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SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年3月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2024年3月28日現在です。
前回はこちら。

まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。

「審査中」「コミットのみ」「Commitment removed」を追加し、Net-Zeroについて「全体(審査中除く)」としています。

「Commitment removed」とされた企業はこちら。

現在、上記7社で、先月から1社増加しています。
そのニチリンさんは、以前住宅設備メーカーの開発部門に所属していた際に、一緒に商品開発をしていたことから気になりました。「そんな会社だったかな」と

で、久しぶりにサイトを訪問したところ、SBTiの今週分のアップデート合わせる(?)ような形で、EcoVadisのコミットメントバッジ獲得のプレスリリースを出されていました。

先月、日本のNet-Zeroのコミットのみの累積が、先月の65社から64社に減っており、今月はさらに62社に減少しており、自主的な撤回も可能であることが判明しました。

ニチリンさんは、「より一層、様々なステークホルダーと協力し、持続可能な社会の実現に向けて努力を継続するとともに、グループの持続的な成長を目指す」ビジョンに向けて、対応するインデックスやイニシアチブを精査して、着実に邁進していくということでしょう。

また、みずほはNet-Zeroのコミットメントを撤回しています。
こちらも、八方美人、全方位戦略ではなく、自社が注力すべき分野を見極めた上での結果ではないでしょうか。

ISSBやSSBJ、CSRDやSECなど、任意開示ではなく法定開示のルールが次々と生まれている中、ステークホルダーとしては、投資判断を任意開示に頼る必要性が低下するのでは?と考えていましたが、その流れが出てきたのかもしれません。

続いて、SBTi短期の全体数及び認定企業数の変化を見ていきましょう。

増減を見たのがこちら。
(Net-Zeroについては「全体(審査中除く)」に変更しました)

○短期SBT
全体:世界 +341社 日本 +95社
認定数:世界 +322社 日本 +95社
○Net-Zero
全体(審査中除く):世界 +90社 日本 +1社
認定数:世界 +78社 日本 +3社

前述したように、日本のNet-Zeroのコミットのみの累積が、先月より2社減って62社になっています。他方、世界については、2,260社から2,272社と、着実に増加しています。

世界は「Commitment removed」が先月の182社から313社と大幅に増加していることと併せて考えると、removedされた会社の国やセクターなどを分析すると面白いかもしれません。

最後に、認定率。

審査中のみの企業数が入手できなかったことから、1月よりSBTi短期のみに変更しています。先月同様、世界と日本の認定率は、ほぼ同じで傾向は変わっていません。

SBTiの体制変更が、うまく機能してきていることの表れでしょう。


ところで、中小企業向けSBT(SBT for SMEs)を申請できるSMEの定義が変更されていることは、皆さんご承知でしょうか。今後は、この定義から外れる「今までの定義でのSMEs」は一般向けで申請しなければなりません。

それでは「今の定義で中小企業向けで認定を受けている場合はどうなるのか?」という疑問がわくかと思います。ですが、ご安心下さい。

法律と同じで、「遡及効は有しない」ので、現状のままでよいです。
5年に一度見直しをした際、更新が必要であっても、あくまでも「中小企業向け」でOK。

ただ、短期SBTの目標年である2030年が近づき、2050年の長期目標へ移行していくと思います。先般フォームが統一されたのも、その流れでしょう。2050年目標年へ向けて、今後改訂が進むと思われるところ、条件変更等は常にウォッチしておく必要があるでしょうね。

今後も、適宜情報をご案内していこうと思います。
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