学生に炎上しちゃうかな」

高尾:「中学生に炎上しちゃう」

岩田:「中学生リスナーに。HIKAKINキッズとかに。ここまでくれば大丈夫ですかね」

高尾:「ここは喫茶店なんだぞ」

岩田:「中学生リスナーはいないからいいとしても」

隣のお客様:「ラジオマインド笑」

突然”リスナー”とかいうせいで、隣のお客様も突っ込んでしまったようです。

高尾:「ラジオマインドが高い。強すぎる笑。恋路線に行ってみる?」

岩田:「恋路線に行ってみます?」

高尾:「恋。別にしない人もいいと思うけど。絶対芸の肥やしだよね。演劇やっている人としては。恋は絶対した方がいいから。ために生きているわけじゃないけど、人生の必要な要素ではあるかなとは思うね」

岩田:「演劇始められたの大学?」

高尾:「大学2年から」

岩田:「その前はどういう考え方だったんですか」

高尾:「でも、創作系は生涯通してずっとしているから。」

岩田:「そっか」

高尾:「百人一首とかもずっと好きだし。短歌を高校からやってるけど、7割百人一首、恋じゃん」

岩田:「恋の歌多いですよね」

高尾:「そうそう」

岩田:「僕、しのぶれど、好きです」

高尾:「へー!初めて聞いたんだけど。1番?」

岩田:「1番。」

高尾:「なんか、イメージ変わったかも」

岩田:「ほんとですか!でも僕、若宮詩暢ちゃんが好きなだけです。」

高尾:「ちはやふるの」

岩田:「確かに恋の歌ですね。百人一首は」

高尾:「ねっ。なんかした方がいいのかなって」

岩田:「百人一首で?」

高尾:「何事も経験」

岩田:「何事も経験マインドでした?最初から」

高尾:「最初から!もうそれこそ、進路とかも」

岩田:「そうなると純粋な恋はしてるんですか」

高尾:「純粋な恋も経験じゃない?」

岩田:「純粋な恋も経験って思っている人、純粋な恋できます?わかんないけど」

高尾:「間違いないわ」

岩田:「否定したいわけではなく。なんだろう。考えて恋をしていたんですか」

高尾:「そんなことは流石にないけど、ラッキー。恋できたらラッキーとは思うかも。」

岩田:「恋できたらラッキーか」

高尾:「芸の肥やし」

岩田:「そっか。初恋はいつでした?」

高尾:「中学生。いつですか」

岩田:「小5とかですかね。わかんない。僕、中高男子校なんで」

高尾:「確かに。へー。どういう?」

岩田:「どういう?」

高尾:「同じクラスとか」

岩田:「同じクラスとか・・・・。ちょっと恥ずかしいですね。やば。」

高尾:「自分で振っておいて」

岩田:「だって、他ないでしょ。もう。」

高尾:「恋エピソード」

岩田:「なんか。その。大学入ってからのを聞いちゃうと生々しすぎません?」

高尾:「流石にね」

岩田:「流石に。お互いに。聞いてられないですよね」

高尾:「喫茶店でする話じゃないよね。居酒屋でする話。」

岩田:「確かに。酒とかが入ってないと。」

高尾:「あっ。でも、1回芸の肥やし。恋エピソードじゃないけど。芸の肥やしと思ってマッチングアプリを入れて。マッチングアプリをしたことなかったから。そういうこと。したことないより、したことあったほうが絶対できる役も増えるし、書けるものも増えると思って。」

岩田:「ああ。マッチングアプリか」

高尾:「入れて。2週間くらいで飽きちゃった」

岩田:「どういうところに飽きたんですか?思ってたのと違った?」

高尾:「傷つけたくはなかったの人を」

岩田:「相手を」

高尾:「そう。だから、本気にならない人。本気で探している人は流石に申し訳ないから。芸の肥やしとかいってたら申し訳ないから。本気じゃなさそうな人を選んで。マッチングして、適当に会ったり。1回だけ会ったりしたんだけど。本気じゃない人と本気じゃない人だと何もない。」

岩田:「確かに」

高尾:「どっちも接待して終わるみたいな」

岩田:「確かにそうかも知れない」

高尾:「何も起こらなくて。何も起こらないなと思ってやめた。」

岩田:「具体的な何かを期待して始めたとかではなくて、マッチングアプリをやってみるって、マッチングアプリをやることが最初目的というか。そんな感じだったんですか?」

高尾:「面白いかなって」

岩田:「何か変わりました?」

高尾:「何も変わりなくやめてしまった」

岩田:「なんかよくあるじゃないですか。マッチングアプリの痛い人の会話まとめみたいな。YouTubeとかで」

高尾:「なんか、そこまで会話せずに終わっちゃったかも。めんどくさくて。」

岩田:「どういうこと話すんですか?会話してないのか」

高尾:「会う約束の会話とか。“カフェ巡り好きなんです”で“私も好きです”“イエー”みたいな」

岩田:「そんなに低いイエー、初めて見ました。びっくり」

高尾:「カフェ巡り好きなことある?カフェ巡り好きっていってるマッチングアプリの人の8割くらい別に好きじゃないでしょ。」

岩田:「誘いやすいからってことですか?」

高尾:「そうそうそう」

岩田:「なんの頷きなの?それは。あっ喫茶店ですね。違うテーブルのお客さんに話しかけちゃった。間違えちゃった。ごめんなさい」

隣の方も頷いてくれているようです

岩田:「2割はいそうでした?」

高尾:「私は会わなかった。2割には会えなかった。」

岩田:「そっか。どうなんですかね。ちょっとずれますけど、“趣味は?”って聞かれたら“カフェ巡り”って答えます?」

高尾:「えー。マッチングアプリでってこと?」

岩田:「答え変わりますか?」

高尾:「変わるわ。趣味普通に多いから、人によってとか、状況によって変えるかも。」

岩田:「どれが1番趣味ですか?」

高尾:「演劇かな」

岩田:「演劇」

高尾:「演劇じゃない。趣味ってなんかさ、沢山ない?どの範囲?」

岩田:「どこまでが趣味か?」

高尾:「そうそうそう」

岩田:「確かに。僕は別に演劇楽しいなって思ってやれてますけど、趣味って聞かれて演劇ってあんまりなくて。自分の答えの選択肢の中に。」

高尾:「うん」

岩田:「だから、ちょっと違うのかなって。やっている歴の長さとかもあるのかも知れないんですけど。」

高尾:「でもゆうて、1年くらい。でも、趣味聞かれて演劇とは言わないかも。趣味聞かれたらなんていう?」

岩田:「趣味聞かれたら僕“ラジオ”でずっと逃げ続けてるんです」

高尾:「でもそれめっちゃ良くない?」

岩田:「ラジオ、ちょうどいいんですよ。聞かれないんです。特にその後。その後聞かれてもめんどくさいじゃないですか、趣味ってなんか。好きの熱量が違うから言っても伝わらないし。」

