ASEANにもサスティナビリティプラットフォーム
ブルサ・マレーシア・ベルハド(ブルサ・マレーシア)、インドネシア証券取引所(IDX)、タイ証券取引所(SET)、シンガポール取引所(SGXグループ)は、それぞれのデータ・インフラに共通のESG指標を導入することで、ASEANの持続可能な開発を推進するため、ASEAN-Interconnected Sustainability Ecosystem(ASEAN-ISE)に関する協力を発表しました。
プレスリリースでは、ASEAN-ISEの目的は以下のように謳われています。
このイニシアチブは、2023年12月10日に発表された文書の中で初めて言及されたもので、ブルサ・マレーシア、IDX、SET間の覚書(MOU)の一部。ESGデータの収集および管理を一元化することを企図しています。
ホワイトペーパー「Interconnected Sustainability Ecosystem Initiative」には、次のような説明があります。
また、CSRD、ISSB、SECにおけるサスティナビリティ関連情報開示要請、EUのグリーンディール政策、UKのネットゼロ移行計画(TPT)、ニュージーランドや日本、台湾におけるTCFD義務化等を、ASEAN地域の課題と認識している旨の記述もあります。
これを受けて、ASEANが「Navigateing through the challenges」するために立ち上げられたのが、ASEAN-ISEだと言えます。とはいえ、イニシアチブを立ち上げた3つの取引所だけだと「ASEAN」を謳うには心許ない。
そこで今般、に、新たにSGXが加わったことで、名実共にASEANの「持続可能な開発推進」を担うプラットフォームになったことが、今回のプレスリリースのポイントだと思います。
イニシアチブとしては、ASEANのその他の国の取引所にも、秋風を送っていることでしょう。
構想としては、地域毎、国毎、セクター毎にトレンドとなっている、データ連携をASEANで行うものですね。
地域的な特徴を反映して「A tool for all companies - listed PLCs or private, large cap or Small-Medium Enterprises (SMEs)」としっかりと明記されていたのが、印象的でした。
イニシアチブによるツール提供やキャパビルに加え、大企業や金融機関がSMEの脱炭素経営を支援するスキームも構築されており、まさしく、SDGsの「No one left behind」を地で行っていると感じます。
今回のプレスリリースだけでは、共通ESGインデックスの導入・採用によって、ASEAN域内企業の取組が比較可能となることで、ステークホルダーにおける投資判断が容易になり、域内外からの投資を呼び込むことができるようになるのか、と思っていました。
ですが、確かにそれも目的の一つですが、ロードマップの一部、通過点に過ぎないということのようですね。
昨年から、「アジアのボラクレとETSが熱い」と思ってきましたが、今年はさらに加速しそうですね。
これからもウォッチしていきますので、ご期待下さい。
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