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Eugenの備忘録その5-臨場感満点!!3/30 ムーティ指揮東京春祭ヴェルディ《仮面舞踏会》(演奏会形式)

3/30 リッカルド・ムーティ指揮東京春祭オケ、東京オペラジンガーズ アゼル・ザダ(リッカルド),ジョイス・エル=コーリー(アメーリア),セルバン・ヴァシレ(レナート),ユリア・マトーチュキナ(ウルリカ),ダミアナ・ミッツィ(オスカル),山下浩司(サムエル),畠山茂(トム),大西宇宙(シルヴァーノ),志田雄二(判事),塚田堂琉(アメーリアの召使い)

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》(演奏会形式)
(於 東京文化会館大ホール,19時より)

このオペラの、「最も信頼していた人故に裏切られた思いが強く出、復讐に至った」という恐ろしさを前面に押し出した演奏で、ティンパニのロールやトゥッティの鋭い一閃などで冷酷なムードを演出。歌手陣ではオスカルのミッツィの可憐さがベスト!端役だがシルヴァーノの大西宇宙がまた素晴らしかった。日本にこんな大型新人がいるのだと《マイスタージンガー》に続き感嘆。レナートのヴァシレの復讐心の凄まじさ、ウルリカのマトーチュキナの憑依感にアメリアのエル=コーリーの第3幕冒頭の憂愁も良い。合唱もまた高水準の出来栄えで、これはムーティの統率力の高さにも要因があるだろう。場の緊迫感をきっちり語りかける。ムーティの指揮は第1幕への前奏曲など意外とあっさりしていたが、無駄なところがなく、終始きりりと引き締まった音楽を提供する。オケではムーティも満足のVc.首席中木によるソロが出色。バンダやクライマックスの金管も含めムーティの意思に沿った音となっていた。ムーティは今年82歳だが、一昨年、昨年より若々しい音楽を披露してくれ、今後も春にとびきりの音楽を届けてくれると確信した。

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