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はじめに

今回から数回、息子の病気についてお話ししようと思います。
私の息子は生まれた時から心臓に穴があり、7ヶ月の時に難病になりました。
家族の人生を変えた難病、ウエスト症候群の概要をお話しようと思います。

ウエスト症候群とは?

ウエスト症候群とは『点頭てんかん』とも呼ばれるてんかん症候群です。
国の難病にも指定されているひとつです。

多くは生後3-11ヶ月時に発症しており、日本では3000人~4000人に1人の割合で発症しています。
現に私の息子は生後7ヶ月の時に発症しました。

特徴としては
・『点頭発作』と呼ばれる特異な発作
・脳波検査でヒプスアリスミアと呼ばれる特徴的なてんかん性異常波
・精神運動発達の遅れ、後退
等様々な障害をきたします。

ウエスト症候群の発作は一般的なてんかんと違う形で出現します
・頭がカクンと落ちるような動き
・何度もバンザイをする
・頻繁にビックリしたようなしぐさをする
・しゃっくりばかりする
等の形が代表的な発作の出現方法です。
周囲の大人には『変なくせ』だと思われ、発見が遅れることがあります。

早期発見、早期治療が非常に大切な病気で、治療開始時期が経過に影響する病気です。

ウエスト症候群とモロー反射との違い

ウエスト症候群で出現する発作の動きと、モロー反射の動きがとても似ています。

モロー反射とは新生児に見られる原始反射の一つです。
特徴として
・大きな音や明るい光
・身体がグラッと傾いたとき
・外から大きな刺激が与えられたとき
等に手足をビクッとさせ、ゆっくりと万歳をするように腕を広げ、何かにしがみつくような姿勢のように見える様子のことをいいます。
音などをきっかけにびくっとなったり、寝ているときになったりします。

それに対してウエスト症候群の発作の特徴は
・寝起きや寝入り前の目が覚めているときに起こる
・座位では頭をカクンと前に倒す
・手足を強く伸ばす
・眼球が繰り返し上転する
等があり、一定時間ごとに発作的な動きとして現れます。
また1日に何回も見られることもあります。

また、その他にも症状の例としては
・首の座りが悪くなった
・笑わなくなった
・元気がなくぐったりしている
・原因なく泣き叫ぶことが増えた
等精神や発達退行等の症状も出てくる可能性があります。

私が息子に感じた違和感

息子の場合、生後6か月から7ヶ月になろうかという時期に発症しました。
そのぐらいの赤ちゃんはお座りが少しずつ出来るようになってきたり、ずりばいをしたりといった成長をしていくのが一般的かと思います。

しかし、我が子はなかなかずりばいはしませんでした。
ずりばいに関してはしないで成長していく子もたくさんいるので一概には違和感とは言い切れないかもしれません。
当時は息子と赤ちゃん教室を体験していたりしたので練習方法等を教わったりしていたのですが、やろうという意思が全く感じられなかったのです。
もちろんまさか病気があるなんて思ってもいないので、『この子はずりばいしない子なのかな』くらいにしか思っていませんでした。

不安に思いつつもいつも通りの生活をしていたところ…
上記にあげた発作動作が出ました。
息子の場合は『頭をカクンと落とす』動作で気づきました。
その後モロー反射のような動作も出現。
繰り返されていたのでこれは何か違うのはないかと感じていました。

ウエスト症候群とモロー反射の違いを判断するのは一般的には難しいものだそうです。
しかし、母の何か違うという『勘』はあたると思っています。
もし何か気になることがあったら、可能であればその症状の様子を動画でとり、病院に行ってください。

ウエスト症候群ここが気になる!

ウエスト症候群の予後について

ウエスト症候群の予後は、完全に発作が消失するれいは少ないです。
緩やかに症状が続くことが多いといわれております。
発作が減少しても知的障害や運動障害、行動障害などが残ることがほとんどで、様々な程度の発達の遅れを伴うことがあります。

また、新生児期・乳児期に発症したウエスト症候群は、『レノックス・ガストー症候群』という難治性てんかんに移行する例もありますが、全員が移行するわけではありません。

レノックス・ガストー症候群とは?

1~8歳(ピークは3~5歳)で発症することが多いてんかんです。
以下のような発作が見られる病気です。
・強硬発作:意識を失い、手足・体感あるいは全身が硬直した状態になる
・非定形型決心発作:始まりと終わりが不明瞭な、ややぼーっとなる発作
・脱力発作:座ったり立ったりしているときに体を支えている筋肉の緊張が突然失われ、倒れる
この症状のほかに、精神発達遅滞を伴います。

ウエスト症候群は、治療開始時期が病気の経過に強く影響します。
最近では、発症早期に治療を行うことにより発作や発達の予後の改善が期待できるともいわれています。

ウエスト症候群の治療

ウエスト症候群の代表的な治療として、『ACTH療法』が挙げられます。
これは副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を筋肉注射することで副腎皮質からステロイドホルモンの分泌を促し、その結果発作は脳波の所見を改善させるものです。

それ以外にも薬物療法や食事療法、減員となる脳の以上部位が明らかな場合では病変切除術や脳葉離断術等が実施される場合があります。

まとめ

ウエスト症候群の発作と疑わしい動作がある場合やなにかおかしいと感じた時は、その様子を必ず動画で撮影しておいてください。
医師がその時の様子を見られるのとそうでないのとでは全然違います。
かかりつけ医、もしくは小児神経科で相談してみてください。

必要に応じて紹介状を書いてもらい大きな病院、専門医のが在籍する病院への受診も検討してみてください。

ウエスト症候群の症状改善で大切なのは、早期発見と治療です。
なにかいつもと違うや気になることがあったら、まずはかかりつけ医や地域の小児科に診察を受けてください。

また、ウエスト症候群(点頭てんかん)は、難病・小児慢性特定疾患に指定されているため、医療費の助成や療育相談・自立に向けた育成相談など、さまざまな支援を受けることができます。
気になる場合は、各自治体の窓口や病院のソーシャルワーカーに相談してみてください。

以下に記載する、日本小児神経学会が認定する小児神経専門医の名簿、てんかん専門医の名簿も参考にしてみてください。


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