1月から12月の誕生石のシリーズです。8月のペリドットです。

8月　ペリドット「Carlo Giuliano’s Pendant」

カルロ・ジュリアーノはイタリアからロンドンに移り、19世紀末に活躍したジュエリーデザイナーです。

中世と近世の雰囲気が混在しているこのデザインは、当時流行していた古代やルネッサンス期への憧れを表現するネオクラシックというスタイル。
この時期、古代遺跡の発掘など考古学が発展したことによる影響でしょう。ジュリアーノの師匠、天才職人カステラーニは、古代遺跡から出た財宝の復元に力を注ぎました。

ジュリアーノは、師匠の影響を受けつつ、ルネッサンス期の職人のエナメルづかいやカボション（カットせず石を半球に磨いた形）の使い方に特に熱中し、デザインに盛んに取り入れ評判になりました。
やがて独立して自分の店を構え、イギリス王家や欧州の王侯貴族からの注文を受けるまでになりました。

ちなみに、ルネッサンス期、およびネオクラシックのバロックパールを使ったデザインには屈強な男性の胸部に見立てたジュエリーや、らくだに見立てたものなど、とてもおもしろいデザインがあって、ピンタレストなどで検索すると楽しいです。
「見立てて絵を描くような感覚」によってエナメルの技術が発達したのでしょうか。