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「知らない」を前提にユーザー体験を考えてみる

年末の足音がどんどん近づいてくるそんな12月始まりの日、
コネヒトでは今年も「コネヒト Advent Calendar 2023」をお届けします🎁

コネヒト Advent Calendar 2023って?
コネヒトのエンジニアやデザイナーやPdMがお送りするアドベント
カレンダーです。
コネヒトは「家族像」というテーマを取りまく様々な課題の解決を
目指す会社で、ママの一歩を支えるアプリ「ママリ」などを
運営しています。
https://adventar.org/calendars/8994 

今年は私がトップバッターをいただいたので、この数ヶ月で実施した施策で得られた学びをお話したいと思います🎄


当たり前ってみんな違う

ママリでは日々たくさんのママがアプリを利用し悩みの解消や、
情報収集を行なっています。
仕事でもなんでもそうですが、知識や得意なこと、苦手なことって
みんなそれぞれですよね。
でもどうしても人間って自分のものさしを当たり前として
話してしまう、考えてしまう。
日々アプリ内の体験や施策を考える際も、この機能は知ってくれてる
だろう、使ってくれているだろう、といったサービスサイドな視点に
なっていることって多々あり、
あ、いまの思考ユーザーさんの目線で考えられていない、
とハッとすることがあります。

「当たり前だろう」という思考に縛られることで視野が狭くなっていることってあるよな、と思い、一度まっさらな状態で考えてみて
どんなこと思うだろ?感じるだろ、そんな視点で考えてみたのが
この後お話しする経験のきっかけでした。

「知らない」を前提にユーザー体験を考えてみる

日々ユーザーさんの投稿を見ていると、この時期はこういうことが
気になるんだな、というのがだいぶわかるようになってきました。
しかし、これはあくまで運営側の私の目線で、
初めて妊娠、出産を迎えるママの目線になってみると
こちらとしては知っているだろう、と思っている情報も
本当はまだ触れたことない、出会えていない情報なのかも。

日々の自分の生活でのできごとに置き換えて考えてみても、
・ゴルフを始めてみた
・ルールも何も分からない
・Webで「ゴルフ 初心者」で検索
・良さげなサイトをクリックしてみる
・(でもその先、サイト内で何を調べればいいか分からない)
・サイト内で「ゴルフ初心者がまず買うべきものリスト3選」
とレコメンドしてくれてまずはそれを見る
こんな体験なのかなと。
※筆者ゴルフが大好きなためゴルフを例にしました⛳️笑

要するに、情報のある場所だけ与えられても未知の経験に対しては
そもそも「何を」検索すればいいかわからない。

ママリを利用してくださるユーザーさんは、初めての妊娠をきっかけに
利用開始してくださる方もたくさんいます。
特にそんなユーザーさんにとって、ママリをインストールしてみたけど
何を調べたらいいんだろ?がわからずと戸惑うことはきっとあるだろう。
我々が、知っているであろうという前提で考えている情報も、
実はユーザーさんとしてはまだ触れたことのない情報で、
こちらからレコメンドすることで新たな気づき、があるのではないか?

そんな視点から、ママリアプリ内で先輩ママたちがどんな情報に
触れているかを月齢毎にまとめた「家族ノート」を参照し、
月齢毎の検索ワードを抽出。
その中から3つワードを選定し、アプリ利用を開始した初日の
ユーザーさんに向けてレコメンドする施策を実施しました。

実際のバナー一例

上記の例は、妊娠5ヶ月のユーザーさんがママリ内で調べている
ワードリストから3つ選定したものですが、レコメンドしているワードは
一見「こんなワード、ママみんな知っているんじゃないかな?」
と感じるだろうし、特に難しく見えるものでもないと思います。
けど、この3つがレコメンドで出てきた!って考えた時、
え、このワードでみんなどんな話題が気になっているんだろう?
という気持ちになりませんか?

知っているワードでも、その先にどんな情報があるかきっとユーザーさんは
知らないであろう、そんな発想から実施したこちらの施策は、
前後比較でママリアプリインストール初日の検索率約1.2倍という結果と
なりました。

冒頭で書いていた自分の経験に置き換えて考えてみても、
自分と同じようなゴルフ初心者ってまずは何から始めるんだろう、
どんなこと調べているんだろうってとっても気になるなと。
そんな時に自分と同じシチュエーションの人はこんなこと調べていた、
こんなもの見ていたよ、というレコメンドは、お、見たい!と思えるし、
そこで得られた情報は大きな気づきになるはず。

そんな気づきとなる体験を、ママリを使ってくれているユーザーさんに
これからもっともっと届けていきたい。
知らないから不安、となる状態を、気づけたから安心、ワクワク、
といった体験に変えていきたいというのが、密かな私の野望です。

知っているだろう、というとらわれを捨てること

コネヒトでは今期、3つのこだわりをもって業務に取り組んでいこう、
というスローガンがあります。
・アジリティで勝つことにこだわろう
・みせることにこだわろう
・とらわれを捨てることにこだわろう
今回の経験は、「知っているだろう」というとらわれを捨てたことで
得られた成果でした。

日々情報がアップデートされ学んでいくと、とらわれの思考になって
わからない…、なんてこと多々ありますが、そんな時は
「ユーザーさんは知らないんじゃ?」といった立ち返りの思考で
考えてみる、この繰り返しをしていきたいと思います。


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