高尾:「うんうんうん」

岩田:「趣味ラジオって答えられて、その後の質問の選択肢ないですもんね」

高尾:「どういうのを聞くの?とか。あっでも知らないな。聴いてみるね。で終わっちゃう。」

岩田:「そうなんですよ。すぐに終わるので。ラジオって言ってるんです」

高尾:「終わらせたくて言ってるのか」

岩田:「趣味の話って難しいですよね。選択肢としては、どういうのがあるんですか」

高尾:「なんか、音楽系とかさ」

岩田:「GReeeeN好きですもんね。あっでも邦楽系は大体いけるのか。」

高尾:「幅は広い気がするけど。その辺とか。でも、趣味を外部の人に聞かれたら適当にサークルとか習い事とか答えるかも」

岩田:「確かに。外部の人。」

高尾:「外部の人。わかんないけど。趣味聞かれる機会があんまないかもな」

岩田:「確かに。よく、陽美とか言いますけど、最初の会話のカードの手札。そういうのに趣味って入ってませんか?」

高尾:「好きそうだったら、自分の趣味から入るかも」

岩田:「どこで見分けるんですか?雰囲気?」

高尾:「最初、初対面だとむずいけど、集団でカラオケ行ったことあって、あれ歌ってたとかあればいけるし」

岩田:「そうかそうか」

高尾:「あれ好きなん?みたいな。なんか、グッズとか持ってたらいえるし。」

岩田:「そっか。ライブグッズとかもありますもんね。ライブ行きます?」

高尾:「行くけど、キンキとGReeeeNしか行ったことない」

岩田:「そうだ。KinKi Kidsのでっかいバック持ってましたね」

高尾:「そうそうそう」

岩田:「音楽と。なんですか?手札で言ったら。」

高尾:「短歌やる人に短歌っていうと結構ウケるかも」

岩田:「あー!ウケますよね」

高尾:「ウケるよね。」

岩田:「短歌あったな。懐かしいな」

高尾:「やったね。やったっていうか、まだ続いているけどね」

岩田:「お題を出す人がいないだけで」

高尾:「いないだけでね」

岩田:「歌・短歌。音楽・短歌。」

高尾:「カルタ・演劇系・創作系などなど」

岩田:「カフェ巡り」

高尾:「確かに。喫茶店を巡る。本当に」

岩田:「喫茶店巡り。チェーンもいくんでしたっけ?」

高尾:「チェーンは全然普通にいくわ」

岩田:「それこそマッチングアプリで会った人とはどういうカフェに行くんですか?チェーンに行くんですか」

高尾:「大体普通に。大体っていうか1回しか会ってないけど。普通に連れて行ってもらって。渋谷のなんか多分チェーンじゃないカフェ行った」

岩田:「そうなんですか」

高尾:「うん」

岩田:「それはなんか、カフェとして楽しかったですか。それともその人といったから別に楽しめなかったですか」

高尾:「モノは美味しかった。」

岩田:「楽しい思い出では別にない」

高尾:「何にもなかった。何の感情の揺れ動きもなかった。」

岩田:「どういうことを話すんですか。マッチングアプリで会った人と」

高尾:「全く知らん人だし、年齢も違うから、どういうことしててとか。本当に興味なかった。向こうも絶対興味ない。浅い話しかしないの。初対面だし、知らん人だから」

岩田:「浅い話持ちます?」

高尾:「半日くらいは持ったけど」

岩田:「半日一緒にいたんですか?初対面で。」

高尾:「半日もいないか。3時間くらい」

岩田:「でもすごいですね。3時間。緊張しません?」

高尾:「いや。もうだから。緊張はしないけど、バイトとやっていること同じだなって思って冷めちゃった。お金もらえないバイト。」

岩田:「めっちゃ冷めるな」

高尾:「向こうも多分そうだろうけど。接待みたいな。接待で3時間。本当に何にも得なかった」

岩田:「その日を境にやめたんですか」

高尾:「そう」

岩田:「そうなんだ」

高尾:「うん」

岩田:「2週間目に会ったんですか?」

高尾:「そんくらいかな」

岩田:「その2週間の間結構やり取りしてました?色んな人と」

高尾:「まあ。10人くらいと喋った。」

岩田:「1人もいいなって思う人いませんでした?」

高尾:「いいなって思わなくない別に?」

岩田:「どうなんだろうって思って。男性視点しか知らないから。」

高尾:「変わんないんじゃない。だって顔も知らん人とさ、DMだけでやり取りって何も生まれなくない?判断しようがない。」

岩田:「最近、なんかSNSで会ったこともないけど恋人みたいな。たまに聞くじゃないですか。」

高尾:「確かに。でも、オフ会の方が楽しかったかも」

岩田:「オフ会?」

高尾:「Twitterで知り合った人と。1回。女の子だけど会ったのよ。その方がまだ楽しかった。」

岩田:「何が違うんですかね。それ。」

高尾:「Twitterは1人でやってたまたま仲良くなった人だったし、仲良くなる目的ではなかったから。最初から。」

岩田:「深い話できてたらいいなって。じゃあ、どういう人を好きになるんですか?」

高尾:「えー!めっちゃむずくない?それ」

岩田:「難しい」

高尾:「わかんない。自分でもわかんない。どういう人好きになる?自分の好みって聞かれて答えられる?」

岩田:「答えられないです」

高尾:「そうだよね」

岩田:「でも先輩だから知ってるのかなと思って。」

高尾:「人生の?」

岩田:「人生の先輩だから」

高尾:「わからん。一生わからん。自分の好み。」

岩田:「でも聞かれる機会多いじゃないですか。自分の好みってわからないのに。どう返してます?」

高尾:「それめっちゃ悩む。なんか、“好きな人がタイプ”とかいうと冷めるじゃん」

岩田:「冷めますね。めちゃくちゃ冷める。”聞いといて冷めてんじゃねーよ”って思います。」

高尾:「本当に!!そう!!何を期待してんじゃ君は」

岩田:「“好きな人がタイプ”って言ってます?」

高尾:「わかんない」

岩田:「“わかんない”って言ってます?」

高尾:「なんて言っているんだろう。芸能人のタイプとかなら別にいえる気がする。」

