いくつか勧めていただいた中から、残酷で異常を見てきました。
以下、ネタバレ満載なので未視聴の方は映画を視聴してから読んでいただくことを推奨します。
面白いよ！
アマゾンプライムで無料で見れます。

いくつか映画をお勧めしてもらってるんですが、どれを見ようかな～と思ってアマプラの説明文を見てみたら「なんか逃亡者を思い出すな」となって、これに決めたのでした。
好きなんですよね、逃亡者。
見終わった今となっては、全然違ってたけど。
しかし、タイトルだけだと内容がわからないな、これ。
パッケージ見てもさっぱりわからない。
っていうか、パッケージシンプル過ぎない！？
もうちょっとデザインどうにか出来たのではないかとかそんなことを思いながらも、本編視聴開始。

主人公が小太りの中年男性ってのが、個人的には良かったですね。
格好良い主人公もいいですが、こういうどこにでもいそうな人が主人公となっている映画も大好きです。
ちゃんと清潔感あって、十分に格好良かったですしね。

最初は情報小出しで、なんだかよくわかりませんでした。
そのうち見ていくと理解できるかなーと、見進める。

序盤だけ見ていくと、ジュリアンいい人でしたね。
ウィリアムもあの中では年若い方なのでしょうが、落ち着いていた。
少しずつ事情が見えていって、なぜエドガーがあの場にいたのか。
彼が妻を殺してしまった背景が見えてくる。

殺したことを知った後でも、あくまで自分は悪くないという体。
しかし、他の人々の思いを知って、理解していく。

なるほど、ウィリアムの落ち着きはここだったんだなぁと納得がいきました。
どれだけ理由があったにせよ、自分が殺されそうになって「相手は悪くない」なんて受け入れることは、なかなか難しい。
その点、エドガーは性根は優しい人なんだろうなぁと私からは見えました。
自分なら、きっとウィリアムのように全てを諦めて淡々とする方がありそうだ。

そして、ドリスと共に扉に入る。
自分の世界に、ドリスがやってくる。
メイロンの悲痛な声。
それはそうだろうな、と思いはする。
でも、発作的な怒り、衝動だとしても、罪は罪。
嘆いたってどうにもならないよねー。
と思っていたが。

エドガー、ドリスのかわりに自殺するんかい！！
どんだけ人がいいんだ。

でも、どうなんだろうね。この解決方法。
あの空間を終わらせるために誰かの死が必要、というギミック的な部分ならば納得がいきはする。
が、結局誰かしらの命を犠牲にしてしまうことになるんだよなぁ。
根本的な解決にはならない気がします。
それでいいのか、みたいな想いはぬぐえない。

メイロンとゴーガンのその後の様子、そして年老いたドリスを見るに、残された人々にとっては確かにそれが最良だったのでしょう。
君はそれで良かったのかい、エドガー。
と思っていたら。

わー今度はドリスポジションでディスカッションしてたー！ｗｗｗｗ
ちょっ、グループの皆からの態度も全然違う。わー。
面白いなぁ、この立場。
入ってきた新人に対して、エドガーが現れた時のような流れが繰り返される。
彼らは何度もこのようなことを経験してきているのでしょうか。
だからウィリアムが諦め（以下略

面白いなぁ。
自分の罪を話させる以上は、どうしたってその内容にも触れてしまう。
「誰かを殺した」のと「自分を殺した」のでは、違いはそりゃ現れるよね。
ドリス視点で罪を告白するなら、残してきた家族や周囲への悲しみ、彼らの想いを踏みにじってしまったことへの後悔がメインとなりそうだし。
それと比べて、誰かを殺してしまった側は、殺したことについて直接的に触れることになる。
そりゃ、本人がどうであれ、話をするうちに溝はできるわ。
そうして隔意が形成された後の、あのドリスの椅子に足を投げ出したような態度だったんだろうなぁ。

で、今度はその立場にエドガーが入る。
最後のディスカッションでは、自ら手を上げて話をしだした。
彼にとっては自分の選んだ道が"あの時点での"最良だったという想いはあるだろうし、ドリスも救えて、部屋の前に進み出る顔は誇らしげでもあった。

そりゃージュリアンとウィリアムからの態度も、変わりますわ。

めでたしめでたしで終わるかと思いきや、エドガー自身はいまだあそこに囚われたままだし、仲間達からの扱いは悪くなっている。
でもまぁ、本人は納得していそうだから、それで良いのかなと思ったりもしますが。
ここら辺、ループの中で人間模様が対象を変えて繰り返されるの、大好きです。

いやー面白かった。
最後までたっぷり、良い映画でした。