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한국포크송~韓国のフォークソングについて~

ご無沙汰しております。
前回の韓国歌謡ネタが結構身の回りではありますが、好評でした。昨今のK-POPブームの市場も日本の「推活」ブームも相まって数兆円規模になるなど、文化の一部となっているといっても過言ではないかと。にしてもK-POPは盛り上がりを見せる反面、韓国の懐メロはあまり触れられないのは悲しいですね。時代背景や反日感情など様々な感情が入り混じるせいか過去の話題はあまり触れませんね。私としては「歌を歌うのに国境も年代も関係ない」って思っているので抵抗なんてあるわけがないです。

日本と韓国の歌番組事情

話題を考えている最中で最近はテレビの音楽番組も続々とスタートorリニューアルすることを知りました。4月には日本テレビで約30年ぶりにゴールデンタイムに音楽番組「with Music」がスタート、TBS「CDTV」は放送時間を2時間に拡大、更にフジテレビ「ミュージックジェネレーション」がレギュラー放送されるなど音楽配信が主力になってきた中で民放各局がこぞって音楽番組に力を入れるのも不思議な感じがしますが、日本の音楽番組の特徴として最も他の国の音楽番組と違うのは懐メロを取り上げること。
韓国で現在放送されている音楽番組でいえばKBS「ミュージックバンク」SBS「人気歌謡」MBC「ショー!音楽中心」EBS「スペース共感」Mnet「Mcountdown」などありますが、これらの番組は一切”懐メロを放送しない”。韓国の懐メロ番組といえばKBS「歌謡舞台」など高齢者向けの番組となっている為、日本の音楽番組って何か特殊な感じがします。

さて日本と韓国の音楽は数十年前までは一切お互いの国の歌を知らないでした。この20年のK-POPの台頭により韓国の音楽を知ることとなった日本でしたが、実は日本と韓国とは共通する部分もありました。
それは1970年代のロック・フォークソングのブームでした。
日本でも1960年代から反政府や権力への抵抗として盛んに大学生を中心にフォークソングやロックが歌われました。またビートルズの来日など多くの海外アーティストが来日したことも相まって高校や大学でもバンドを結成してリサイタルや学祭でも頻りにアマチュアバンドが多く演奏をしていた時代韓国でもフォークソングが隆盛を迎えた。日本同様に多くの名作がこの時代に生まれていきました。今回は私が特に聴いて欲しい3曲をピックアップしました。これを機に韓国のフォークソングに興味を持っていただいたら幸いです。


「편지」 어니언스(「手紙」オニオンス)

私がこの歌を始めて聴いたのはソウルにいた時に観たKBS「CONCERT7080」なる懐メロ回想番組だった。とてもしんみりしたメロディーと「手紙」なるタイトルがとても印象的だった。当時親身にしていた韓国出身の方にこの歌を知っているかと聞いてみたら、当然のごとく「有名だよ!」と返ってきたのを思い出す。歌詞の内容は「手紙の書置きを残し去っていった彼女を悲しんでいる」といったもの、この歌は1974年リリースだそうだが、個人的には日本で言えばイルカ『なごり雪』を思い出させる。恋人との別れやさようならを綴る言葉なんて実にリンクしていると思う。更に若い世代でもこの歌を知っている歌えると言う人は多く、そこも『なごり雪』と似ていると思えた一曲。


「처녀 뱃사공」  금과 은(「娘船頭さん」金と銀)

実はこちらは1959年に歌われた歌のリバイバルである。つまりカバー。オリジナルは1959年に歌手の黄貞子が歌った「처녀 뱃사공」(娘船頭さん)を1976年にフォークデュオの금과 은(金と銀)がカバーしてリバイバルヒットを飛ばした異色作。KBS「歌謡舞台」で歌われる際はアップテンポな금과 은versionのコードで歌われることが多いが時折オリジナルversionの民謡調コードで演奏されることもある。韓国最大の川である洛東江を少女が船頭さんとなり兵役に行った兄を思う歌詞がとにかく大好きでカラオケでたまに披露します…


「아침이슬」양희은(「朝露」楊姫銀)

加藤登紀子、藤沢エミ、山本洋子といったフォークソングの女王は日本にもいましたが、韓国でフォークソングの女王は양희은でしょう。「朝露」というタイトルではあまりピンと来ていない人も多いかと思いますが、「アチミスル」というタイトルならどこかで聞いたことがある方もいるのでは。1970年に김민기(金敏基)が作詞作曲したフォークソングの名曲。김민기の歌声でも有名だが양희은versionも実にいい。夜明けに輝く朝露に自然の偉大さや豊かさを尊ぶ歌詞は1970年代の学生の間でも爆発的ヒットを飛ばし、レコードもヒットし一大旋風を巻き起こした。

韓国の歌も様々な時代の変化を経て今に至る。その過程はさながら日本の音楽チャートと酷似している。しかしお互いに互いの歌を知らぬまま2000年代を迎えようやく知るようになる。惜しむらくはお互いに音楽交流が早い段階からあれば、日本の音楽番組でも韓国の歌が聴かれたかもしれないが、それは叶わず。チョー・ヨンピルやケー・ウンスク、キム・ヨンジャといった日本と韓国を股にかけて歌手活動されていた歌手も寡少だった。K-POPが日本でブームになり、また韓国でもJ-POPやアニソンが歌われたのはつい最近になってから、しかも韓国民放・公共放送は未だに日本語の歌の放送を極力放送しない。なのでMcountdownのYOASOBI「アイドル」は特例と言える。ちなみにMcountdownでは9月21日に放送されているが、日本のテレビ初歌唱は12月31日放送「NHK 紅白歌合戦」なので約3か月ブランクがある。
日本の音楽番組はTVerといった専門アプリで配信はされるが、動画サイトへの掲載はしていないが、韓国では歌番組がYoutubeにアップロードされるのが普通である。

韓国の歌謡曲はまだまだ奥深い。これからも韓国の歌謡曲についてまだまだ投稿出来ればと思います。
私も勉強して多くの知識を知れたらなと思う所存。
여러분 감사합니다!

【参考文献】

『韓国歌謡史Ⅱ 1945-1980』朴燦鎬 邑楽舎 2018

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