岩田:「おお!誰なんですか?」

高尾:「誰??本当にめっちゃかっこいいと思うのは、若い時の藤井フミヤ。」

岩田:「若い時の藤井フミヤ」

高尾:「若い時の藤井フミヤ」

岩田:「今で言うと誰に似ているとかあります?」

高尾:「わかんない。普通にジャニーズは好きだけど。」

岩田:「そっか。KinKi Kidsとか。どういうところで好きになるとかもあります?」

高尾:「声。歌声は結構ポイント高いかも。あと動きとか振る舞い」

岩田:「それは芸能人だったら。普段だったら?」

高尾:「普段だったらめっちゃむずくない?」

岩田:「なんか、瞬間で恋に落ちるタイプですか?それともゆっくり時間をかかって、“この人好きなんだな”って気付くというか。」

高尾:「えっ。どっちかって言うと後者」

岩田:「そうなんですか」

高尾:「瞬間で恋に落ちることある?」

岩田:「わかんないですけど。一目惚れとか言うじゃないですか。そう言う人は瞬間?」

高尾:「一目惚れ。したことないかも。ある?」

岩田:「ないです。別に。気付く瞬間はどういう時なんですか」

高尾:「どういう時なんだろうね。“気付いた”ってわかる?“好きなんだ”みたいな瞬間ってある??」

岩田:「あるかもしれない」

高尾:「あるんだ」

岩田:「じゃあ、人と会っていない時に思うんですか?」

高尾:「わかんない。でも、めっちゃちょろいけど、“好きでしょ?”って言われると、“好きかも”って思っちゃうかも」

岩田:「知らない人から?」

高尾:「仲良い人とか。“絶対あの人好きでしょ”って“好きかも”って。」

岩田:「あんまり聞いたことないな。」

高尾:「でも、好きだから、そこで気付くのかなって思ってる。」

岩田:「言われて?結構出る方ですか?」

高尾:「出るってめっちゃ言われることもあるけど、全然わかんないって言われることもあるから、何とも言えない」

岩田:「何も言っていないのと一緒だな。難しいな。」

高尾:「岩田くんの恋愛、想像つかなすぎる。出る?」

岩田:「・・・・・・。何ですか?」

高尾:「どんくらい出るの?態度に」

岩田:「出るのかな。あんま我慢できちゃう方だと思うんですよ。」

高尾:「我慢?」

岩田:「聞き取れない声量で喋ります」

高尾:「どういうこと?」

岩田:「ずるいですね、聞いてばっかで自分だけ何も言わないのは」

高尾:「ははは」

岩田:「自分ではあんまわからないと思います」

高尾:「ふーん。えー。答え合わせができない」

岩田:「確かに答え合わせむずいですね」

高尾:「答え合わせしたい。でも、恋愛の役とかさ、今後やるかも知れないじゃん」

岩田:「はい」

高尾:「そうするとどうなるんだろう。過去の岩田くんのさ、感情のどうのこうのが役に反映されたりするのかな」

岩田:「どうなんですかね。そういうもんなんですか。1回しかやったことないのでいまいち」

高尾:「人によるんじゃない。」

岩田:「自分の引き出しから引っ張ってくるもんなんですか。やっぱり。」

高尾:「いや、必ずしもそうではないと思うけど。そういう時もあるかも」

岩田:「出ます?ぬんさんはどっちが多いですか?」

高尾:「自分がよって行っちゃうタイプかも。役に。だからあんま。」

岩田:「よって行っちゃうのか。僕もあんまり。別に経験豊富なわけではないので。なんか、活かせるとかは思わないですね。役者に」

高尾:「そっか。そうなんだ。」

岩田:「難しいですよね。・・・・・・。僕、ディフェンス弱いですよ」

高尾:「うん?」

岩田:「だから、オフェンスに回られちゃうと何も話せなくなっちゃう。」

高尾:「なるほどね。弱点見つけたぞ。」

岩田:「他にもあるでしょ。僕の弱点なんかいくらでも。」

高尾:「アプローチの仕方。」

岩田:「どうですか、ぬんさんは?」

高尾:「なんで?笑 質問に質問で返さないの。恋は人生に必要だと思いますか?」

岩田:「多分、僕、1人で生きていけちゃう。あっでも、そんなこともないのかな。どう思います?1人で生きていけると思います?」

高尾:「1人では生きていけると思う。」

岩田:「1人で生きていけます。」

高尾:「終わっちゃったわ。話が。」

岩田:「なんか、恋をしなくても生きていけそうですか?」

高尾:「生きていけると思うけど、芸術をするんだったら、色々したほうがいいんじゃないかなとは思ってる。」

岩田:「そっか。恋。最近、コミュニケーションを取るのが難しいなって思ってて。恋も一種のコミュニケーションじゃないですか。その、自分の“こう見られたい”が強すぎるんですよ。話してて。なんか、あんまないですか?そういうことは?」

高尾:「こう見られたい?」

岩田:「こう見られたい」

高尾:「ないことはないと思うけど。どういうところで?」

岩田:「よく見られたいの方ももちろんあるんですけど。錆田さんに言われたのが、“岩田くんは考えすぎる岩田くんに乗っ取られていることがある”みたいな。」

高尾:「うんうんうん」

岩田:「そんな感じのことを言われて、これもそういうことだなって思って」

高尾:「確かに。めっちゃ考えてる人って思われたい」

岩田:「思われたいって思って話しちゃう時があるんですよ。でも、そうなるとコミュニケーションが上手く取れないんですよ。怒りやすくて」

高尾:「そうなのかな。そうか」

岩田:「なんか、本当の自分が。岩田己がいるじゃないですか。岩田己とぬんさん己が話し合わないといけないのに、岩田己が見られたい岩田のイデアがいるとするじゃないですか。岩田イデアが会話に入っちゃうから、本当に話したかったことがどうしても薄れちゃうんですよ」

高尾:「でも、イデア同士で戦うのもコミュニケーションじゃない?面白くない?」

岩田:「そうなんですよ。イデア同士で戦うのもコミュニケーションなのかなと思う時もあるんですけど、己で戦っている人ってたまにいるじゃないですか。本当に自分のままで生きちゃっている人。」

