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Inclusive Design

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インクルーシブデザインを用いたソーシャルデザインチームCollableのメンバーが、Inclusive Design の視点から様々なことについて紹介します。 (Inclusiv… もっと読む
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記事一覧

図書館という空間を問い直す―練馬区立 石神井図書館 インクルーシブデザインワークショップレポート

こんにちは、Collableインターン生のゆりこです。インターン生もこれから色々な記事を投稿していくのでよろしくお願いします! 今回は、2023年12月4日(月)に練馬区立石神井図書館(東京都練馬区)で開催したワークショップの様子をお伝えします。私もスタッフとして参加し、リードユーザーの方々の声を直に聞いてたくさん気づきを得たので、文中で合わせてご紹介します。 1.テーマ「文字の読みづらさ・書きづらさを感じる人と考える未来の図書館とは?」今回のワークショップが開催されたき

美術館との「初めての出会い」を問い直す―ちひろ美術館・東京 インクルーシブデザインワークショップレポート

はじめまして!Collableインターン生のりなです。Collableのnoteでは今後インターン生もさまざまな記事を投稿していきます。よろしくお願いします! 2023年9月22日(金)にCollableがちひろ美術館・東京で行ったインクルーシブデザインワークショップにスタッフとして参加しました。この記事ではワークショップで発見した課題や個人的に面白かった気づきをご紹介します。 今回の取り組みは、ちひろ美術館・東京や、練馬区内の図書館や美術館、地域の子育て支援団体、就労

Collable認定リードユーザー養成講座第1期が修了しました

こんにちは!Collableです。 私たちはインクルーシブデザインの普及をさらに加速させるべく、インクルーシブデザインプロジェクトに欠かせないリードユーザー(インクルーシブデザインワークショップなどで、新しい気づきを導く役割)の方を、Collable公式パートナーとして迎え入れるための「認定リードユーザー育成プログラム」をスタートさせました。 6月3日より開始された本プログラムは全6日回にわたって実施されました。そのうち4日はワークショップの体験日となり、うち2日間分の体

「インクルーシブデザインワークショップ 体験会!」 with Collable / Tiktokって誰もが使えるの?

特別非営利法人Collableご紹介Collableは、「誰もが社会の当事者になる」というビジョンの元、「障害の有無をこえた共創プロジェクトを開発しつづける」というミッションを掲げ活動されている特別非営利法人です。 Collableの代表理事である山田小百合さん(以下:山田さん)には重度知的障害を伴う自閉症のご兄弟がおり、障害の有無の「はざま」で生活を送ってきた当事者家族です。 山田さんは、ご自身の体験や感情を踏まえ、東京大学大学院 学際情報学府 修士課程にて、インクルーシ

公平を目指せば、理解も受容もいらなくなるかもしれない

*この記事は連続インタビューの第4回です。 みんなちがってみんないい、んだっけ? 第1回 「障害があるから」で生まれる歪な関係 第2回 障害受容とコミュニケーション 第3回 技術の進歩と「障害」の変化 第4回 公平を目指せば、理解も受容もいらなくなるかもしれない 第1回、第2回は関係性とコミュニケーションについて、第3回は「障害が障害じゃなくなる」という未来について考えてみました。 連続インタビューラストとなる今回は、「生きづらい」と感じている人はどうやって「生き

技術の進歩と「障害」の変化

*この記事は連続インタビューの第3回です。 みんなちがってみんないい、んだっけ? 第1回 「障害があるから」で生まれる歪な関係 第2回 障害受容のコミュニケーション 第3回 技術の進歩と「障害」の変化 第4回 公平を目指せば、理解も受容もいらなくなるかもしれない 第1回では「障害がある」という事実ではなく、そこに紐づく意識がコミュニケーションの阻害になるということ、第2回では障害受容によって、自分のためではなく他人のためということを考えられるようになるということに

障害が理由なのか、それ以外の理由なのか

*この記事はNPO法人Collableのゲストインタビューの第2回です。 みんなちがってみんないい、んだっけ? 第1回 「障害があるから」で生まれる歪な関係 第2回 障害受容とコミュニケーション 第3回 技術の進歩と「障害」の変化 第4回 公平を目指せば、理解も受容もいらなくなるかもしれない 前回は障害があることで、歪な関係性が生まれるということがテーマになっていました。 障害があるから、やってあげなきゃいけない。 やってもらって当たり前、できていなければ批判す

