11_頭のいい色の仕事〜レイモンド・ローウィ

画像1 レイモンド・ローウィ(1893~1986)はフランス出身のアメリカで活躍したインダストリアルデザイナーでありグラフィックデザイナーです。日本でも馴染みのある仕事も多く、ショートピースのパッケージや不二家のロゴマークも彼の仕事です。
画像2 彼の有名な仕事の一つに『ラッキーストライク』のリニューアルがあります。 最初はこんな深緑ベース+赤丸であり『LUCKYSTRIKE』のロゴが入った赤丸は片側だけでした。(手前のものは復刻版です)
画像3 元々パッケージの片面の赤丸には説明文のみ(実際のものはもっと長い文章が延々と入っていた)。 ローウィはその説明文を全て箱のサイド面に移し、両面をロゴの入ったシンボルの赤丸にしました。
画像4 それによって、消費者の目に「商品のシンボルマークが触れる機会」が裏表で「2倍」になったのです(例えばゴミ箱に入っていても) 。つまり、コストをかけずに広告効果が倍増したわけです。
画像5 さらにその色彩。 深緑のインクをやめ、ベースを白に変更することで印刷コストを削減することができました。おまけに白にすることで爽快感や清潔感が増し、商品イメージもアップ。すでに全米で認知度の高い人気銘柄のイメージを損ねず、むしろ好感度や広告効果は上げ、生産コストは下げる結果に。
画像6 エッジの効いた実に粋な色の仕事です。 *参考文献:『口紅から機関車まで』レイモンド・ローウィ=著 藤山愛一郎=訳

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