隣のお客様:「でもめっちゃわかるはイデア。」

岩田:「わかります?急に?」

隣のお客様が会話に入ってきました。

高尾:「でも、今同じセリフ言ったわって思った」

隣のお客様:「ねっ。すごい共感してた。みおイデアいる。」

ついに隣のお客様の名前が”みお”であることがわかりました。
ここからは”隣のお客様”ではなく、お名前で書いていこうと思います。

岩田:「でも、みおさんは己で戦っているタイプなのかと思っていました。僕は」

高尾:「ほお」

みお:「岩田くんの私に対する評価、おもろいよね。」

岩田:「みおさん、本当になんか己で戦っているから何も掴めないんだと思っていました。みおさんって僕、本当に何もわからないんですよ。」

高尾:「何もわからないんですよ」

岩田:「本当に僕、VIVANTの別班だと思ってます。」

みお:「私それ、わかんないんだけど」

岩田:「見てないか。見ました?」

高尾:「一部だけ見た。別班はわかる」

岩田:「みおさんを別班だと思っているんですよ。なんか、全部解釈がわかんない。解釈一致がないんですよ。」

高尾:「みお解釈と岩田くんの中のみおの解釈と実際のみおってこと?」

岩田:「そんなに僕はみおさんのことを知っているわけではないけれども、みおさんのAっていう側面があったとして、じゃあBもこうだろうなって思ったら、Bは全然違ったり」

高尾:「なるほどね!おもしろ!!」

岩田:「別班ですよ。みおさんは」

高尾:「結論」

岩田:「結論。国を守るために戦って、テロ組織を壊滅。靴下から銃を出して撃っているかもしれない。全然伝わってない。4人いて、3人VIVANT見てないことありますか?こんなに人がいて」

どうやら隣のテーブルにはみおさんの他にもう1人いるようですね。
そのうち会話に入ってきてくれるのでしょうか。
みおさん達は自分達の会話に戻ったようです。

高尾:「見てない。」

岩田:「靴下から銃を出して撃っているあの名シーンを知らない??」

高尾:「あっ!!見た!!!」

岩田:「見ました?」

高尾:「それか」

岩田:「見て思い出せないんですか?」

高尾:「ダイジェスト版みたいなのでそこだけ見た」

岩田:「VIVANTをダイジェスト版で見てるんですか?」

高尾:「2話くらい見て、それ以降見てなくて」

岩田:「VIVANT2話で止められます?僕も5話で止まっているんですけど」

高尾:「人のこと言えないじゃん」

岩田:「でも。3話分リードしてるんで」

高尾:「3話じゃん。その3話の間にあったの?そのシーンは」

岩田:「あれ?ネタバレしちゃった?」

高尾:「いや、それは見たことあった。スペシャル番組みたいなのをたまたま見ちゃって。そこでネタバラシ。”そこかっこいいよね”ってところだけ見ちゃった」

岩田:「じゃあ、もう見れないな。楽しい気持ちで。」

高尾:「惜しいことしたな。・・・・。イデアと己?(己で戦っている人のは)みお以外は」

岩田:「みおさん以外も別にいないわけじゃなくて。他にもいるんですよ。今なんかこの場にいるからみおさんが出ただけで。己で戦っている人が。でも、そう見えるだけなのか」

高尾:「でも、己で戦っている人の方が分かりそうじゃない?」

岩田:「分かりそう?」

高尾:「己で戦っているから、わかんないみたいなことを言っている?そういうこと?イデアで戦っている人より、己で戦っている人の方がその人のこと分かりそうじゃない?」

岩田:「そうなんですよ。分かりそう。でも、本来己は矛盾がいっぱいあるはずなんですよ。例えば、ボカロが好きな面とテキーラが好きな面を持っている人がいるはずなのに、その2つってイメージと違うじゃないですか。きっと。」

高尾:「うん」

岩田:「本来、そういう矛盾する面がいっぱいあるはずなのに。例えば僕が考えすぎっていうことはラジオ。どっちが因果関係かわからないですけど、通ずる部分はあるし、それで展開していっちゃう。自分を。嘘をついているわけではないけど、そういう面だけを見せようとしすぎて、コミュニケーションに齟齬が生まれちゃう。本来別の自分もいますし。だから、わかんない人の方が実は己な気がしてて。」

高尾:「なるほどね。深い」

岩田:「深くはない。なんか、でも、己で戦いたいんですよ。本当は。」

高尾:「そうか。むずいね。むずくない?それ?」

岩田:「ぬんさん、イデアで戦っていますか?」

高尾:「イデアの時もある気がする」

岩田:「イデアの時もあります?」

高尾:「でもなんかガバガバすぎてすぐ崩れちゃう」

岩田:「崩れる瞬間めっちゃ怖くないですか?僕、崩れる瞬間がめっちゃ怖いんですよ。だから、錆田さんがめっちゃ怖いんですよ。あの言葉が。」

高尾:「あああ」

岩田:「人間失格?バカにしていた友達に“今のわざとでしょ”みたいに言われて、そっからバカにしていくみたいなシーンがあるんですけど、それが僕にとっての錆田さんのあれは。」

高尾:「なるほどね」

岩田:「別に錆田さんをバカにしてたわけとかではなくて、」

高尾:「伝わる伝わる。見抜かれる瞬間というか。掘り起こされそうになる瞬間っていうか。」

岩田:「難しいなって」

高尾:「面白いって思うかも。掘り起こされたい。」

岩田:「掘り起こされたい」

高尾:「って思うかもな。」

岩田:「掘り起こされたいって思いますか?」

高尾:「自己評価とか自己分析・他己分析も好きだけど。そういう系がめっちゃ好きなんだよね。」

岩田:「めっちゃ分かります、それ」

高尾:「だから、自己分析をめっちゃするから、他人に他己分析として私の分析された結果はめっちゃ聞きたい。」

岩田:「わかります。それ。」

高尾:「そうなんだ」

岩田:「わかります。めっちゃわかりますね。僕、人に認められたいんですよ。本当に」

高尾:「なるほど」

岩田:「僕のわかるはそういう評価が欲しい。足りたいところがあったらもっと頑張ろうみたいな」

高尾:「なるほどね」

岩田:「分析ってよりは。なんか、理想。己を知られたくないとかそういうわけではないし。知って欲しいと思っているわけでもないし。なんか。憧れる人とかいません?」

高尾:「いるいるいる。それはわかる」

岩田:「その人に自分をトレースして、それになりたくなっちゃうことがあって。」

高尾:「ちょっとわかるかも。わからなくない。」

岩田:「オードリーの若林さんがずっと好きなんですけど」

高尾:「なんかわかるわ。雰囲気似てるよね」

岩田:「それは多分、若林さんぽく見られたくて、考えすぎる自分のイデアを通って会話しちゃう時があるから。きっと」

高尾:「でも、それできた時の快感すごくない?今の上手くいってたは見たいな」

岩田:「上手くったの快感を。言葉とかってことですか?」

高尾:「いや、今日のコミュニケーション、若林で行けたわ見たいな」

岩田:「それは若林ありきじゃないですか」

高尾:「そうだけど」

岩田:「若林さんになりたいんですけど、なりたくないんですよ。」

高尾:「なるほどね」

岩田:「若林さんはすごい憧れというか好き何ですけど。自然と通っちゃう部分。意識して若林さんをやっているわけではないから、できたことに対して達成感とかそんな思わない気がします」

