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@Concert_Bayern (Twitter)クラシック音楽好きな文学部大学生。Va.を弾いています。コンサートの鑑賞録。たまに気になった音盤やアーティストに関しても。最新の情報はTwitterにて。

最近の記事

Eugenの備忘録その63-1/31 バーメルト指揮札響東京公演

マティアス・バーメルト指揮札響東京公演(1/31 19時より、於サントリーホール) ブリテン:《セレナード》○ ブルックナー:交響曲第6番 ○イアン・ボストリッジ(T.),アレッシオ・アレグリーニ(Hr.)  ブルックナーの6番は、煌びやかで温か。教会のステンドグラスのような「光」を感じる様式。過度な味付けを施さず、弱音も無理に抑えつけないが、スッキリと軽やかな音質によりデリカシー不足は全く感じさせない。第2楽章の神秘の音楽は心の襞に入り込むものがあった。ブルックナー6番

    • Eugenの備忘録その62-1/21 ヴァイグレ指揮読響マチネ

      ゼバスティアン・ヴァイグレ指揮読響マチネ(1/21,14時より、於東京芸術劇場) ニコライ:《ウィンザーの陽気な女房たち》 ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番○ ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》 ○D.オッテンザマー(Cl.)  メインのベートーヴェンの《田園》は美演と呼ぶに相応しい。パワーある読響の性格を考慮してか、弦は12型の小さな編成だったが、音量の塩梅が良く、豊かで膨よかな音が3階脇にまで伝わってきた。新鮮とかそう言う印象は薄かったがmäßig (穏やか)

      • Eugenの備忘録その61-上質な音の魔術!1/13ソヒエフ指揮N響A定期

        トゥガン・ソヒエフ指揮N響A定期(1/13 18時より、於NHKホール) シチェドリン:《カルメン》組曲 ラヴェル:《マ・メール・ロワ》組曲 ラヴェル:《ラ・ヴァルス》  シチェドリンの《カルメン》組曲は指揮者の血の通った彫りの深いドラマを上質なアンサンブルで仕立て上げる。《アラゴネーズ》のリズム感と節回し、第2幕前奏曲のヴァリエーションのユーモラスな掛け合いに《ハバネラ》のカルメンが眼前に現れそうな艶やかさ……。打楽器の鳴らし方や音の質量に対するソヒエフの絶妙な調整能力

        • Eugenの備忘録その60-1/10 ヴァイグレ指揮読響名曲シリーズ

          読響名曲シリーズ(1/10 19時より、於サントリーホール) ブラームス:ピアノ協奏曲第2番○ シューマン:交響曲第1番《春》 ヴァイグレ指揮読響 〇藤田真央(Pf.独奏)  シューマン1番は、読響のパワーを開放した重厚にしてエネルギッシュな快演。ヴァイグレは読響のドライヴの仕方をよく分かっている。第1楽章の主題の提示やフィナーレの第3主題の明朗な提示が爽快。第3楽章の主部の躍動感も斬れ味抜群。勿論第2楽章の美しさも。コロナ禍で型を絞っていた時はイマイチオケの鳴りっぷり

        Eugenの備忘録その63-1/31 バーメルト指揮札響東京公演

        • Eugenの備忘録その62-1/21 ヴァイグレ指揮読響マチネ

        • Eugenの備忘録その61-上質な音の魔術!1/13ソヒエフ指揮N響A定期

        • Eugenの備忘録その60-1/10 ヴァイグレ指揮読響名曲シリーズ

          Eugenの備忘録その59-12/23 下野竜也指揮N響第九

          下野竜也指揮N響第九演奏会(12/23 14時より、於NHKホール) バーバー:《弦楽のためのアダージョ》 ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》 中村恵理(S),脇園彩(Ms),村上公太(T),河野鉄平(Bs)  中道中庸ストレート勝負。奇を衒わないまさに正攻法であった。正攻法過ぎて驚きが少ないとも感じたが、最終的に飽きが来ないのはこうした真摯なアプローチだろう。第3楽章の弱音の扱いなど、下野の音楽性をまざまざと感じる部分も頻出。オケでは低弦の厚みが際立った。もっと

