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ワカメは順調に生長中

ブルーカーボン第1弾として、小坪漁協のワカメの養殖プロジェクトを行うことを、昨年お伝えしていました。

場所は、日本随一のヨットハーバー、葉山マリーナのすぐお隣。
前回訪問時はヨットも多数出ており、入り込まれのではと心配しました。

昨年は種付けしてから1週間程度だったので、数センチ程度だったところ、1か月半経つと、1m以上まで成長していました。

2月半ばから収穫が始まりますが、一気に刈り取るのではなく大きく成長したものから順に間引いていくそうです。そうすることで、周りのワカメが順序よく成長していくとか。林業の間伐と同じですね。

収穫期に入ると毎日作業を行い、刈っては1日分を天日干し。それを繰り返し行い、2月一杯から3月には漁期が終了となります。

小坪漁協は、1枠40m×30mの枠を6枠所有していて、1枠当たり6t、計36tの収穫があります。もっと海水温が下がれば、種付けも2回くらいはできるようですが、いかんせん、温度が高い。

水温が18℃以下でないと生長しないところ、最近は黒潮が蛇行して、湾内に入り込んできているそうで、高温状態が続いているとか。温暖化のみの影響ではないかもしれませんが、大きな要因のひとつでしょう。

他方、シラス漁の方は、暖かい方がシラスが入ってくるので歓迎だとか。とはいえ、持続可能な漁業という視点では、憂慮すべきことですよね。

小坪では、地元試験場から依頼を受けて、早熟カジメやアカモクの育成も行っているそうです。アカモクの方は、いい感じで生長していました。

が、カジメの方は、密集すること無くまばら。

試験所で種から芽吹くところまで生育し、それを養殖ロープに植え付けて生長させているところなのですが、これから果たして「藻場」の再生に至るのか、怪しいところ。

実際、漁師の槙原さんも「芽吹かせることと、自然環境の中で育っていくことは全く別物だから」とあきらめ顔ではありました。

昨年ワークショップで、藻場再生の苦労をお聞きしましたが、その難しさを肌感覚で理解しました。

小坪漁協は「海業振興モデル地区」に選ばれていることもあり、様々なことにチャレンジされています。その一つが、モズクの養殖です。

モズクといえば沖縄など、暖かい海でしか生育しないかと思っていましたが、温暖化の影響で、小坪の海でも可能性があるそうです。気候変動対策でいうところの「適応」ですね。

フォーカスが合っておらず恐縮ですが、こちらの網に、汚れのようにくっついている黒いものが、種付けしたモズクです。これから生長すると考えると、海の生物の生命力は凄まじいと実感。

なお、ワカメは養殖が一般的ですが、小坪では、天然ワカメもトライしているそうです。とはいえ、最近は藻場の消失が甚だしく、ワカメの生育にも厳しい環境だそうです。

実際見せてもらいましたが、一面の藻場だったところはその面影が全く無く、代わりに、多数のウニがのさばっていたのでした。(ウニはワカメは食べないそうですけど)

このような現実を目の当たりにすると、ブルーカーボンがもたらす「コベネフィット」がいかに重要か分かるというもの。Jブルークレジットを認証する要件の一つとしているのも、納得でしょう。

来年度は、SAGA COLLECTIVEさんと一緒に、海苔の養殖でもブルーを生み出す予定です。来週、現場を訪問してきますので、また、ご案内しますね。

ということで、ワカメの種付けよろしく、ブルーの種まきをしています。
ご関心のある方は、是非、ご一報下さい。一緒に頑張りましょう。

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