高尾:「なるほどね。そうなんだ」

岩田:「憧れの人と自分って分けられますか?」

高尾:「自分と全然違う人に憧れるかな」

岩田:「そっか。わかんなかった。めっちゃわかるって言いそうになった」

高尾:「わかんないんかい。真似しようと思ってもできないな。1回エチュードで憧れてたから、その人のキャラでいこうってやってみたけど、全然できなくて。絶対無理だって。無理だろうなって思ってたけど、そこでも実感したし。なろうってならないかもな。なれないから。」

岩田:「憧れの人って身の回りにでがちですか?それとも芸能界とかちょっと遠いというか自分と接点のないところに出るか。」

高尾:「芸能界もあるけど。タイプが違う人かも」

岩田:「どっちも」

高尾:「うん、身の回りで憧れるって思ったの2人くらいいるけど、同じ部活かとバイトとかで。その2人はちょっと似てるけど、芸能人で憧れている人は全然違う」

岩田:「そういう人たちがよくやっている行動が自分に入って来ちゃったりしないですか」

高尾:「芸能人はあるは」

岩田:「芸能人はありますか?」

高尾:「友達の方は本当にそういうの全然ないんだけど、芸能人はあるかも」

岩田:「どういう形で入ってきますか?」

高尾:「なんかまず、口調とかがすぐ似てきちゃうから」

岩田:「そうなるとごちゃつきません?己とイデアで。」

高尾:「むず!確かに」

岩田:「それは似せようと思って似せにいっていますか?」

高尾:「いや、まあ、でも、演劇やっている人だから、演劇やる時は似せようとしたりもするっていう感じ。演出として似せようとしたりもするけど。えっコミュニケーション。似せようとは思ってないけど。」

岩田:「似ちゃう時あります?似ちゃう時もないですか?」

高尾:「あるのかな?口調は似てるのかもって思った」

岩田:「普段の」

高尾:「似せてる。似せてはないけど、似ちゃってる。」

岩田:「なんかそういう時ってなんかがちゃつきませんか?別にがちゃつかないならがちゃつかないで全然いいんですけど」

高尾:「どうなんだろうね。でもそこにモヤモヤしたりはしないかも。」

岩田:「そうなんですか」

高尾:「うん。嬉しいよりかも。似てる。ちょっと似たのが嬉しいかも」

岩田:「そうなんだ。なんか難しいな」

高尾:「難しいな」

岩田:「なんか。あれ、僕1人でも生きていけるって言いましたっけ?生きていけないっていったんでしたっけ」

高尾:「いけるっていってた」

岩田:「いけるって言ったんでしたっけ。」

高尾:「うん」

岩田:「あれ、いけるって」

高尾:「言ってた言ってた」

隣のテーブルのお客様:「素直に答えておけばよかったじゃん」

ついにみおさんでない隣のテーブルのお客様も会話に入ってきてくれました。
まだお名前はわかりません。

岩田:「自分でもわかんなくなっちゃてる時期なんだ」

高尾:「そういう時期」

隣の席の方:「分かれ目ってこと?」

高尾:「今、この瞬間」

岩田:「今分かれ目なの」

高尾:「革命起きてるじゃん」

みお:「生きていけるって言ってたよね」

高尾:「言ってた」

隣の席のお客様:「自分の選びたい方を選ぶべきだと思う」

岩田:「選びたいじゃなくて、選びたいだとイデアが乗っかっちゃうから。自分が本当にどう思っているかじゃない?」

高尾:「いや、別にイデアとかそういうのも含めて自分と思えばいいじゃん」

岩田:「そうなんですよ。イデアも含めて自分。・・・・・。ちょっとメモを見てもいいですか?携帯にメモをしてるんです。」

高尾:「どういう時のためのメモなの?」

岩田:「本当に。ちょっと話ズレちゃいますけど。コミュニケーションの1個の答えは相手のラインを越えなければ何をしてもいいというか。なので、自分がどこまで自分でいたらいいのかは答えが出てなかったです。だから、イデアも自分っていうのはわかるんですけど。でも、それは純粋な自分じゃなくないですか?イデアは“こう見られたい”が入っちゃっているから。“こう見られたい”がない自分で勝負するべき」

高尾:「“こう見られたい”がない自分はあるのか」

岩田:「“こう見られたい”じゃない自分。なんだろ。例えば、目の前で何か起きたとして。例えば、消しゴムが落ちたとするじゃないですか。“優しく見られたい”と思っていたら拾おうとするし、“めんどくさいな”と思う自分もいるわけで。その“拾いたい”が優しい純度100だったら、それは拾って渡せばいいんですけど、“優しく思われたい”が1%でも入っていたら、それは拾わないべき。それが本当の己だからだって。」

高尾:「そうか??え」

岩田:「違いますか?」

高尾:「同じ願望。願望?欲求?優しく見られたい欲求とさ、めんどくさいことしたくない欲求。その欲求が全部同じ価値と思えば」

岩田:「欲求という観点では同じなんですけど」

高尾:「うん」

岩田:「見られたくない。見られる純粋な己と見たときに、純粋な己は欲求を持っているわけじゃないですか。純粋な己の欲求は拾いたくないじゃないですか。優しくしたいって気持ちは別にないわけじゃないかもしれないけど、そこに1%でもそう見られたいが入ってたら、それは不純じゃないですか。拾う行為」

高尾:「え。なんか、優しく見られたいと思ってやった後の快感を得たいみたいな」

岩田:「なるほど!確かに!」

高尾:「えー。難しい」

岩田:「優しいのは確かに。でもそれがずるいなって思うんですよ。“こう見られたい”で“こう見られました”で快感を得るのって他者へのリスペクトを欠いてません?自分がどう受け取られるかの余白を相手に与えてないんですよ。」

