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Eugenの備忘録その50-豊穣なドヴォルザーク!11/4ビシュコフ指揮チェコ・フィルみなとみらい公演

セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィル来日公演(11/4、於みなとみらいホール、14時より)

ドヴォルザーク:交響曲第8番
ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》

 交響曲2曲共に温もりに満ちた豊穣なドヴォルザークであった。
 8番は、第2楽章の弦によるしなやかな節回しがまさに本場の矜持を体現していた。第3楽章はかなり緩やかで推進力には欠けるが、主題をはじめ、極限まで耽美的に奏でていく。惜しむべきは両端楽章のあと一歩の推しの弱さ。ビシュコフは優しい人なのだろうけど、この曲のクライマックスは血が騒ぐくらいの激しさを求めてしまう。
 9番は、随分とあっさりめでよくありがちな「演歌的」演奏とは対照的。旋律の不要な誇張がなくかえって新鮮。第1楽章の第2、第3主題や第2楽章の有名な主題など、自然な呼吸感による肩肘張らない、有機的なフレージングを展開しており存分に堪能出来た。このオケに連綿と受け継がれてきた何かを感じた。フィナーレのラストの余韻の残し方は古今東西でも随一と言えるだろう。

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