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人生を豊かにしてくれるものーこれからの旅のあり方ー

ホテルや宿泊施設(簡易宿泊所を含む)巡りも、建築物巡り同様、今では趣味の一つ。

先日、「恥ずかしいと思っているからということもあって」というタイトルで素人ながらわたしの建築に対する想いというか今での見聞、今の感覚の中で綴った。

たび_」「たびたび_」でスローペースながら綴り始めている旅の経験からこれからの旅はどうなっていくのかを今わたしが感じることも含めて記したい。

なぜスローなのかは過去だからだ。できればより多くの時間を未来に目を向けるべきではないかと思っているからだ。

⌘はじめに

人生を豊かにしてくれるもの」の一つがである、ともう何十年も信じている。わたし自身も多くの方と出会い、多くのことを学び今につながっている。人々の旅話を聞くのも好きだ。そこから新しい創造も生まれる。その瞬間も好きだ。しかしながら、その見返りに自然破壊が進んだり、過当競争に陥って虐げられるような人や組織が出てくることは全く本意ではない。とはいえ、この社会に身をおいて生活をしている以上、いくら綺麗事を言っても、知らぬうちにそういったことに加担とまでは言わずとも、関わっている可能性もまだまだ高い世の中だ。そこまで言わずとも、はっきりいって徒歩移動以外、どんな手段であれ移動すればそれにつけ、何かを消費し、排出していることになる。つまり、完全にそこから逃れるわけにはいかないのだろう。

今まで様々な旅をしてきたから、偉そうには言えないのは十分承知だ。綴りかがら、「よく言うよな」とも思う。しかしながら、これからの旅のあり方を考える貴重な機会に出会した者の一人として自戒の念を込めてこれを記したいと思った。

⌘おかしいなと思っていること

様々な人の意見が知れる時代だ。まだまだ目にしていないものの方が多い中、どれか一つだけをあげるのも多少違和感は感じるが、わりと旅についての考え方が近い、と思った記事を紹介したい。

例えば、観光地で現地のガイドさんが詳しく説明をしてくださる際に、この頃ストレスともなっていたシャッター音。一種恐怖を感じるほどになっていたかと思えば、ずーっと動画を撮っている旅人。明らかにわたしまで写っているじゃないか!と、観光地でセルフィー用の棒に携帯を載せて終始動画撮影してる様はあまりいい気がないし、「旅すること」の価値や意義の低下を思わせ、残念でならない。

この記事にもある「好奇心」と言うのは生きている限りとても大事なことだと言うことは理解できる。わたし自身も好奇心はある方だ。けれども、それが倫理観や節度が超えているとポジティブには受け取れない。ただし、倫理観や節度は各個人の価値観から成り立ち、判断されていることも多く、恋愛事情同様、最も難解な人類の課題の一つであるように思える。

写真や動画問題以外にも旅を通じて感じることはあるのだが、否定的な発言はあまり本意ではない。未来を見据えたことをより多く記したいのでここまでとする。

⌘そうなってくるとどうなるのか

問題はこれからだ。コロナ禍を経験した人類は、観光産業における環境問題労働問題のような諸問題に真摯に改善の姿勢で望めるのだろうか?この所の世界や街の様子を見ていると、「我慢が限界に達しそれどころじゃない」という人たちも多く見かける。例えば、2時間弱の乗車時間の列車内で食事をしながら大きな声で会話をしている人、観光地のフードコートで密に大声で「我先に」と押す人。怒りよりも心が引き裂かれそうに泣けるほど悲しい現場である。

ところで、わたしは世代の異なる人たちとの交流も厭わない。多くを知り、学べるからだ。xyzαな世代だ。

あくまでこれは大きく分類しているだけで、個人個人異なることの理解は十分にある。が、実際に接する際は全くこれらのバイアスを取っ払う、というか、無い。単に楽しい。その逆、というより、わたしよりも上の世代に対しても然り。とにかく「違いが面白い」「学びが多」くて仕方ないのだ。

そのxyzαな世代との会話で知ったのが、

野菜の世界で言うと、oisixのスタートの仕方や、坂ノ途中などと同類の感性や流れ、物事に対しての捉え方を感じる。内情や現場事情は全く経験がなく、知り得ないが、なかなか飽和状態の社会に旅行業界に、老若男女収入格差問わず、希望を持てる取り組みではないかと思う。

こう言う動きどうやらが加速しているようだ。

いわゆる数字で見る地道なマーケット調査も重要なことは理解するが、人々の声を聞く場に出向き、人と対話することを止めてないけないと思う。それを実証する取り組みの一つにも思える。

⌘今後の旅のあり方

今更だが、そもそも、旅は何から始まったのか?