高尾:「ほー」

岩田:「“こう見てください”で“こう見られる”ってコミュニケーションですごい傲慢じゃないですか。エゴが強すぎるというか」

高尾:「なるほど。難しい。でもさ、どっちがほんとってわかんなくない?わかる?話ずれるかもしれないけど」

岩田:「全然」

高尾:「中学くらいまで全然コミュニケーションに全振りしてたから。生理的欲求がなかったのよ。外にいる時に。なんか、お腹空いたとかそういうのがなくて。コミュニケーションに全振りだから」

岩田:「そんなことあります?」

高尾:「なかったっていうか。思ったことなかった。給食とかも適切な時間に、コミュニケーションに置いて適切な量を適切なタイミングで食べる時間みたいな」

岩田:「ああ!それちょっとわかるかもしれないです」

高尾:「生理的欲求みたいなのがマジで皆無で」

岩田:「そこはよくわかんないかも。生理的欲求。お腹は減らないんですか?」

高尾:「自覚がないみたいな。減っても自覚がないみたいな。喋るのに夢中になる私みたいな。ずっと学校の人といるのに夢中で。マジでなかったから。それよくないんじゃねと思って、あえて欲求を考えて、生理的欲求を出すようにしてたけど。むしろそれって出してる方がイデアなんじゃないか。でも、生理的欲求は存在するはずだし。どっちがイデアでどっちが自分の本当の人格かわかんなくない?」

岩田:「そのイデアを何とするかですよね。僕のイデアは“こう見られたい”をなくした自分。じゃあ、イデアが違うのかもしれません。だとしたら、“こう見られたい”をなくした方が純粋な気持ちだから、消しゴムも1%でも優しく見られたいと思ったらそれは不純だし。あるいはそれは見られたくない部分」

高尾:「なるほどね」

岩田:「例えば気軽いキャラ中2とか。そういう人が優しい気持ちを持っていても“拾いたいな”って思っても気軽いキャラだからあえて見ておこうっていう人がいたら、それは優しいの方が純粋な気持ちだから。」

高尾:「なるほど」

岩田:「拾わないのはずるいってことになります」

高尾:「でも、全員がイデアなしでいたらとんでもないことになる」

岩田:「そうなんですよ。とんでもないことになるのに、でも、己で戦っている人がいるから。だから、そういう人は本当にすごいなって思うんですよ。」

高尾:「それは本当にすごい」

岩田:「本当に“こう見られたい”がなくて、己で戦えるって。己に純粋な魅力が詰まってるってことじゃないですか。」

高尾:「なるほどね」

岩田:「嫌なところも見えるかもしれないけど、それを超すいいところがあるから、惹きつけられるわけで。でも自分はその己を持ってないから、その己を持っていることにすごい憧れてるんだと思います。きっと」

高尾:「難しいな。イデアを持っている人の方が憧れるのかも私。どっちかっていうと。“見られよう”と思ってその通りに見られる人ってすごいなって思う。」

岩田:「確かに」

高尾:「から。芸能人で憧れている人もマジでめっちゃ空気読んで喋ってんなっていうのがわかる人で。大泉洋だけど。大泉洋は面白いキャラだし、トーク上手いけど。素のトークが上手いってより、面白いトークを空気読んでやっている感がずっとあるじゃん。それができるのがすごいなって思って憧れているから、なんか違うのかも。己を出せる人もすごいけど、イデアを出せる人もすごいんじゃないかなっていう結論。」

岩田:「人と人は本当に分かり合えると思いますか?」

高尾:「本当に分かり合えるの定義によるんじゃないですか」

岩田:「確かに。そうだな。世界から戦争はなくなると思いますか」

高尾:「それは無理かもしれない」

岩田:「真の友情ってあると思いますか?」

高尾:「真の友情。あると思いますか?」

岩田:「それこそ僕は己同士で、己でいける人がいるんだったら己が己を真の友情だと今のところ思っているので、ぬんさんはその場にあった正解を出すことを理想としているんだったら、全体で考えてほしい。言っちゃえば真の友情はない派なのかなって」

高尾:「そういうことか。奇跡的に噛み合えば最高だとは思う。その場その場で空気呼んだ結果己己になるマンツーマンできれば。それは真の友情かもしれない。」

岩田:「じゃあ、どっちが先に来るのかみたいな感じですか」

高尾:「わかんない。最低限、親しき中にも礼儀ありみたいな。リスペクト的なのをやるとさ、どうしてもイデア生まれない?」

岩田:「ああ、生まれますか?」

高尾:「己を己でさ。己がめっちゃ優しければ上手くいくのかもしれないけど。遠慮がなくなるのはなんか。壊れるじゃん。それはそれで。」

岩田:「そうですね。それこそさっき言った相手のラインを越えなければ。それは自分が“こう見られたい”というよりは相手への最低限の配慮。相手を思う優しさだからいいのかなと思う。」

高尾:「確かに!そこの違いか」

岩田:「自分がどこにラインを引くかになっちゃうんですけど。相手のラインなんかわからないし。」

高尾:「なるほどね。それならいっぱいありそう。“どう見られたい”が0で。でも自分の気持ち全部出すっていうわけではない関係性。ならいっぱいある気がする。」

岩田:「結構己で戦っていますか?」

高尾:「どうなんだろう。それはわからない。どう思いますか?」

岩田「質問の打ち合い。誰が己で戦っていると思います?」

高尾:「誰が?」

岩田:「ぬんさんは誰が己で戦っていると思います?己で戦っている人」

高尾:「100己なんて人はいないんじゃない?」

岩田:「ああ、そうかもしれない」

高尾:「わかんない」

岩田:「己率高い人は?」

高尾:「己率高い人?」

岩田:「陽美が1番」

高尾:「1番?」

岩田:「1番ではないけど、陽美は結構“こう見られたい”がある気がする。」

高尾:「“こう見られたい”を結果出せず結果己みたいになりそう。」

岩田:「可愛いところですね。陽美の」

高尾:「陽美くんのことだけじゃなくて」

岩田:「ああ、ごめん。もうしゃべっていいでしょう。ここまで話題に出ちゃったら」

岩田くんが隣を見て話しています。
どうやら隣のテーブルのもう一人のお客様は陽美くんだったようです。

高尾:「己ぽい。みおか」

岩田:「僕は己はみおさんだと思っている。別班であり、己だと。」

高尾:「超かっこいいじゃん」

岩田:「別班と己は両立しないですよね。」

みお:「別班知らんし。魅力があると思ってくれてたんだ。」

岩田:「思ってます」

高尾:「いいですね。なんか、岩田くんがこういう自分の話してるの聞くまでは岩田くんは己だと思ってた。素で優しくてみたいな」

岩田:「消しゴムとか拾いに行く振りだけするときあります。」

高尾:「わかる」

岩田:「みんな拾いに行く振りして、お前拾わないんかいっていう」

高尾:「どうせ誰か拾うけど一応立つみたいな」

岩田:「全然あり得ますし。己で生きてる自分を通して喋っている時もある気がします。己で生きてる人を憧れにしているから、己で生きている人をイデアに通して、己で話している風に見られたいなって。」