          Eugenの備忘録その59-12/23 下野竜也指揮N響第九

          Eugenの備忘録その58-12/21 デ・フリーント指揮読響第九

          デ・フリーント指揮読響名曲シリーズ(12/21,19時より、於サントリーホール) ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》 森谷真理(S),山下裕賀(MS),アルヴァロ・ザンブラーノ(T),加藤宏隆(Bs) 三澤洋史合唱指揮新国立劇場合唱団 速いテンポ、Vib.抜きの透明感ある音色、小編成、やけに末尾で尻窄みしたり通常と異なる箇所に力点を置くアーティキュレーションの4点セット。最近良くあるタイプだが、ワンパターンであり開始数分で手の内が全部分かったようになってしまう。オケ

          Eugenの備忘録その58-12/21 デ・フリーント指揮読響第九

          Eugenの備忘録その57-12/16 ルイージ指揮N響2000回定期公演

          ファビオ・ルイージ指揮N響第2000回定期公演(12/16 18時より、於NHKホール) マーラー:交響曲第8番  マーラー8番がファン投票により実現。会場は熱気に満ち終演後は文字通り拍手の嵐で、耳の鼓膜がやられそうなくらい。だがこの特別な演奏会に酔えなかったのは私の曲に対する理解不足予習不足ゆえか、あるいはルイージのツボの押さえ方にピンと来ないからか。第1部は合唱団が盛大に歌う中盤にギアを上げ、これは流石の気合いの入りよう。だが全体にオケばかりが吠えて声楽が負けている。

          Eugenの備忘録その57-12/16 ルイージ指揮N響2000回定期公演

          Eugenの備忘録その56-12/9 上岡指揮二期会プロジェクトⅠ

          上岡敏之指揮二期会プロジェクトⅠ(読響、二期会合唱団)(12/9 於東京芸術劇場、18時より) ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 モーツァルト:レクイエム    モーツァルトの《レクイエム》は1.3倍速の疾走するフガートに、宗教曲というよりは劇的なオペラの趣を感じる。だが、あのテンポは弦も管も合唱も皆苦しむ「受難」と言っても差し支えない。そんなサディスティックな上岡の棒にオケも合唱も必死に喰らいつく。モーツァルトでは前半の《キリエ》の怒涛の音楽に《ラクリモーサ》の慟哭が素晴ら

          Eugenの備忘録その56-12/9 上岡指揮二期会プロジェクトⅠ

          Eugenの備忘録その55-11/30 カンブルラン指揮読響名曲シリーズ

          11/30 シルヴァン・カンブルラン指揮読響名曲シリーズ 武満徹:シグナルズ・フロム・ヘヴン モーツァルト:ディヴェルティメント第5番 ハ長調 K.187 (C17.12) ドヴォルザーク:管楽セレナード ニ短調 作品44 シチェドリン:カルメン組曲(ビゼーによる)  シチェドリンの《カルメン》組曲は打楽器の巧みな使用法がショスタコ後期に繋がる面白い曲。いわゆる「アドヴェンチャー」要素は薄いが、お馴染みの名旋律を、時に《アルルの女》も交えて次々展開してゆく佳品。読響の弦セ

          Eugenの備忘録その55-11/30 カンブルラン指揮読響名曲シリーズ

          Eugenの備忘録その54-11/25 平石章人&湯川紘惠指揮N響A定期

          平石章人、湯川紘惠指揮N響A定期(11/25 18時より、於NHKホール) (平石章人が前半のロシア音楽名曲集を振り、湯川紘惠が後半を振った)  前半の「ロシア音楽名曲カタログ」は、平石章人が振る。ルビンシテインの《悪魔》の「少女たちの踊り」のベートーヴェンの《田園》にも似た愉しさにグリンカの《イワン・スサーニン》の「クラコーヴィアク」の愉悦感にワクワク。平石の指揮は弱音に拘りを感じさせる。平石はプロコフィエフなどは緊張気味で硬さを感じるも、最近冴えない印象も拭えなかったオ

          Eugenの備忘録その54-11/25 平石章人&湯川紘惠指揮N響A定期

          Eugenの備忘録その53-重厚なブルックナー!11/22 ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管来日公演

          ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管来日公演(11/22,19時より、於サントリーホール) ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死 ブルックナー:交響曲第9番  旧東独オケの重厚なパワーがネルソンスにより良質に呼びさまされる様を目にし感無量。ブルックナー9番は予想通り、CDより重ため(25.30,11.10,26.20=計63分とCDの58分より全曲遅かった)。第1楽章の出だしはアグレッシヴだが徐々に重さが優勢になってゆく。第2楽章は重さを湛えつつ再現部冒頭のPi

