「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。一日は長い。出だしからつまづいていては、乗り切る事も大変だし、楽しむ事も難しくなってくる。
　終わりよければ全て良し……とよく言われるが、最初がよくなかったから、終わりに折り合いをつけているような気持ちにもなる。
　昨日の昼頃より胃の調子が良くない感じが継続しているので、私の終わりと今日の始まりがよかったとは言いかねる。
　時間や、日常というのはシームレスでメリハリを付けにくい。だから私は朝を意識して、食事するのかもしれない。

　胃の調子が良くないと感じているが、アオサの味噌汁飲めばどうにかなるんじゃないかと思った。吉野家に入るしか選択肢はないと思った。
　いつものルーティンで、牛丼を用意する。その後少し待つ時間で味噌汁を少しすする。
　海の香りがするようだった。あまり綺麗ではない、私の生まれた町の海を少し思い出した。打ち上げられた海藻と海遊ゴミと、海の香り。もうすぐ40歳になる。人生あっという間という人もいるが、とても長くありがたく感じた。
　一気にお決まりの牛丼をかっこんで、お店をでた。

　……私は朝食が好きだ。生まれた町を思い出すなんて歳をとったなと思う。