「障害があるから」で生まれる歪な関係

「多様な社会がいいよね」 そういう言葉や表現を、ここ数年で触れる機会が多くなりました。 「一人一人に合わせた生き方がいい」 でも、それを実現するのは決して楽ではありません。 赤字ばかりでは会社は潰れてしまうし、誰かの自由が他の誰かの負担になっているかもしれません。 今回は「障害当事者と社会が、お互いにどうコミュニケーションを取るのか」ということに焦点を当てて考えてみます。 実際に障害者福祉分野で起きている「ジレンマ」を、ご自身も障害当事者でありながら発信している、一般社

つながりをうみだすために、「異なる文化のあいだに立つ」

登壇させていただいた対談イベントの内容が、本になりました!👏 (ぜひ買ってください。※私には印税入ってこないけど!) これは私だけでなくて、大阪大学COデザインセンターが主催するイベントでの対談集で、かつ、第2弾となる書籍です。 第一弾となるものはこちら(下記)から。 ちらみせ。 この対談では、インクルーシブデザインなどに取り組む背景としてある「障害がある人」と「障害がない人」との間を文化の違いと捉える、という立場のわたしと、大使館でのご経験をふまえ、研究、実践活動

スポーツジムはインクルーシブデザインの可能性にあふれている

今日はちょっと書こうと思った内容から少し変えて、マーケティングとインクルーシブデザインの間の子みたいな内容を書こうかなと思いました。 きっかけは近藤さんのこのツイート。 近藤さんは別の団体でカメラマンとして活躍されていて、そこで知り合いました。すごく素敵な写真や動画を撮られておるです。 そして近藤さんのYouTubeも拝見。 車椅子ユーザーということで、スポーツジム入会ができなかった話を語ってくれています。 彼みたいなアクティブな人にとって、そうやって断られたのはと

インクルーシブデザインが生み出す語りの三項関係

インクルーシブデザインでは、テーマに寄って様々ですが、障害のある方とのワークショップを行う場合が多いです。 一概にどんな障害のある人がリードユーザーになってくれるかはテーマによりますが、一般参加者や、企業のプロジェクトではそうした方々との接点がさほどない人が関わってくれることが多いです。 兄弟に障害のある人がいるとか、もともとそういう人と接点が多いとかだとその点はあまりやりにくさにならないのですが、多くの方の反応は「障害のある方と接点をもつのですか?(私は慣れてないし詳し

インクルーシブデザインにおけるファシリテーションの振る舞いについて

昨日、12月21日に開催したインクルーシブデザインワークショップの意図を書きました。 このワークショップを経て、そして今日別の機会で話になって気づいたのですが、ワークショップ参加者の語りを聞くときに「〇〇障害の人はこういう特徴がある!」という言い方をする人がそこそこいます。 一般化と個別化を往復する一般化しているとはいえ、実はワークショップ中は「視覚障害の〇〇さん」という存在から、ただの「〇〇さん」に変わっていくプロセスはよく見られています。これは経験数によらず、ほとんど

待ち合わせをデザインするワークショップにおける意図や裏話

さゆちゃむです。インクルーシブデザイン普及、多様な人たちとの共創の環境づくりのしごとをしています。 12月21日(一昨日)、久しぶりにインクルーシブデザインワークショップを主催で開催しました。 ワークショップにご参加頂いたみなさまにはお伝えしたのですが、今回じつは、6年前の同じ日に、同じワークショップをしていたんですね。ちょっと狂気を感じますね… ちなみに「インクルーシブワークショップ」となっているのは、シブヤ大学のWEBの規定上、文字数が多すぎたのでなくなく「デザイン

インクルーシブデザインに効く「態度」

今日はインクルーシブデザインワークショップを久しぶりに開催しました。 しかも、ちょうど6年前の今日、同じテーマでワークショップをしていて一種の狂気を感じています。(笑) インクルーシブデザインってなあに?という人が、少し身体で理解してもらえるような、3時間のワークショップを開催しました。 インクルーシブデザインは、デザインプロセスそのものに目がいきがちだし、非常に大事なのですが、6,7年くらい実践を続けてきて、態度の重要性を感じています。 今日は久しぶりにインクルーシ