          Eugenの備忘録その53-重厚なブルックナー!11/22 ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管来日公演

          Eugenの備忘録その52-11/18 大野和士指揮新国立劇場ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》

          大野和士指揮新国立劇場 ヴェルディ:《シモン・ボッカネグラ》 シモン・ボッカネグラ:ロベルト・フロンターリ アメーリア(マリア・ボッカネグラ):イリーナ・ルング ヤコポ・フィエスコ:リッカルド・ザネッラート ガブリエーレ・アドルノ:ルチアーノ・ガンチ パオロ・アルビアーニ:シモーネ・アルベルギーニ ピエトロ:須藤慎吾 隊長:村上敏明 侍女:鈴木涼子 合唱指揮:冨平恭平 合 唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  タイトルロールのフロンターリは父の愛と

          Eugenの備忘録その52-11/18 大野和士指揮新国立劇場ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》

          Eugenの備忘録その51-イタリア風エスプリと名門の香り高いサウンド!11/9ルイージ指揮RCO文京シビック公演

          ファビオ・ルイージ指揮コンセルトヘボウ管来日公演(於文京シビックホール、11/9 19時より) ビゼー:交響曲第1番 ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》  ルイージの真価にRCOの素晴らしさを堪能出来る満足度高いひととき。 ドヴォルザーク9番は先週のビシュコフとは異なり、「西側」の開放的で艶艶に磨かれた洗練されたオケのサウンドと主張の強さ、イタリア人指揮者によるエスプリが目立つ。TV越しに聴いたルイージの国内オケとの同曲は派手な印象ながら芸術的な感動には至らなかっ

          Eugenの備忘録その51-イタリア風エスプリと名門の香り高いサウンド!11/9ルイージ指揮RCO文京シビック公演

          Eugenの備忘録その50-豊穣なドヴォルザーク!11/4ビシュコフ指揮チェコ・フィルみなとみらい公演

          セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィル来日公演(11/4、於みなとみらいホール、14時より) ドヴォルザーク:交響曲第8番 ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》  交響曲2曲共に温もりに満ちた豊穣なドヴォルザークであった。  8番は、第2楽章の弦によるしなやかな節回しがまさに本場の矜持を体現していた。第3楽章はかなり緩やかで推進力には欠けるが、主題をはじめ、極限まで耽美的に奏でていく。惜しむべきは両端楽章のあと一歩の推しの弱さ。ビシュコフは優しい人なのだろうけど、こ

          Eugenの備忘録その50-豊穣なドヴォルザーク!11/4ビシュコフ指揮チェコ・フィルみなとみらい公演

          Eugenの備忘録その49-本場の熱いドヴォルザーク!10/31ビシュコフ指揮チェコ・フィル来日公演

          セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィル 来日公演(10/31,19時より,於サントリーホール大ホール) ドヴォルザーク:《謝肉祭》序曲 ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲◯ ドヴォルザーク:交響曲第7番 ◯藤田真央(Pf.)  ドヴォルザーク・プロで、メインには7番の交響曲。オケの温かなサウンドとビシュコフのしなやかな音楽性が光る。速めの第1楽章ではアゴーギクを控えめにすることで変化の激しい曲の見通しを良くし、対照的にゆったりとした第2楽章での膨よかな歌にも魅了される。第3楽

          Eugenの備忘録その49-本場の熱いドヴォルザーク!10/31ビシュコフ指揮チェコ・フィル来日公演

          Eugenの備忘録その48-10/30 ヴァンスカ指揮都響定期

          オスモ・ヴァンスカ指揮都響定期(10/30,19時より、於東京文化会館) シベリウス:交響曲第5、6、7番 シベリウスのスペシャリストによる垂涎の演奏会だったが、なるほどという感想だった。縦線を無理に合わせようとせずに揺さぶるところは揺さぶる。反面、終わり方が唐突な5番6番では特に終わりに見栄を切る事を控え、「えっ、終わりなのか」という終止の印象を際立たせる。しかしオケとはどうもハレーションが起きている感が否めず、加えて5番は管の立ち上がりの悪さもあって音楽としてはピン

          Eugenの備忘録その48-10/30 ヴァンスカ指揮都響定期