「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。朝食を食べよう、という気持ちがそもそも良い気がする。
　一般的に朝はなかなか体が動かない。私もそうであるが、ここ最近はベッドの居心地が良い。暑くて、汗だくで目が覚める事はない。涼しい室温と暖かい布団の中で、いつまでも寝ていたくなってしまう。
　そんな甘い誘惑から、自らを断ち切って、強い意志でベッドから出るということだけでも決断力と体力を大きく使う。
　今立ち上がり、これから戦いに向かう者へのご褒美であり、準備であると、私は思う。

　土曜日は時間に余裕もあるし、私にとっての一週間の終わりなので奮発した。以前食べていて、また食べようと思った。その時は確か次はチーズを入れようと思っていた。
　いつもの人ではない若い男性が作ってくれたが、終わってから「あ！！やべ！！チーズinじゃん！！」という表情をして戻して挟み始めた。人にはそういう時もある。
　甘辛くエッジの効いた味だが、チーズを挟んで正解だった。お互いのいい所を出し合って、前回よりもマイルドに感じる。脂とタレに絡まったレタスもこの上なく美味い。レタスも一時期よりもみずみずしさは欠けるものの、パンやカルビとチーズを越えて、前線に上がってきてくれている。
　一人なのだから二つに分けなくてもよかった。今度は分けないでと言おうかとも思った。

　……私は朝食が好きだ。土曜日の朝は特に好きだ。休みだったら最高だと思う。