「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。月初だからか、いつもより満員電車がぎゅうぎゅうに詰まっている。リモートワークはどこに行ったのか。私の仕事は、その性質と私の立場上、出勤が必須である。しかし上司などはその気になればリモート対応は可能なので、そうする人もいる。
　ただ一般的な仕事のほとんどはリモート可能だと思うし、実際コロナ禍に実施されたはずだが、こんなにも電車に乗るものかと思う日もある。
　逆に考えると、みんな会社に行きたいんだと思う。人に会いたいんだろう。否定したところでそういう行動をしている。
　私は会社に行きたいというよりは、会社に行く前の朝食が楽しみなのだ。

　ウォーレン・バフェットに憧れて、朝マックを意識した時期があった。いまだに憧れている。
　ケチャップをお願いするのを忘れてしまったが、こういう日もある。そのままを楽しんでみようと思った。
　マフィンの、私をベッドから叩き起こすような塩っ気に驚くが、ソーセージとチーズの味が思ったよりもタンパクで、全体の調和を感じた。
　ハッシュポテトも、油っぽい感じはしたが、温かく甘いおいもの香りがたまらなかった。
　ケチャップをかけてしまうとわからない、私自身も忘れてしまっていた、本来の味に気が付かされる。

　……私は朝食が好きだ。バフェットのように「いくらか小銭を置いておいてくれ、朝マックするから」と彼女にいう日がくるだろうか。