熊野詣での平安時代ではないか?狩猟のための移動も旅ではないか?いろいろな謂れや説があるが、わたしには発祥についてはここでの説明の仕方が妙に附に落ちる。

原点回帰は何かにつけて忘れてはならないことを日々実感する。旅も例外ではないだろう。

人は人と出会い、モノと出会い生きがいを見つけたり、成長したり、明日への生きていく術を身につけることをコロナ禍から再認識させられた。

だからと言って無闇矢鱈に旅に出ることを推奨していいのか。誰しもが「行動あるのみ」でいいのか、疑問に思う。その指針を示すのが、組織であるように思う。組織がないなら作るしかないが。

緊急事態宣言下の世の中を見ていて、十人十色価値観行動パターンがあることを改めて思い知らされる。自己判断で動くことをより認識され、普段わりと考え選択、行動をしてきたつもりで、それなりに年と経験を重ねたから、判断にも慣れてきていたつもりだが、この頃は一つの判断を下すのに頭痛がするほど考えねば答えが出し辛いほどになった。慎重すぎる、という風にも言われかねないが。周りに聞いても「普段考えなかったことについて考えるようになった」という声もそこかしこから聞くことから、何かを変えていくにまたとない機会ではないかと思われる。

それにしては、旅の広告やサイトは多いが、旅のあり方について学んだり、啓蒙したりする機会はまだまだ少ない気もしてならない。

旅に行っていい思いをしたり、無事帰れたら、それがその人のそして、その周りの人の成功例となり、「あたりまえ」や「旅のスタイル」になっていないだろうか。良いも悪いも一晩のうちに世界中に広まり、多くがバズった情報に傾倒することは避けられない。怖い。

突然だが、「諸行無常」という言葉が好きだ。いや、違う、常に心に張り紙をしている言葉だ。悪くいえば、気まぐれ、取られがちだが、そうではない。世の中は常に変化をしている。自身も然り。悲しすぎる出来事もあるが、きっと仕方がないのだろう。

少し道が逸れたが、パスポート以外に「寄り道への理解」や「変化やハプニングを厭わない心持」が旅にはつきものであること。そして、その土地土地での状況やなんかは常に変わるため、「あたりまえ」のバイアスは取っ払うこと、「旅のスタイル」も崩し違いも喜ばしいこと。こんなことが受け入れられる広い心持ちがないと、もったいないことをしている。豊かではない、という啓蒙活動がもっと行われればいいのに、広まればいいのに、と願う。なぜならそうなることで世界が優しい空気に包まれ、本来の旅の目的が達成されると信じるからだ。

あまりの旅先、旅中での他人の倫理観低下に小難しい検定やなんかよりももっと基本的な検定を受け、四つ葉マークパスポート(仮称)がないと旅ができないことにしてはどうか?とも考えたこともなくはない。それこそ都道府県が無料で受験させ、発行すれば良いのではないかと半分無責任にも思う。が、結果的にその土地土地に還元される行動の結果は多くを守り、将来的に大きな価値になるのではないかと考える。

ガラパゴス」一度は行こうと試みたところだ。無類のダーウィン好き、昆虫や生物研究家でもない。強いて言えば、島好きであるが。旅の原点がそこにはあるように思えたからだ。そこでは皆が工夫し常に変化し、適応していっていると考えたからだ。体験していないので説得力はないだろうが。

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent, but the one most responsive to change.

こういうことが実践できているのではないかと思ったからだ。戦後、こういうことが否定されるような社会がわりと長く続いてきたように思う。体現して語りたいと思っていたが、もうそこまで足を伸ばすことは残念ながら今の生活環境から考えて難しいだろう。

⌘牽引するものー未来へー

長い間注目してきた動きの一つとしては、AMANグループも素晴らしいし、死ぬまでに一度滞在したい、とは思うが、わたしに響くのは何よりこのグループだ。早くから、好循環サステイナビリティーについて取り組んでいる。旅好きには一生に一度は体験して頂きたいとは願うが、「豪華絢爛」「ネームバリュー」を重視する方にはできればご遠慮願いたい。

ただ、どの施設もその規模や知名度の拡大に伴い、本来を見失うなったり、表面だけのものになることもある。推しのグループには、そういうことのないよう願いたい。そのためにも、ここで微力でもPRの一端を担えれば、と思う。

是非、地域や旅行者に大切にしてもらうことでサステイナブルに活動を続けてほしいと願う。

みなで守っていく」「育てていく」ことが、間違いなく、牽引を大いに支えるだろう。

そして今わたしが注目したいのが、こういった価値を追求するもの。現在までの大衆化(マスツーリズム)に対して感じる違和感を何かしら打破してくれそうな匂いがする。こちらも失礼ながらまだ海のものとも山のものともわからないが。国内発ベンチャーではまだまだ影響力が弱いように思えるため、Regenerative Travelのような動きがそれらを後押しするようなドライビングフォースになることを祈りたい。

恐らくこれからまだまだいろいろな取り組みが紹介されるであろう。できればどういう形であれ、その一端を担っていたい。

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