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進みつつある、統合化の波?!

ISO14064-1 Carbon neutrality がリリースされたことはお伝えしました。

まだ「ISO」なので英語版しかありませんが、販売されています。

購入に当たっては、日本規格協会の「Webdesk」からどうぞ。

そのISOですが、リリース発表直後の12/3に、IFRS財団と、サスティナビリティ関連情報開示について協業する旨を発表しています。

昨年COP27では、14068-1の前身とも言えるIWA42をリリースして注目を集めましたが、その他の環境NGOやイニシアチブ同様、ISOも矢継ぎ早に施策を公表、プレゼンスを示すのに、ご執心ですね。

他方、パートナーのIFRS財団は、ISSBがS1・S2の基礎となるSASB基準の国際適用可能性(Interoperability)向上プロジェクトを推進しており、12/13-14の会合の結果を受けて、修正版をリリースしました。

SASB基準は、IFRSサステナビリティ開示基準の要求事項を満たすための重要なガイダンスであり、ISSBはその継続的な使用を奨励しているところ、米国発祥のため、グローバルで使用するには不都合が多かったことから、当該改定を行う旨を早々に表明していたのです。

さて、ここで、ISO及びISSBという「Standard Setter」が協調した動きをとろうとしている背景は何なのかと考えました。

ISOは、稲葉先生曰く「-2、-3が続くことを想定」
加えて、SDGs関連企画の開発も視野に入れていると伺いました。

他方、IFRS財団は、S1・S2に引き続き、S3、S4、S5を策定することを公表済み。乱立していたESG(環境・社会・企業統治)の情報開示について統一ルールをつくることを目指しているとか。

なので、全く個人的な見解ではありますが、気候変動や生物多様性に留まらず、サスティナビリティ関連情報の開示に当たって、内容についてはISSB、継続的に開示するマネジメントシステムについてはISO、というデファクトをお互い協力して作っていきましょう、ということでは?とにらんでます。

これが成立すれば、ISSBと歩調を合わせる、目標設定のSBTi、開示プラットフォームのCDP、統合報告書ルールセッターのGRIも恩恵を受けるでしょう。

また、「任意開示から法定開示へ」というISSBのかけ声の下、S1・S2のローカライゼーションを行っている各国規制官庁にしてみても、ウェルカムでは?

もう一点私見を述べさせてもらうと、GHG検証統合化の動きかもしれません

ご案内のように、GHG検証はISO系と会計士系の2つのタイプがあります。
前者はISOによる製品認証の流れ、後者はISAE3000など保証業務の流れ。
ユーザーからしてみれば、統合してもらえれば好適ですね。

思えば、今年8月に、ISAEを所掌する国際監査・保証基準審議会(IAASB)が、国際サステナビリティ保証基準(ISSA)5000「サステナビリティ保証業務に関する一般要求事項」を提案しました。

同じく8月に、公認会計士の倫理的行動を指導・規定する国際的な機関である、国際会計士倫理基準評議会(IESBA)が、グローバルに使えるサスティナビリティ保証の倫理基準を策定していると、日経が報道しました。

今考えると、全てサスティナビリティ関連情報開示における、開示方法や開示内容、開示する体制や検証方法、検証人の力量などなど、様々な「ルールセッティング」が確立されていく途上にあった(ある)と思えてきました。

何やら、大きなうねりが来ているようですね。
今後、漏れ聞こえてくる情報を多面的に分析し、皆さんにインサイトをお届けできるよう、修行して行きたいと思います。

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