高尾:「むず。コミュニケーションとは。己とは・・・・。わかんない。」

岩田:「ひかりちゃんは結構逆。」

高尾:「それはわかるかな」

岩田:「ひかりちゃんも己で生きている自分を通しているときがある」

高尾:「わかる。すごいわかる。」

岩田:「悪口とかではなく、本当に」

高尾:「器用だなって思う」

岩田:「器用ですよね」

高尾:「人によって態度変えられる人すごいなって思う」

岩田:「変わります?」

みお:「多少は変わると思うけど」

岩田:「ギャルとかすごいなって思うんですよ」

高尾:「ギャル?」

岩田:「ギャルはギャルでいけるから。そのきっと」

みお:「自分のジャンルつくれば?」

高尾:「岩田?若林ジャンルで通せばいいんじゃない?ジャンル若林。」

岩田:「若林さんじゃないんですよ。若林さんで行こうとすると、若林さんと見られようと思っちゃう」

高尾:「ギャル若林系みたいな」

岩田:「ギャル若林?」

高尾:「ギャルと同じ系の意味の言葉として若林系を作って、そこに岩田くんが属すれば。」

岩田:「ギャルは己でいられるものとしてのギャル。ギャルの中でも個性があるじゃないですか。草タイプのギャルと水タイプのギャルがいるわけで。」

高尾:「なるほど」

岩田:「でも、若林さん属性に属しちゃうと、若林さんの真似をしちゃう。」

高尾:「そうだよね。モデルがいるとそうなるのか」

岩田:「そうなんですよ。僕めっちゃ喋ってる」

高尾:「いいでしょいいでしょ。そのために来たんだから。コミュニケーション」

岩田:「恋ですもんね」

高尾:「最初は。恋と革命」

岩田:「恋!恋どうですか?」

高尾:「恋どうですか?笑」

岩田:「恋してます?最近」

高尾:「最近してないですけど。役でいっぱいしたわ。7月。」

岩田:「満たされるもんなんですか?役で恋をしたら。恋をしたい欲求は」

高尾:「恋をしたい欲求は満たされる気がする。本気で好きだったもん。だって、役を。役者ではなく、役を。」

岩田:「それすごいですよね。」

高尾:「ね」

岩田:「想像が」

高尾:「いや、どうなんだろう。所詮、役だけど」

岩田:「どういう時に恋したいなって思いますか?冬ですか?」

高尾:「でも、ちょっとわかる。イルミネーションの広告流れてきてさ、“イルミネーションあの人と行きたいな”とか思いたいしさ。何もないと普通に綺麗なイベントみたいな。スルーされてしまう」

岩田:「backnumberとか聞き出します?」

高尾:「恋したくて?backnumberいいよね。」

岩田:「いいですよね。羽尻さんは失恋してないのにbacknumberの失恋ソングを聴いて失恋した気分になっているらしい」

高尾:「ちょっとわかるかも」

岩田:「わかります?」

高尾:「なんか、楽しくなっちゃわない?涼しいなって時に失恋ソング聴いてさ。泣きそうになるみたいな」

岩田:「ボロボロになっている自分が好きなんですよ」

高尾:「どういうこと??」

岩田:「“全部だめだ”みたいな自分がちょっとだけ好きなんですよ。」

高尾:「なるほど」

岩田:「そういうことですか?」

高尾:「セルフネグレクト??」

岩田:「セルフネグレクトっていうんですか?それは」

高尾:「違うかも」

岩田:「失恋してないけど、失恋した心がキュッとなるあの感じが好きってことですか?」

高尾:「そうそうそうそう」

岩田:「そういうことなのか。スッキリしました」

高尾:「退屈じゃないみたいな。芸の肥やし」

岩田:「芸の肥やし。社会人になっても演劇されます?なんか、“芸の肥やし”って言葉を結構軸にしてるじゃないですか、ぬんさん。」

高尾:「それはそうね。演劇は続けます。」

岩田:「おお。すごいな。将来のこと考えます?」

高尾:「将来のこと?今が楽しければいい」

岩田:「今が楽しければいい」

高尾:「演劇は続けるんですか?」

岩田:「演劇ですか?」

高尾:「芸の肥やし」

岩田:「僕あんまり”芸の肥やし”って思って生きてない。あっでも、ゆきづりでラジオやってた時は話すことを作りたくて、行動的になれたんですよ。話すことないからいつもだったら、断ってたけどやってみようって。最近YESマンって映画をみて、そういうのもあるし、行動できる理由があるから、そういうのがある方が人生楽しそうだなって。」

高尾:「うんうんうん」

岩田:「演劇を続けるかはわからない」

高尾:「それはそう」

岩田:「オールナイトニッポンやりたいんですよ。将来。」

高尾:「いいじゃん」

岩田:「将来オールナイトニッポンやりたいんですけど。でも、何かしらになるしかないので。芸能界の道を行くしか。そこまで自分を信じられないので。その難しいなって思います。」

