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Eugenの備忘録その36-8/31上岡敏之指揮読響ブル8

上岡敏之指揮読響名曲シリーズ(於サントリーホール大ホール、8/31 19時より)

ブルックナー:交響曲第8番(ハース版)

 3月の新日フィルとの張り詰めた怪演から5ヶ月、再び同じ曲を違うオケで聴けることに歓喜した。急な代役だったこと、新日フィルの方は久しぶりの古巣との共演でしかも記念演奏会という条件もあり、特に後半楽章の深みや練度はそちらに軍配が上がる。肝心の今夜の演奏については、読響の分厚い低音域が上岡のデモーニッシュな解釈を際立たせ、またオケの自発性の高さと馬力により強奏での鳴りっぷりは凄まじいものがあった。特に第3楽章の半ばでの破裂するようなトゥッティには度肝を抜かれ、フィナーレの威力も言をまたない。第1楽章や第4楽章の冒頭などを聴いても新日フィルとの演奏よりいくらか粘り気が弱く推進力の強い演奏のため今夜の方がアクが少なく聴きやすい演奏。その分物足りなさを感じた人もいただろう。私も新日フィルを優位と見たいが聴き比べの醍醐味ここにありという90分だった。

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