見出し画像

稽古の場所から(3)「パンと日本酒」

私事ですが、もしそれが完全栄養となるのならパンとチーズとワインがあれば食事はずっとそれだけでいいと思っています。
もしくは肴1つと日本酒だけでもいいです(八代亜紀か河島英五みたいなものです。歳がバレます。)
そんな人間なのでパンと日本酒でもまぁまぁいけるのですが、やはりそれは非常手段な感じを否めません。
いや、それは特に作品とは関係のない話です。

今回はAhwoooの稽古場にお邪魔してきました。
と申しますか、今回私はこの作品で感染予防対策のお手伝いでもさせて頂いております。
はい、そんなこともやっています。
魔法は使えませんが、できる限りの感染予防とできる限りの自由な表現を応援したいと思っています。

新型コロナウイルス感染の流行は演劇にも大きな打撃を与えました。
Ahwoooも本来は客演の方々を迎えて作品を創る予定だったそうですが、このご時世ですので一旦そちらの企画は先送りにして、ユニットメンバーだけで作品を創る決断をしたそうです。
ですから役者は如月萌さんと牧野亜希子さんだけです。
必然的に二人芝居です。
一観客としてはAhwoooの骨格の部分をしっかり観ることのできるまたとない機会になるとポジティヴに思っています。
稽古場でも気心しれたメンバーが適度に距離を取りながらもギュッと締まった空気を醸し出しておりました。

今回の公演は東京と神戸のツアー公演になります。
元々彼女たちは3人とも神戸の出身で東京でそれぞれの活動基盤を持ちながら再び結集したユニットです。
神戸公演はKAVC FLAG COMPANYの参加作品にもなっていて、彼女たちにしてみれば凱旋公演ですし、プログラムとしては神戸代表ユニットとも言えるでしょう。
関西の言葉の中でも大阪や京都の言葉とはまたちょっと違う神戸の言葉の独特のイントネーションやテンポも聞き所となると思います。 
関東の方には全部同じに聞こえているかもしれませんが、全然違うんですよ。

そして今何をやるかということがとても大切な問題です。
社会的にこれだけ大きな問題が突きつけられている中で、個人個人にも決して小さくはないプライベートな問題は降りかかっているだろうと思っています。
そんな状況下において、作・演出の中野そてっつさんの手による物語は表面的に区分してしまえばSFファンタジーにも見えますが、ひとたびその仮想世界に巻き込まれてしまえばそれは社会派サスペンスにも見えてきます。
なのできっと人によって感想はバラバラになるだろうと思いますし、東京公演と神戸公演では違う感想の傾向が出るのではないかと想像しています。

もちろん見終えて他のご覧になった方と感想を交換するのも楽しいだろうとは思いますが、じっくり自分一人で反芻するのも色々なことが考えられて楽しい不思議な作品だと思います。
それにしても、「パンと日本酒」ってなんなんでしょうね?


公演詳細

【作·演出】
中野そてっつ(Ahwooo/ソテツトンネル)
【出演】
如月萌(【ハッカ】/Ahwooo)
牧野亜希子(Ahwooo) 

【東京公演】
スタジオ空洞
2020年10月22日(木)〜25日(日) 
22日(木)19:30
23日(金)15:00/19:30
24日(土)12:00/17:00
25日(日)11:00/16:00 
https://ticket.corich.jp/apply/108850/

【神戸公演】 
神戸アートビレッジセンター KAVCホール
2020年11月13日(金)〜15日(日) 
13日(金)19:30
14日(土)12:00/17:00
15日(日)11:00/16:00
https://ticket.corich.jp/apply/108849/

【スタッフ】
舞台監督(神戸):米野直樹(米野組)
音響(東京·神戸):前田マサヒロ
照明(神戸):阪上英里子
舞台美術:乘峯 香苗
保健衛生:小泉うめ
当日運営(神戸):若旦那家康(コトリ会議)
フライヤーデザイン:adinfinitum-design
舞台写真撮影:阿萬芽衣
ロゴデザイン:カセテツヤ
企画・制作:Ahwooo 
共催(神戸公演):神戸アートビレッジセンター
(指定管理者:公益財団法人 神戸市民文化振興財団)

【協力】
佐々木隼世
ソテツトンネル
【ハッカ】
米野組

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?