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私が、訪問看護で行なっている『相談』の支援

こんにちは、コハルです。
ここ数回は『相談スキル』をテーマにして投稿してきました。
今回は、私が仕事で行なっている相談に関する支援を紹介したいと思います(^^)

私の体験を元にした第1回・第2回はこちらから↓


私の職場はこんなところ

精神科で作業療法士として勤務している私。
【当院の紹介】
病床数は約200床、急性期〜慢性期、認知症病棟あり。
関連施設:デイケア、訪問看護、グループホーム、就労訓練(B型)

私は病棟勤務を経て、訪問看護課の作業療法士として勤めています。
【訪問看護】
対象:当院に通院し外来治療を行っている患者さん
年齢層:20代〜90代
主な疾患:統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害)、発達障害

利用者のお宅へお邪魔して、体調管理や服薬管理のお手伝い、困りごとの解消を手助けするなど様々なアプローチを行なっています。
現場で介入が必要だったケースから『相談スキルの支援』について考えていきます。

相談することが難しい事例。こんなことが起こってしまう。

薬に関する相談が困難なケース

ある日、利用者Aさんの薬確認を行なっていた時のこと。
私:(あれ?昼の薬が余っている。飲んでいない?)
  「Aさん、飲み忘れの覚えってありますか?もしくは飲みづらい理由とか。」
Aさん:「実は飲んだ後に気分が悪くなるんです…」
    「眠気も強くて困るし…」
私:「そうだったんですね。ちなみに、最近診察がありましたけど、主治医の先生には相談しましたか?」
Aさん:「なんて言えばいいか分からないです。緊張して何も言えなくなります。」

・なんて言えばいいのか分からなくて
・診察では緊張して、頭が真っ白になるから言えない

主治医への相談が苦手な患者さんからよく聞かれる理由です。
時には「怒られそう」との理由で伝えることが難しい方もいますが(^^;;

薬が合わない事を知らせていない場合は、薬物治療が上手くいかなくなる可能性もあります。

仕事量の調整が難しい

就労訓練を開始したBさん。
私:「Bさん、なんだか疲れが溜まっているようにも見えるんですが…」
Bさん:「眠っても休んだ感じがしないんです。でも仕事を休むわけにはいかないし」
私:「それはツラいですね。就労先の職員さんは、このことを知っていますか?」
Bさん:「伝えていません。まだ開始したばかりだし、なんだか申し訳なくて。」

誰しも新しい環境では、慣れるまでに体力的にも精神的にも疲労が溜まってしまいます。

『まずは〇〇さんに合うペースを見つけましょう』
と声掛けをしますが、無理をしてしまう方も( ;  ; )
短期的に見れば出来ている事になるかもしれませんが、
長期的に見ると体調を崩すキッカケになってしまいます。

自身の体調を職場のスタッフに相談して、ちょうど良いペースを見つけていく。
体調管理の上では相談スキルが重要になっていきます。

相談を難しくしているのは何か?

下の図は私が考える相談への道のりを示しています。

相談が苦手な方はどこかに難しいポイントがあるはず!

一人一人問題点は違うので、どの段階が苦手なのかを探していく必要があります。
さらに、苦手な段階が発生する原因には疾患の症状や環境、性格、認知の傾向、相手との関係性も影響してきます。

様々な原因によって、結果として「相談できない」状況が生じる

例えば、薬の相談が難しかったAさんだと、以下のような事が考えられます。
【苦手な段階】
③考えや感情の整理
④相手に伝える(言語化)
【原因が症状にある場合】
統合失調症→思考障害(思考にまとまりがない。会話も辻褄が合わなくなる。思考が突然中断されてしまうことも。)

大切なのは利用者の話を傾聴しながら、
どこに難しさを感じているのか?
何が原因になっているのか?
を見極めることです。

私が行っている『相談スキル』への支援方法

利用者の原因や苦手なポイントを評価した上で、色々な手段を用いて相談へ繋げるためのサポートを行なっています。以下は私が行なっている支援方法です。

①相談先を整理する
いくつか悩みが存在する場合、どこに相談すればよいのか混乱する方もいます。
その場合は、各テーマごとに相談先を整理し、明確化していきます。
例:服薬→主治医、就労先での悩み→作業所の職員・計画相談員 など

②診察前に相談内容を整理する
「どう伝えればいいのか分からない」「言いづらい」
という方へ向けてメモを一緒に作成します。
メモの作成段階で、困り事について話し合い頭の中を整理することにも繋がります。

診察時に、メモを見ながら話すor主治医へ渡す
をすれば伝わりやすくなります。
「言いづらい」時は、渡す方がハードルが低くなる事も。

③伝え方や言い回しを一緒に考える
言葉足らずで相手に意図が伝わっていないケースもあります。
また、何て言えば分からない方も。
②であげたメモにも通じますが、言い方をそのままメモに記載して、使える状態にしておきます。

④家族や支援者へ情報共有
必要性が生じた場合には、職員側から情報を提供する事も。
(本人へも許可を得ます)
相手から聞いてもらった方がラクという方もいらっしゃいます。

目的は相談スキルが高まることで、利用者の困りごとが軽減・解消すること。
手段として、①〜④の方法を使いながらサポートしています。

今回は私が職場で行なっている「相談」の支援をまとめてみました。
面白かったのは、この記事を考えている期間に、引き寄せのように相談の支援をするケースが増えた事です。
私の頭の中をまとめる機会にもなり、記事にして良かったと思っています(^^)
最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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