高尾:「難しいけど、めっちゃ見たいな」

岩田:「そりゃあ、コギトの人は優しいから言ってくれます。」

高尾:「面白いもんだって。」

岩田:「芸能界とか考えたことあります?」

高尾:「具体的に考えはしなけど、何にでもなれるとしたら芸能界がいい」

岩田:「ええ!俳優さんですか?」

高尾:「そうそう」

岩田:「それ、今別にチャレンジとかはしないんですか?」

高尾:「劇団とか舞台のオーディションなら受けようかな」

岩田:「そっか。じゃあ、劇団員として」

高尾:「劇団立ち上げようとしてるんだよね」

岩田:「言っていい?逆にラジオとかで言った方がいい?喫茶店でいったほうがいい?」

高尾:「喫茶店では意味わかんない笑 コギトのいいところだよね。戯言に付き合ってくれる人が複数いて。」

岩田:「忙しくなりますね」

高尾:「どうだろうね。そこはOBOGと緩めにやりたいなっていう」

岩田:「俳優の道。お仕事としてのではなくて」

高尾:「モチベになるよね。この劇団私が有名にしたろって気持ちで他のオーディション受けられるじゃん。」

岩田:「バランスとかって考えません?せっかく、素敵な気持ちを持っているのに水を差すみたいで申し訳ないんですけど。生きていく上での仕事と、劇団」

高尾:「1人だったら今のバイトでも十分生きていけると思っているし、そこはまあ、本当に何も気にせず、誰も養う人もいなくて、1人で生きていくとして、そのOBOGとやりたいっていうのは年1だから緩めだし。その辺そんなに影響しないだろうって思ってて。そんなに」

岩田:「所属しながら、こっちも。主催みたいなのもやるし」

高尾:「できたらいいよね」

岩田:「すごいな。そうなんですね。初めて言われました?元から言ってました?劇団作りたいって」

高尾:「なんか、錆田と電話している時に言ったのを本気ですって言ったら5人くらい集まってくれて。とりあえず演劇祭に出ようって」

岩田:「もう動いているんですか?」

高尾:「うん」

岩田:「おめでとうございます!」

高尾:「舞台監督兼演出見たいなことを今してるのにさ、岩田くんがそれを演劇祭でやっちゃったから何も褒められない。”岩田くんがやってたやつね”ってなる」

岩田:「みんな知ってる?僕が情報遅れてるだけ??」

高尾:「いや。言ってないかも」

岩田:「すごいですね。脚本」

高尾:「わかんない。演劇祭の脚本・演出は今募集中」

岩田:「そうなんだ。じゃあ、ぬんさんは役者と舞台監督?あれ??」

高尾:「いや、なんか、言い出しっぺだから、募集。日程調整とかは錆田と一緒にやってて。」

岩田:「演劇祭ってあの演劇祭ですか?」

高尾:「3月」

岩田:「えー!!すごい!!全然知らなかった。それは将来的にも続けていくの?」

高尾:「続けてくれる人がどれだけいるかわかんないから。劇団というよりユニットとかになるかもしれないし。」

岩田:「うんうん」

高尾:「少なくとも私は本気。錆田も多分」

岩田:「名前とか伺っても」

高尾:「それも今決めるために。参加可否アンケートを取ってる段階」

岩田:「本当に今動きだし。その5人はどうやって集まった5人なんですか??」

高尾:「最初私のTwitter。コギト内の」

岩田:「スカウトとかもされました?」

高尾:「スカウト?流石にOBOGが2人しかいないから」

岩田:「OBOGの方もいるんですか?」

みお:「変なメンバー」

高尾:「入ろうよ」

みお:「入りたい」

高尾:「全然やるなら」

岩田:「テニスクラブじゃないんですから」

みお:「私がやれることがあるなら」

岩田:「いっぱいありますよ」

みお:「面白そう外部。岩田くん、一緒にやろう」

高尾:「流石に吸収しちゃうから、OBOGになってから。コギトとは別物としてやってる」

岩田:「すごいですね」

高尾:「本当に少人数で。誰がどの程度本気かもわからないから。何とも言えないけど。今、本当にやっているのは演劇祭3月に出る意思がある人をアンケートで聞いているのと、脚本・演出募集と、そもそも劇団に入るか、参加を見送るかどうかっていうのを」

岩田:「すごいな。本当にすごいな。いつから始まっていたんですか?」

高尾:「マジで、一橋祭始まってからだな」

岩田:「マジで何にも知らなかったな」

高尾:「あんまり現役生。コギトとは全く別物としてやろうと思ってる。OBOG集団ではあるけど。」

岩田:「なんで3月の演劇祭にしたんですか?」

高尾:「10/15までだったから締め切り」

岩田:「いいな。いいですね。」

高尾:「OBになったら待ってますよ。主催をやりたくないに言い出しっぺだからやってるまである。」

岩田:「主催やりたくないんですか?」

高尾:「やりたくない?なんか、仕事できない」

岩田:「え??」

高尾:「舞監とかやったことない。何にもわかんないのにさ。言い出しっぺだからやるかって感じだから、今。」

岩田:「主催って響きかっこよくないですか?響きめっちゃかっこよくないですか?」

高尾:「わかる。団長とかね」

岩田:「喫茶店でます?」

高尾:「でますか?」

岩田:「ごめんなさい、長々と居座っちゃって。」

喫茶アトリエを出た2人

公演情報

********************
劇団コギト2023年度一橋祭公演
『7×7のモラトリアム』
脚本・演出 高尾友季
「喫茶店は、道の途中で立ち寄る所。そんな場所に彼らは住んでいた。」
********************

◆出演
伊藤朝輝 杉本周平
羽尻結衣 藤田ひかり 古浜奨真

◆日程
11/24(金) 11:00~ / 14:30~
11/25(土) 11:00~ / 14:30~
11/26(日) 10:30~ / 14:00~
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約80分を予定しております。

◆料金
無料(カンパ制)
*本公演は無料ですが、ご予約も受け付けております。お席はご予約の方を優先いたします。
下記 URL よりお手続きください。

◆会場
一橋大学⻄キャンパス学生会館 1F アトリエ
アクセス
JR中央線 国立駅南口より 徒歩15分
JR南武線 谷保駅北口より 徒歩25分
*会場がわかりにくくなっておりますので、お時間に余裕を持ってお越しください。

◆スタッフ
舞台監督   佐藤愛佳
舞台監督補佐 陽美雄月
演出助手   小田悠生 中村紘夢 らむ
舞台美術   佐藤あい 富田皐央 濱野あすか
       陽美雄月 山田彩絵 リーナ
制作     岩田大煕 齋藤よしみ 298
衣装     近江天音 菅野咲名 土屋陽菜 山葵
小道具    久保聡琉 長月小雨 らむ
宣伝美術   久保田広輝 錆田 ひらお
広報     川井直太郎 川口芽萌子 宮野浩真 山浦弥桜
照明     黒崎陽人 山本翔
音響     中嶋悠太 成田明由
音響補佐   千足海都
作曲     高尾友季
編曲     中嶋悠太
応援     天野友花梨

◆お問い合わせ
一橋大学 劇団コギト
連絡先
cogito.pr@gmail.com (制作 岩田)
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