出産。お産はやばい。(妊娠39週1日・生後0日目)

2019年11月16日、第一子長男誕生。

11月に入ったあたりからお産の兆候はずっとあった。股関節が痛かったり、脚の付け根がつるような痛みを感じたり。夜になると痛みこそないもののお腹が頻繁にカチカチに張った。それも定期的な間隔で。前駆陣痛は2週間近く続いた。

16日の未明、トイレに起きた後横になるも、また苦しいくらいのお腹の張りを感じた。また前駆陣痛なんだろどうせ~、とそのまま横になっていると、下半身にやや違和感。チョロロ、と何か出た気がした。およ?と思っているともう一回チョロロ。むむむ……とまだ横になっているとワンモアチョロロ。これは!とトイレに駆け込み、パンツを下ろした瞬間にチョロロと薄赤い液体が流れ落ちた。

この時点で明け方4時。産院に電話すると、入院の準備をしてすぐに来てくださいとのこと。
寝ていた夫を起こし、登録していた陣痛タクシーで産院に向かった。

破水だと思って産院に駆け込んだものの、検査の結果破水ではなくただのおしるしだった。なーんだ、と思ったのも束の間、NST検査をするとお腹の張りは5分間隔になっており、しかも結構な強さだった。痛みはまあ、生理の初日くらい?「これ陣痛ですよ!」となり、破水ではなくまさかの本陣痛開始ということで結局入院となった。

5分間隔とはいえ、午前中は割と気持ちに余裕があった。家族に「入院しまーす✌️」とLINEし、出てきた朝ごはん昼ごはんを完食した。ただお昼が出てきたあたりから、痛みの強さが「!!」といった感じになってきた。痛みがくると深呼吸と共に精神統一。30秒くらいすると収まる。痛みがないときは本当に平気で、またLINEを打ったりごはんを食べたりトイレに行ったりした。

ただし14時頃からそんな余裕もなくなる。痛みは2~3分間隔になり、痛みの強さは「!!!!!」くらいに。もう起き上がってはおられず、ベッドに横たわり痛みに耐える。あまりの痛さに、陣痛と陣痛の間にシクシク泣いた。陣痛の最中は「痛い」ということさえできず、痛みが離れた隙間に「痛かった……涙涙涙」と泣いた。

ここら辺から「痛い」以外の意識がなくなる。助産師さんが入れ替わり立ち代わり部屋に入り、内診して子宮口の開き具合を確認していった。この確認方法がかなりエグいんだけど、そんなことを気にする余裕もない。誰が私のお股に手を突っ込んでいようともう何もわからず、ひたすらベッド柵にしがみついて耐えた時間。

どれくらいの時間そうしていたのかわからないけれど、やがて分娩台に移ることに。この、分娩台に乗ってからが、私的には長かった……。

分娩台に乗ってからも「まだいきまないでください」といわれ、また死ぬ思いで耐えることに。もう陣痛の間隔はほとんどなく、次々とやってくる激痛の波に精神がガリガリガリと削られていく。このときの痛みの強さは、「!!!!!!!!!!!!!!!!死」くらい。分娩台の上で、私は「もう二度と!絶対に!!自然分娩なんかやらない!!!」と誓った。

そんな地獄に耐えていると、急に「いきみたかったらいきんでいいよ」といわれる。え?いいの?わけわかんないよ……と思いつつ、何となくいきんでみる。それが全然へたっぴだったらしく、助産師さんに「息吐かない!」「身体反らせない!」「声出さない!」「おへそ見る!」「はい息吸って!」「はいもう一回!」と怒濤の指導を受ける。地獄の痛みにさらに鬼指導が追加され、さらなる地獄だった。それでも、「この地獄を越えなければ、二人(息子&私)とも死ぬしかないんだよ!!!!!」とまさに決死の思いでいきんだ。いきんだ。なのに、何度200%の力でいきんでも、全っっ然出てくる気配がない。

酸素マスクをつけられ、点滴をつながれ、血管がぶち切れそうになるくらいいきんだ後、「も……無理です……」と分娩台の上で泣いた。ら、助産師さんたちが「無理じゃないです!私たちも手伝うから!みんなで出すよ!!」と叱咤激励され、ここでお医者さん登場。会陰切開+吸引をすることになり、さらに助産師さんが私の上に乗るような形でお腹を押す。「せーので出すよ!」といわれ、「「「せーの!!!」」」で、最後の地獄の峠を越えた。血だらけの真っ赤な赤子が目の前でなくのを見た瞬間、私もないた。




結局私が産んだというより「産院スタッフみなさんの力で私の中から引きずり出してもらった」というのが正直な実感だ。もちろん、私本当に死ぬ思いで頑張ったんだけれど。

お産所要時間は、約10時間。私の体感的には死ぬほどつらいお産だったんだけれど(特に分娩台に乗ってからが)、後で先生には「この大きさで10時間なら安産よ~~」といわれた。
世の産婦さんには、私の2倍、3倍時間がかかった人もいると聞くけど、想像を絶する。なんでそんなの、できるの???

出てきた息子は3536g。しかも頭でっかち。ムチムチ。新生児室に並ぶ他の子と比べると、一回りくらい違う。私もう二度と自然分娩なんかしない!と誓ったけど、他の新生児を見たら「えっ?こんなちっちゃいの?これくらいなら出せるかも」と思ってしまった。

夫はずっと付き添ってくれたけど、私が立ち会って欲しくなかったので、分娩の間は隣の部屋で待っていたらしい。隣から聞こえる物音が壮絶で、産声が聞こえた瞬間には涙が出たといってくれた。私もストレッチャーの上で彼の顔を見て、号泣してしまった。

まとめると、お産は本当にやばい。語彙が消失する。

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