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Eugenの備忘録その6-4/5ブリン・ターフェルOpera Night

4/5 ブリン・ターフェルOpera Night (於 東京文化会館大ホール、19時より)
バス・バリトン:ブリン・ターフェル
指揮:沼尻竜典
管弦楽:東京交響楽団

ワーグナー:
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「リラの花が何とやわらかく、また強く」(ザックスのモノローグ)
 歌劇《タンホイザー》より「おお、心やさしきわが夕星よ」(夕星の歌)
 歌劇《ローエングリン》第3幕への前奏曲
 楽劇《ワルキューレ》よりヴォータンの別れ「さらば、勇敢で気高いわが子よ」〜「魔の炎」
ヴェルディ:
 歌劇《マクベス》序曲
 歌劇《オテロ》 より 「行け! お前の目的はもうわかっている」
ヴァイル:音楽劇《三文オペラ》より「メッキー・メッサーのモリタート」
ボイト:歌劇《メフィストフェレ》より「私は悪魔の精」(口笛のカンツォーネ)
バーンスタイン:ミュージカル《キャンディード》序曲
ロジャース&ハマースタイン:ミュージカル《南太平洋》 より 「魅惑の宵」
ラーナー&ロウ:ミュージカル《キャメロット》 より 「女性の扱い方」
J.ボック:ミュージカル《屋根の上のバイオリン弾き》 より 「もしも金持ちだったなら」

ブリン・ターフェルのリサイタル、沼尻東響が伴奏。
前半はワーグナー特集で、まず管弦楽の《マイスタージンガー》前奏曲から。沼尻は先月びわ湖ホールで全曲を振っており、基本的にはそれと同じ解釈。だがオケは正直先月の方に軍配が上がるのではないか。そのあと、ターフェルが靴を持ち登場。《マイスタージンガー》のザックス(靴職人)のモノローグでは靴を持ったターフェルがヴァルターの歌を賞賛する様を切々と歌い、観客の心を鷲掴み。だが前半最後、《ヴァルキューレ》の《ヴォータンの別れ》の娘を見送る父の哀愁が圧巻で、最後に舞台袖に消える演出も粋だった。
後半はヴェルディの《マクベス》序曲に始まり、《オテロ》の「行け!お前の目的はもうわかっている」を経て、近現代のオペラやミュージカル特集。ここでは、弾けるように楽しいターフェルの姿が見られ、観客を時に巻き込むユーモラスな演出があり、会場を沸かせた。後半ではボイトの《メフィストフェレ》の「私は悪魔の精」における口笛がターフェルのエンターテイナー性を爆発させていた。《屋根の上のヴァイオリン弾き」の「もしも金持ちだったなら」も観客の手拍子を誘うなど、双方向性あるパフォーマンスが楽しかった。来週の《トスカ》が待ち遠しい。

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